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日傘を購入しました。これまでは抵抗があったものの、生命の危機を感じるような昨今の夏を考えれば、そうも言っていられない。買ったからには、カンカン照りになってくれ、と思ったりもする今日この頃です。
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アルバム「Diavola」でメジャー・デビューした新星ジャズ・ヴォーカリスト、Gabrielle Cavassaの公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。予備知識はほとんど無かったのだが、会員特典の招待券を使っての鑑賞である。
メンバーは
・Gabrielle Cavassa(vo)
・Gabriel Schnider(g)
・Lex Warshawsky(b)
・Peter Varnado(ds)
バンドが先に登場し、演奏を開始。そこにGabrielle嬢登場。かなりオンマイクで歌うのだが、ブレスや破裂音が全く気にならないどこまでもスムースな発声。声を張るタイプでは無いのだが、ウィスパー・ヴォイスとも違う、独特のヴォーカルだ。
バンドのテクニックも見事。特に、ほとんどの曲で、Gabrielle嬢の歌よりも長いぐらいたっぷりと奏でるGabriel Schniderのギターが聴かせる。そして、硬質でキレキレのPeter Varnadoのドラムスが心地良い。演奏曲では、3曲目に演った「Angelo(オリジナルはLuigi Tencoの1962年の曲)」から「Diavola(彼女のオリジナル)」の流れが印象的。特に、後者での、切れ味の良いドラム・ソロから”Diavola”の歌声がカットインするところのカタルシスが!
派手なパフォーマンスは無く、じっくりとサウンドを届けるタイプのステージだが、「Raindrops Keep Falling on My Head」で、電話の受話器型マイクを使ったのが効果的。その見た目と音質が、Burt Bacharachの懐かし上質サウンドにピッタリ。
そして、アンコールは、ギターと2人だけで登場し、歌詞カードを見ながら「赤とんぼ」。三木露風の詞を3番まで歌いきる。彼女の声質にとても合っていて、しみじみと良い曲だと思う。これで、会場中の日本人のハートを、しっかり掴んだのではないか。私は掴まれた。
Richard Linklater監督の新作を観てきた。
1959年、Jean-Luc Godardが初の長編映画「À bout de souffle(勝手にしやがれ)」を撮影する様子を描いたモノクロ映画。Jean-Luc Godardは勿論のこと、Jean Seberg、Jean-Paul Belmondo、François Truffaut、Juliette Grecoら実在の人物達が、そっくりの俳優で、当時の雰囲気を活写したパリの街を舞台に、生々しく躍動する。
新人監督なのに、自信たっぷり。シナリオ無しで、毎朝、カフェで思いついたアイディアに従って撮影する(時には、全然撮影しない日もある)Jean Luc。私なら、一緒に仕事をしたくないタイプだ…。役者もスタッフも彼に振り回され、その非常識な行動に眉をひそめる人や陰で愚痴をこぼす人も多いのだが、それでも、結局は協力して、撮影は進む。現場に満ちる破天荒な情熱が、”ヌーヴェルヴァーグ”という運動を推進したことが、テンポ良く描かれていく。
劇中、Jean Luc(演じるのは、Guillaume Marbeck)から次々飛び出すアイディアを、飄々と受ける Jean-Paul Belmondo(Aubry Dullin)が、本当にナイス・ガイ。Jean Seberg(Zoey Deutch)も好演だが、その後の彼女の悲劇的な生涯を思うと、観ていてちょっとツラい。
私のような”ヌーヴェルヴァーグ”という言葉について付け焼き刃の知識しかない人、映画の歴史に興味ある人、さらには、映画に限らず創作活動の現場に関心がある人などに、大いにお勧めしたい快作だ。
1960年代から1980年代に制作された90点以上のポスターを通じて映画とグラフィズムとの結節点を探るという展覧会を観に、国立映画アーカイブに行ってきた。2012年の「日本の映画ポスター芸術」展を基に、それ以降の新たな収蔵品を加えて開催されるということで、展覧会タイトルに”再訪”が付いている。
4章仕立ての展示。
第1章 《描く》映画ポスター――戦後期
第2章 新世代のデザイナーたち――1960年代
第3章 ATG(日本アート・シアター・ギルド)の衝撃
第4章 映画に挑んだデザイナー/アーティスト
で構成されている。と言っても、ポスターが並んでいるだけのこぢんまりした展示である。
が、これが中々に見応えがある。
石岡瑛子デザインによる「地獄の黙示録」のカッコ良さに唸り、
粟津潔による「ウィークエンド」、「中国女」、「東風」に痺れ、
横尾忠則の「新網走番外地 さいはての流れ者」にニヤリとし、
生賴範義の「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」、「グーニーズ」に瞠目する。
他にも、野口久光、和田誠、大島弘義、高橋常政等々、芸術性の高いポスターの数々が並び、見飽きない。
クラウドファンディングでの支援を募集している事で話題となった国立映画アーカイブ。2018年に開催された「『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映」に感銘を受けて以来、応援したいと思っている施設だ。なるべく機会を見つけて訪れようと思う。
Gus Van Sant監督の新作を観てきた。実話を元にしたクライム・スリラーだ。
1977年のインディアナポリス。自分の首と人質の首をショットガンとワイヤーで固定し籠城した男が、自分に損失を与えたローン会社に、謝罪と補償を訴える。下手に動くと、ショットガンの引き金が自動で引かれるという仕掛け=Dead Man's Wireのため、警察も動きようが無い。犯人は地元のFM局のDJに電話をし、窓口に指名。さらには、大手メディアを呼び、自分の要求を全米に生中継させるなど、行動がエスカレートしていく。
冒頭から、センス抜群の映像と音楽に惹きつけられる。シンプルなストーリーだが中弛みの無い展開。脇役達のキャラクターがしっかり描き分けられているところにも、監督の巧さが冴える。特に、息子を人質に取られ、謝罪を要求されているのに、まったく動じないローン会社の社長役、Al Pacinoの貫禄が凄い。
劇場型犯罪に、犯人を非難する者と擁護する(さらには、ヒーロー視する)者、世論が二分する様子は、現在に通じるテーマだ。しかし、監督は過剰にそこを強調すること無く、現実の苦さを突きつけるラストに着地する。
個人的には、ここぞというタイミングで流れるYesの名曲「I've Seen All Good People」に感涙。
ということで、徹底的にスタイリッシュな犯罪実話映画だ。
大貫妙子のライヴを観に、恵比寿ガーデンホールに行ってきた。
「ピーターと仲間たち」は、2023年から毎年開催されてきたコンサート・シリーズ。オリジナル・マルチ・トラックからのサウンドや、シークェンサー、シンセサイザーを使用した楽曲を中心とした特別な編成・演出が特徴。この公演が令和7年度(第76回)芸術選奨文部科学大臣賞【大衆芸能部門】に繋がったのだ。私は2024年以来、2度目の参戦である。
私が場内に入ったとき(左端の方だったが、かなり前方の良席)、教授の「Parolibre」が客入れの音楽で流れていて、なるほどと思ったのだが、その後、 Frankie Goes To Hollywoodの「Welcome to the Pleasuredome」や、XTCの「Seagulls Screaming Kiss Her Kiss Her」も流れていた(この時は、”何故?”と思ったのだが、ライヴ後、振り返ってみると、サウンド的に納得の選曲だった)。
バック・バンドは、2024年と同じ、
・フェビアン・レザ・パネ(Piano)
・鈴木 正人(Bass)
・坂田 学(Drums)
・伏見 蛍(Guitar)
・網守 将平(Keyboards)
・toshi808(Sequencer)
私の大好きな「CARNAVAL」でスタート。教授が好き放題にアレンジした感じの名曲を、忠実に再現するバンド、流石だ。ギターやシンセのソロを、腰に手を当てて眺めている大貫妙子の佇まいもカッコ良し。
そこから、途中、今年行った海外公演の話なども挟みながら、「チャンス」、「お天気いい日」、「SIESTA」、「Volcano」、「夢のあと」、「Labyrinth」、「Mon doux Soleil」と、 超名曲揃いのナンバーが続く。やはり、私は、アコースティック路線の大貫妙子よりも、シンセを巧みに使ったタイプの曲を歌いこなす大貫妙子が好きだ。ここで、15分間の休憩。
休憩後の1曲目は「Flashback」。教授が作った”中華三昧”のCM曲を気に入った高橋幸宏が詞を付け、自身のアルバムに収録した作品。大貫妙子は、この曲を、2022年の「高橋幸宏50周年記念ライブ」でカヴァーしていたのだ。これが聴けたのは嬉しい。
そこから、「RECIPE」、「ふたりの星をさがそう」。そして、ここから、私にとってのド鉄板曲「ピーターラビットとわたし」、「テディ・ベア」、「タンタンの冒険」が並ぶ。特に、「タンタンの冒険」の、Trevor Hornチックな攻めたアレンジは、つくづくカッコ良いなぁ。そして、「宇宙(コスモス)みつけた」、「Happy-Go-Lucky」で本編終了。
アンコールは、STUTSと共作したNHK「あさイチ」のテーマソング「おはよう」、そして「色彩都市」で全編終了。
最初から最後まで、私好みの曲とサウンド。そして、透き通った大貫妙子のヴォーカル。とても上質なライヴだった。以前と比べて、大貫妙子の表情が柔らかくなり、MCの雰囲気も丸くなったような気がするのは、老成ではなく、海外にも広がった再ブレイクがもたらした余裕なのかもしれない。まだまだ、新曲も作りたいと仰っていたので、楽しみだ。
が、やはり、人混みで使うのは、まだ尻込みしてしまい、人通りの少ない道でのみ使用する小心者…。その内、慣れるかなぁ。 |