IN/OUT (2024.9.1) |
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来るぞ来るぞと言われ続けた台風10号。結局は、東京には到達せずに済みましたが、湿気を含んだ空気により、天候は不順なまま。 そんな中、夏の風物詩、矢野顕子トリオのブルーノート東京公演は無事開催。これを皮切りに、矢野顕子強化月間のスタートです。 最近のIN「『エヴァンゲリオン』ウインドシンフォニー」@ ミューザ川崎シンフォニーホール (24.9.1)「エヴァンゲリオン」シリーズの吹奏楽版コンサートを観に、ミューザ川崎シンフォニーホールに行ってきた。この企画は、2018年9月に初演。その後2019年、2022年、2023年と続き、今年が5回目の開催となるそうだ(今年は、ミューザ川崎と大阪国際会議場の2箇所で開催)。 指揮・編曲は天野正道。演奏は東京佼成ウインドオーケストラ。そして、スペシャルゲストとして高橋洋子と、エリック・ミヤシロが出演。私の目当ては、エリック・ミヤシロのトランペットだ。 劇伴の生演奏ということでは、先週観た「葬送のフリーレン」と同じだが、「スクリーンへの映像投影は無し」、「オーケストラではなく、吹奏楽」という違いがある。私は、ちゃんとした吹奏楽団を観るのは初めてだと思う。コンサート・マスターはサックス奏者が務めているのか等、新たな発見。 二部構成の第一部は、TVシリーズの劇伴中心。ティンパニーとホルンの響きが、いかにもエヴァらしくてカッコ良し。4曲目で、高橋洋子登場。「TENSIONS - welcome to the stage」という、多くの映像作品でも引用されている緊迫感のある劇伴に歌詞を付けたバージョン。吹奏楽の迫力有る生音をバックに、よく映える声だ。 第一部での高橋洋子の出番はこの1曲だけ。演奏が進み、第一部のラスト「Swinging A1」の演奏で、エリック・ミヤシロ登場。ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ ではあまり披露しないような長目のソロと、たっぷりの高音を轟かせ、ハイノート・ヒッターの面目躍如、という感じだ。 20分の休憩後、第二部は、映画版の劇伴中心。1曲目「Welcome to the Tokyo III jazz club 」からエリック・ミヤシロが登場。彼は、アニメの劇伴やゲーム音楽の録音も多く行っているそうだが、エヴァの場合、録音時には曲にタイトルは付いておらず、アニメの内容も全く知らない状態だったそうだ(実際にエヴァの映像を観たのは、録音から数年後)。ただ、アニメでもゲームでも、あまり演者が思い入れを込めて演奏すると、視聴者やプレイヤーの邪魔になるので良くないとも、おっしゃっていた。なるほどである。そして、自分がソロの美味しいところを持っていってしまっていると恐縮しつつ、楽団のトランペット・セクションを立てる発言もするところがお人柄。 エリック退場後、数曲演奏の後、高橋洋子再登場。「What if? 2022 」を、オペラのような歌唱で披露。流石の声量。そして、「psycho」、「the path 」の2曲で、エリック・ミヤシロと共演。実力者同士のアドリブ合戦が楽しい。 本編ラストは、当然、高橋洋子の「残酷な天使のテーゼ」。吹奏楽団の生音をバックに、素晴らしい音響のミューザ川崎シンフォニーホールに響く歌声。なんとも贅沢。 時間が押していたのか、間髪を入れずにアンコール。TVアニメのエンディングで使われていた「FLY ME TO THE MOON」を高橋洋子が朗々と歌い上げ、「サービス、サービス!」と言い残して退場。この台詞が出たという事は!で、もう1曲「次回予告(F02)」(TVアニメの次回予告に流れていたBGM)で全編終了。 映像の助けがなくても、しっかりコンサートとして成立するのは、さすが鷺巣詩郎の劇伴クオリティと、天野正道の編曲、そして、優秀なプレイヤー陣。さらに、ミューザ川崎シンフォニーホールの音響の良さも印象的だった。 「カルダー:そよぐ、感じる、日本」@ 麻布台ヒルズ ギャラリー (24.8.31)モビール(動く彫刻)の発明で知られる現代美術家 Alexander Calderの個展を観に、麻布台ヒルズ ギャラリーに行ってきた。1920年代から1970年代までのモビール、油彩画、ドローイングなど約100点が展示されている。 会場に入るとすぐに、大きな立体作品。ゲルマン神話に出てくるドラゴンをイメージしているそうだ。 学生時代に描かれた、動物を題材にしたドローイングも展示されている。何だか、その後のモビールの動きにも影響しているように見えてくる。猫が可愛い。 絵画、立体造形、モービルを混在させるなど、展示の工夫も楽しい。入館時に係の人から、「作品に手を触れたり、息を吹きかけないでください」と言われたが、確かに、モビールの展示には必要な注意だろうな。 見た目がキャッチーな作品が多く、展示空間の雰囲気も良い展覧会だった。 ただ、麻布台ヒルズ自体は、富裕層向けという雰囲気が他の”ヒルズ”以上に強いと思う。このギャラリーも、施設の規模としては小さいが、昨年11月のオープン時の展覧会がOlafur Eliasson、そして、第2弾がAlexander Calder。そして、11月からは「ポケモン×工芸展」を予定しているという。流石のラインアップだと思うと同時に、麻布台ヒルズ全体に、何か気後れしてしまうのは、我ながら貧乏性である。 今年の強化月間は、例年以上に盛り沢山の予定。体調管理と仕事のやりくりが超重要な、今日この頃です。 |