IN/OUT (2022.10.16)

スマートフォンを新調。現有機の減価償却はまだ終わっていないし、性能的にも問題ないとは判ってはいるものの、メーカーが繰り出す値引きクーポンや下取りの提示に乗せられ、Pixel 6 Pro → Pixel 7 Proへ。やはり、新しいマシンの初期設定は楽しい。

値引きやクーポンって、使わないと損する訳じゃ無くて、そもそも使わなければ出費はゼロ。なのは判ってはいるのですけどねぇ…


in最近のIN

「横濱JAZZ PROMENADE 30th Special LIVE el tempo directed by シシド・カフカ with special guest 桑原あい」 @ 関内ホール22.10.10

関内ホール1993年にスタートした、「街全体をステージに」を合言葉に市民とミュージシャンが一体となって開催される音楽イベント「横濱ジャズプロムナード」。その一環として開催された公演を観に、関内ホールに行ってきた。

登場するel tempoのパフォーマンスは、今春の日比谷音楽祭でちょっとだけ観たのだが、一度、しっかりと鑑賞したかったのだ。しかも、今回は、ゲストに桑原あいも出演するということで、行かねばの娘。なのである。

el tempoを主宰するのは、女優としても活躍するシシド・カフカ。彼女が、2018年にアルゼンチンに留学して習得した「サイン・システム」= 100種を超えるハンド・サインを用いてコンダクターが指示を出し、複数の奏者による即興演奏を可能にするという手法を用いた音楽集団だ。メンバーは、コンダクターのシシド・カフカの他に、ベースのケイタイモ、そして、パーカッションの、IZPON、岩原大輔、岡部洋一、KENTA、Show、はたけやま裕、MASUO、茂木欣一。東京スカパラダイスオーケストラのドラマー 茂木欣一を筆頭に、いずれも、日本の音楽シーンの最前線で活躍する一流パーカッショニストの集団とも言える。そんな彼らを、シシド・カフカがハンドサインを駆使して操る即興演奏。日比谷公園で聴いたときには、伸びやかで陽気なラテンのリズムが印象的だったが、果たして、ホールコンサートはどうだろうか?

演奏が始まる。このハンド・サイン・システムによる即興演奏。最初は、本当に即興かと疑っていたのだが、ライヴを観ると、確かに、コンダクターが発するサインをキューに、凄腕パーカッショニスト達が音を重ね合っている。2曲ほどは、シシド・カフカがプレイヤーに回り、別メンバーがコンダクターの役割を果たす演出もあったのだが、結局、彼女の存在感(やはり、そのスタイルと美貌は、圧倒的だ)とセンスの凄さを引き立たせたという気がする。

3セッションほどel tempoだけで演奏した後、本日のゲスト、ドラムスの山田玲とピアノの桑原あいが参加。この二人は、Will Leeが主宰した音楽イベント「EAST MEETS WEST」で、ハウスバンドのメンバーだった二人だ。つまり、世界的トップ・ベーシストが選んだドラマーとピアニストという事になる。

さすがに、ゲスト・パフォーマーの2人が入ると、即興では無く、予定調和の演奏になるのかと思いきや、この2人も、しっかりとシシド・カフカのハンド・サインに従った即興を繰り出す。後で、MCで語られたことによると、100種類近いサインがあるにも関わらず、2人とも異常に物覚えが早く、今後は、是非、準レギュラーとしてel tempoに加わってもらいたいレベルとのこと。一流ミュージシャンの才能を思い知らされる。そして、桑原あいの勢いのあるピアノが、この音楽集団ととても相性が良いのが嬉しい・楽しい。

正直な所、el tempoだけで90分だと、楽しいんだけど、いささか飽きていたかもしれない。桑原あいのピアノが加わった効果は絶大だったと思う。そして、シシド・カフカの才気にも大いに感心したのである。


「原田知世 40th Anniversary Special Concert “fruitful days”」@ 東京国際フォーラム ホールA22.10.16

東京国際フォーラム

原田知世のデビュー40周年記念ライヴを観に、東京国際フォーラムに行ってきた。

バック・バンドは、伊藤ゴロー(Gt)、佐藤浩一(Pf)、鳥越啓介(Bs)、みどりん(Dr)、織田祐介(Tp)、藤田淳之介(Sax)、伊藤彩(Vn)、沖増菜摘(Vn)、三木章子(Vla)、結城貴弘(Vc)。さらに、ゲストとして、大貫妙子、鈴木慶一、高野寛、土岐麻子が出演するという、記念ライヴにふさわしい豪華メンバー。私は、原田知世の音楽センスは素敵だと思ってはいるが、今回は、どちらかと言えば、ゲスト目当ての参戦である。

開演。彼女のレパートリーをそれほど広範に押さえている訳では無いので、一抹の不安もあったのだが、最初の曲が、ナイアガラ・トライアングルの「A面で恋をして」。これは嬉しい。彼女の曲「恋をしよう」に続いての三曲目が、さらに嬉しいシーナ&ロケッツの「ユー・メイ・ドリーム」。こういう曲をカバーしているのか。やはり、彼女の音楽センスは信頼できる。一方、合間のMCは、デビュー40周年のベテランとは思えない可愛らしさ。これが、ぶりっ子じゃ無く、どう見ても自然体なのが、ある意味恐ろしいほどだ。

ここで、最初のゲスト。大貫妙子登場。1983年の原田知世のデビュー・アルバムに提供した「地下鉄のザジ」を共演。詞にも曲にも、大貫妙子らしさが溢れている名曲だ。大貫妙子退場後、「ダンデライオン」を挟んで、次のゲスト、土岐麻子登場。彼女と共演するのは、土岐麻子作詞・伊藤ゴロー作曲の「ping-pong」。土岐麻子退場後、「冬のこもりうた」を歌って、第一部終了。20分間の休憩。

休憩開け、電子音強めで「Like This」、「ヴァイオレット」。そして、第二部最初のゲストは高野寛。原田知世とは、pupaのバンド仲間だ。共演する曲は、彼が作詞で網守将平が作曲した「邂逅の迷路で」。デビュー40周年記念アルバム「fruitful days」の収録曲。続いて、鈴木慶一が登場し、やはり「fruitful days」の収録曲、鈴木慶一作詞・THE BEATNIKS作曲の「アップデートされた走馬灯」。予習せずに参戦して恐縮だが、「fruitful days」、名盤だな。

鈴木慶一退場後、キセルの辻村豪文が作詞・作曲した「くちなしの丘」、伊藤ゴローと組んだ初期の作品「夢の途中」、「fruitful days」収録の伊藤ゴロー作曲作「一番に教えたい」。もう一曲、伊藤ゴロー作曲の「銀河絵日記」。これで本編終了。

東京国際フォーラムアンコール一曲目、原田知世作詞・Ulf Turesson作曲、Tore Johanssonプロデュースの「ロマンス」。この曲の時のみ、撮影可のサービス。

そして、最後は、松任谷由実作詞・作曲の「時をかける少女」。演奏が始まる前に、観客に向いたスクリーンに、「スマホのライトを点灯して左右に振る、サプライズ演出をよろしく」とのスタッフからのメッセージが映る。それに応える観客。歌っていた原田知世は、いきなりのこの光景を見て涙ぐみ、歌にならない。40周年記念ライヴを締めくくるにふさわしい、感動的な光景になった。十分な予習をせずに臨んでおいて口幅ったいのだが、大満足のライヴだった。



今月が、私の誕生月。しかも、キリの良い年齢ということで、かつての「やのコレオフ会」に参加してくださっていた有志の方々に飲み会を開いていただきました。長い人とは、26年間の付き合い。有り難いことです。