IN/OUT (2022.8.28)

Jordan Peele監督の新作を観てきた。

ホラー系の映画としては、何とも人を喰ったタイトルだが、Jordan Peeleらしい、全く先が読めない、想像の斜め上を行く物語が展開する。

舞台は、ハリウッド映画の撮影に貸し出すための馬を飼っている牧場。その経営者だった主人公の父親は、空から降り注いだ落下物に当たって死んでしまう。飛行機からの落下物なのか？ その後も不可解な現象が続く中、主人公とその妹は、雲の中に何かがいる。と確信し、それを動画に収めようとする。というのが、前半のストーリー。何だか分からないけど、意味ありげで怖い映像という、監督の特色が良く出ている。

ここまでは、多数の伏線らしきものがばら撒かれてはいるが、結局はUFO映画かな、という感じだ。しかし、その後の展開には意表を突かれる。思いっきり単純化すると、動物の扱いを間違えると怖いよ、という事か。タイトルだけで無く、内容も、相当「人を喰った」作品だ。これが、まだ三作目の監督作だが、巨額の予算で、このような作家性の強い映画を撮ることが出来ること自体に、Jordan Peeleの才能と、それを業界も認めていることが分かる。確かに、何とも癖になる作風だ。