IN/OUT (2021.6.27)

緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が繰り返され、ずっと混乱しっぱなしの中、気がつけば、2021年も折り返し点です。


in最近のIN

「桑原あいツアー2021 “オペラ, ソロ & トリオ”」@東京オペラシティ リサイタルホール21.6.25

桑原あいの公演を観に、東京オペラシティに行ってきた。全編ソロ・ピアノによるニュー・アルバム「Opera」を携えての東名阪ツアーの最終公演である。なお、「Opera」の録音は、ここ、東京オペラシティ リサイタルホールで行われたということだ。

6月13日のブルーノート東京では、ソロとトリオの二編成の演奏だったが、今回はソロのみ。それも、PA無しの生音勝負である。2月に観た公演と同じスタイルだ。

トリオ編成の時は、実に活き活きと楽しそうに演奏する彼女だが、ソロの時は、ストイックにピアノと1対1で対峙するその没入感が半端ない。公演を重ねてきたことで、新アルバム収録曲のアレンジがすっかりバージョンアップしているのが興味深く、楽しい。

「Everything Must Change」で、いわゆる本編終了。しかし、ソロ公演だと、一旦、袖に捌けちゃうと集中力が途切れるということで、そのまま(アンコール扱いで)「The Back」 と「Daydream Believer」 で全編終了。さらにダイナミックさが増した演奏と、PA無しの純粋ピアノの音色の豊かさを堪能。やはり、ツアー最終日は良いな。


"Peter Rabbit 2: The Runaway"21.6.26

"Peter Rabbit"の続編を観てきた。邦題は「ピーターラビット2 バーナバスの誘惑」

前作は、Peter Rabbitの「可愛さ」よりも「イタズラ好き」に焦点を当てた、大人も楽しめる作品だった。スタッフや主要キャストが続投した今作も、モフモフの可愛いCGと、捻りの効いたジョークのバランスが巧みな快作に仕上がっている。

Peter Rabbitが、前作よりもぐっと成長している。というか、本当に良い子になっていると思う。ライバル的存在のThomasも人間味を増している。それなのに、ヒロインであるべきBeaが、商業主義に流されそうになるという展開が面白い。Peter達の絵本を自費出版したところ、それに目を付けた大手出版社の言うがままに操られてしまうのだ。ビーチでウクレレを弾くPeter Rabbitを描き、さらには… とエスカレーションしていく様は、Winnie-the-Pooh などに対する痛烈な皮肉だ。

絵本の世界なんだからと割り切ったような荒唐無稽さが、嫌み無く伝わってくるのが、製作陣のセンスの良さだろう。一見、無茶苦茶な映画化のようだが、原作者 Beatrix Potterの著作権を管理している財団と密接に連携していたそうだ。それが、Peterの仲間達のキャラが、それぞれに活き活きと描写されていることに繋がっているのだろう。子供にも安心して見せられるストーリーと、分かる人には分かるネタが詰め込まれたジョーク。幅広く、万人に勧められる良作だ。



結局、感染症対策の迷走ぶりと、オリンピックに拘る人達の言動の理解不能さばかりが印象に残る上半期でした。