IN/OUT (2018.5.27)

スマートフォンをAndroidに換えて一週間。Androidの作法にも慣れてきました。元Windows Phone派としては悔しいけれど、世の中の多数派の(日本に限っては、iPhoneの方が強いけど)端末というのは、持っていて安心感はありますな。


in最近のIN

"Peter Rabbit"18.5.26

日本でも超有名な児童文学「ピーターラビットのおはなし」を元にした映画を観てきた。

映画の冒頭、小鳥たちが歌うシーンで、「これは、子供向けの苦手なタイプの映画だったか…」と思ったのだが、その直後、いかにも英国を舞台にした作品らしい皮肉の効いた展開と、圧倒的なスピード感に溢れる野ウサギ=Peter Rabbitの映像に驚かされる。結果として、大人が楽しめる好作品だった。

何よりも、Peter Rabbitを単に可愛いだけではなく、原作通り、イタズラ好きで冒険好きのキャラクターに描いているところに好感が持てる。擬人化された部分と動物らしい所のバランスも絶妙だ。Peter以外にも、三つ子の妹や、従兄弟のBenjamin Bunny、さらには他の動物たちも、それぞれキャラが立っている。

ドラマ部分も、中々しっかりとした作りになっている。単純にウサギが善、ウサギを虐める人間が悪としない深さもあり、満足度は高い。

ただ、映画のエンディング・クレジットが流れた終わった後に、日本の配給会社がキャンペーンで行った「Myラビット写真投稿キャンペーン」に集まったウサギ写真が流れるのには閉口。


"犬ヶ島"18.5.26

Wes Anderson監督の新作を観てきた。日本を舞台にしたストップモーション・アニメーション。英語タイトルは"Isle of Dogs"。

近未来の日本、ウニ県メガ崎市。独裁的な小林市長は、犬に蔓延する伝染病に対する住民の不安心を煽り、ゴミの集積地である離れ島に犬たちを強制隔離する(小林市長は、犬嫌い。猫好きなのだ)。主人公のアタリ少年は、愛犬を探すため、単身、小型飛行機で島に向かい、島で生き延びている犬たちの助けを借り、愛犬の探索を進める、というお話。

丹念に作り込まれた、キッチュで、独特の色彩感覚に溢れた映像は、まさにWes Anderson監督の世界。外国人の誤解に満ちたヘンテコな日本が描かれているのかと思いきや、誇張はあっても、本質を突いた日本描写になっていることに驚く。この映画の日本の描き方については、賛否両論あるようだが、監督の日本愛は本物だと私は思う。特に、「七人の侍」の音楽が流れるシーンにはグッと来るのだ。

犬たちの声を担当するのは、Edward Norton、Bill Murray、Jeff Goldblumら大物俳優達。英語を喋る犬に対し、日本人の登場人物達は日本語を話す(映画内に通訳が登場するが、それもFrances McDormandという贅沢ぶり)。豪華声優陣の中でも、一聴してすぐに分かるのは、ゴミ島に暮らしながらも美しい毛並みを保っている雌犬役のScarlett Johansson。つくづく、色っぽい声の持ち主だ。また、端役ではあるが、渡辺謙の声の存在感も流石だと感じた。

当たり前ではあるが、映画は主人に忠実に仕える犬への愛情に溢れている。犬好きの人には、堪えられない映画だろう。私は(どちらも自分で飼ったことはないが)、小林市長と同じく、ネコの方を好ましく思っているのだが…。ただ、自由気ままなネコが主人公だと、物語は成り立たないだろうな。



ただし、ランチャーにMicrosoft Launcherを使っているところが、我ながら義理堅いと言うか…