IN/OUT (2020.12.20) |
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気がつけば、あと一週間で仕事納め。忘年会ゼロというのは、入社以来初めてです。 最近のIN「Wonder Woman 1984」 (20.12.18)DC Comicsが仕掛けるプロジェクト、DC Extended Universeの新作を観てきた。コロナ影響ですっかり公開スケジュールが滅茶苦茶になってしまったハリウッド映画だが、この作品は、米国に先駆けての封切りとなった。ありがたい。 前作「Wonder Woman」は第一次世界大戦を舞台にしていたが、今回は、バブル入り口とも言える1984年の設定。当時を象徴する「軽薄短小」的雰囲気が巧みに再現されている画面は、リアルタイム世代には楽しい。Frankie Goes To Hollywoodの音楽は、本当に時代の空気だなぁとしみじみするし、そう言えばパステルカラーのファッションが溢れていたなぁと遠い目に…。しかし、今の若い人にはどう見えるのだろう? ストーリーは、良い意味で肩の力が抜けていると思う。物語の鍵を握るのが「一つだけ願いを叶えてくれる石」。悪く言えば子供だましのギミックだが、上手く活かしている。原作コミックに登場する(これも子供だまし的)装備「インビジブル・ジェット」の扱いも気が利いている。前作とのつながりも良い感じだ。 ということで、細かい所は感心する箇所が多いし、アクションシーンのカッコ良さは見事だ。しかし、物語の後半は、やや失速気味。オチも、ちょっと性善説過ぎて、弱いと思う。あの燃えるテーマ曲があまり使われていないのも不満だ。結局、「Batman v Superman: Dawn of Justice」での激アツの初登場シーンを超えられていないのが残念。 ただし、この手の映画に付き物のカメオ出演では、思わず、最高!と声を上げたくなるシーンが用意されている。1984年よりも更に前、1970年代後半頃の能天気ワンダーウーマンを知る世代には、嬉しいサプライズだ。 そして、Gal Gadot様の美しさは、全編に渡って全開。正直、彼女の美貌を愛でるだけで十二分に元が取れるし、今後も、彼女がWonder Womanを演じる限り、ついて行くと誓うのである。 「大貫妙子 Symphonic Concert 2020」@昭和女子大学人見記念講堂 (20.12.20)大貫妙子がオーケストラと共演する公演を観に、人見記念講堂に行ってきた。 バンドは、定番メンバー。小倉博和(ギター)、鈴木正人(ベース)、林立夫(ドラムス)、フェビアン・レザ・パネ(ピアノ)。そこに、千住明が指揮する Grand Philharmonic TOKYOが加わり、ゲストに坂本龍一を擁する布陣。贅沢である。 舞台奥に総勢70人近いフル・オーケーストラ。前方左にピアノ。右にベース、ドラムス、ギターが並ぶ。まずは、オーケストラだけが登場し、開演。「突然の贈りもの」などオーケストラ・アレンジした大貫妙子の曲をつないだ演奏に、彼女のメロディー・メイカーとしての才能を改めて思い知る。アレンジの千住明、Good Jobである。 バンド・メンバーと大貫妙子が登場し「幻惑」から歌唱開始。スケールの大きなオーケストラの響きに包まれた大貫妙子の歌声がとても心地よい。控え目ながら、バッチリのタイミングで音を重ねるバンドも流石の上手さだ。「夏に恋する女たち」、「Rain」、「光のカーニバル」、「RENDEZ-VOUS」と演奏が続く。 第一部の最後は「グランプリ」。1981年の傑作アルバム「AVENTURE」収録曲で、前田憲男がアレンジしたビッグ・バンド・ジャズ風のサウンドが特徴的な作品。それをフル・オーケストラで贅沢に再現した演奏に大満足だ。 休憩後、第二部の冒頭は千住明の部。彼のキャリアのスタートは、大貫妙子の1985年のアルバム「アフリカ動物パズル」にアレンジで参加した事だという。2020年は、それから35周年の記念イヤー(さらに、彼の還暦祝いでもある)。しかし、今年は記念コンサートの開催もままならなかったということで、ここで彼の代表作「風林火山(メインテーマ)」と「ピアノ協奏曲 宿命(第一楽章から抜粋)」を披露するという計らいである。 オケの熱演の後、大貫妙子とバンドが再登場し「黒のクレール」。そして、ここでゲストの坂本龍一登場。古くからの友人にして共同作業者らしく、他愛の無い話で盛り上がった後、「TANGO」。教授の1995年のアルバム「Smoochy」収録曲で、作詞が大貫妙子。1997年には、彼女もアルバム「LUCY」で採り上げた作品だ。当然、ピアノ演奏も坂本龍一。 教授は1曲で退場。その後、「空へ」、「ベジタブル」、そして本編ラストは「Shall We Dance?」 アンコール1曲目は「ピーターラビットとわたし」。オーケストラ・アレンジの華やかな演奏。間奏中にウサギの耳の手振りをする大貫妙子が可愛い。そして、最後は、坂本龍一も含め、全員が登場して「色彩都市」(2曲とも、1982年の「Cliché」収録曲だ)。これで、全編終了。 オーケストラのゴージャズなサウンドと、バンドの手練れのテクニック。坂本龍一 → 千住明 → そして、最後の「色彩都市」のアレンジを任された網守将平と続く東京藝大・先輩後輩繋がりの楽しい雰囲気。これらをバックに、大貫妙子の歌唱も伸びやかで、とても雰囲気の良いコンサートだった。 来年は、「去年の今頃は…」と言いながら忘年会をしているのか、あるいは、このまま数年後には「昔は忘年会という風習があったなぁ」と言う事になってしまうのか、予断を許さないという感じです。 |