IN/OUT (2020.11.22) |
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郵便受けにタウンページが届けられていました。いまだに配布されていることにも驚きますが、何よりもその薄さに改めて驚愕する今日この頃です。昔は、電話帳と言えば分厚い物の代名詞だったのに… 。実際の所、普段、使う機会は皆無。もし、使うとしたら災害等でインターネット・サービスが使えなくなった時ぐらいだと思います。ならば、防災時の情報だけに絞った、さらに薄い版で良いような気がします。 最近のIN「『光-呼吸 時をすくう5人』展メンバーアワー」@原美術館 (20.11.21)来年1月での閉館が決まっている原美術館。通常の開館時刻(午前11時)の前の10時から、メンバー限定で「光-呼吸 時をすくう5人」展を鑑賞できる企画が行われている。しかも、日頃は立ち入り禁止となっている裏庭と3階の屋上にも入れるという。最後の機会ということで、早速申し込み、出かけてきた。 まずは、スタッフの方に屋上を案内して貰う。"Staff only"と表示されたドアを抜け、階段を上る。丁度、常設展示、Jean-Pierre Raynaudの「ゼロの空間」の外側に当たる箇所だ。スタッフから、この建物の歴史や、ここで行われたイベントの事を聞くことが出来るのも楽しい。この日は天気も良く、見事に育った樹木の茂る庭を上から眺めるのが実に心地よい。 続いて、一階の展示室から、普段は閉めきられているドアを抜けて裏庭へ。足下の苔むした飛び石を見ると、何やら幾何学的な模様が彫られている。こういう機会でなければ気づけない発見だ。また、杉本博司が自身の展覧会「杉本博司 ハダカから被服へ」を開いた際、窓から見える空調の室外機が無粋だということで、1本250円で買ってきたホウキで室外機を隠し、それを「アートのほうき かえりな垣」と名付けたアートにした作品も間近に見られる。この美術館に何度も足を運んできた人間には、つくづく嬉しい企画だ。(なお、今回の展覧会は「記録ではなく記憶に残して欲しい」ということで写真撮影禁止なのだが、石は大目に見ていただければ幸いです) その後、一般入館者が来るまでの時間、少人数でじっくりと展覧会を鑑賞。本来は、これが最後から2番目の展覧会で、本当の最終回は総集編的なコレクション展を企画していたらしいのだが、コロナ影響の結果、こうなってしまったという。しかし、原美術館を舞台に新たに制作された佐藤時啓の作品を観たりすると、結果的には、最後を飾るにふさわしい展覧会になったなと、改めて思う。 なお、原美術館の入り口のブロックにも、裏庭の飛び石と同様、模様が刻まれている。以前から、ちょっと気になっていたのだが、裏庭の飛び石を知ってから見ると、ニヤリとしてしまう。 「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」 (20.11.21)いまや社会現象ともなっているアニメ映画を観てきた。 この作品のことは、大ブームになる前から一応は知っていたが、その絵柄が好きになれず、興味の対象外としていた。が、首相も宇宙飛行士も「全集中」するご時世。観ておこうかなと映画館に行ってきたのだが、公開から一ヶ月以上経っていても、ほぼ満席。確かに凄い人気だ。 感想は、可も無く不可も無く。と言ったところか。いかにも、漫画好き・アニメ好きの人達が喜びそうな要素がてんこ盛りで、面白いのは間違いない(正直、数多あるこの手の分野の名作・良作の要素をマッシュアップしたという印象も強いが)。ただ、個人的には、いただけない箇所も多い。まず、登場人物達の説明調の独白が多すぎて興醒めだ。台詞で全てを説明するという演出を映画としては認めたくないと思ってしまう(エヴァのように思わせぶりが過ぎるのも困りものだが…)。また、登場人物達のキャラ付けにも感情移入できない。特に、主人公・竈門炭治郎のあまりにも優等生的な深層心理の描写に、私は苦笑を禁じ得なかったのだが、皆、あれで納得しているのだろうか。人名等の漢字のセンスに、どこか「YOSAKOIソーラン」的な匂いを感じてしまうのも、苦手だ。 ということで、アニメと割り切れば、燃える展開というのは十分に理解したが、映画としての私的評価は低い。長編漫画の中盤のエピソードの映画化なので、面白さのかなりの部分は「お馴染みキャラの活躍」にあると思う。本来は、初見の人も巻き込んだ大ブームになるような作品ではない気がする。 以上、期待外れ感が大きかったのだが、あまり正面切って否定して「すかしている人」に思われるのも癪だし、苦境の映画業界の救世主としての功績は大いに認めるのである。 ハローページの方は、2021年10月以降に発行・配布するのが最終版となり、サービス終了となるそうです。かつては、「50音別電話帳」に自宅の電話番号を掲載することに誰も疑問を持たず、個人情報の塊と言える電話帳が、家庭に一冊のみならず、街中の電話ボックスに常備されていたというのは、今の若い人には信じられないでしょうね… |