IN/OUT (2020.11.15)

コロナ禍での仕事の変化で大きなものの一つが、オンライン会議が当たり前になったということです。もちろん便利ではありますが、物理的な会議室という制約が無くなった分、より気楽に開催できるようになり、随分と回数が増えました(在宅勤務によって、時間の制約も緩くなり、時差のある国との会議も増えた)。これは、世間一般の動きだと思いますが、TVなどで紹介される事例を見ると、皆、カメラをオンにしたビデオ会議であることに違和感を覚えます。自分の勤務先では(VPN環境がショボいせいも有り)カメラをオンにする人はほぼ皆無。資料共有だけです。この方が気楽で良いと思うのですが、少数派なのかしらん?


in最近のIN

「音響ハウス Melody-Go-Round」20.11.14

1974年12月に東京・銀座に設立され、昨年、創立45周年を迎えたレコーディング・スタジオ「音響ハウス」についてのドキュメンタリーを観てきた。上映館、ユーロスペースのロビーには、ユーミンのサイン入りCD が14枚飾られ、雰囲気を盛り上げている。

この映画のラストに流れる曲「Melody-Go-Round」をレコーディングする過程を縦軸に、合間合間に縁のミュージシャンのインタビューなどが挿入される構成。この映画のために作られたテーマ曲は、作詞:大貫妙子、作曲:佐橋佳幸、編曲:佐橋佳幸・飯尾芳史、ブラス編曲:村田陽一。ヴォーカルはHANA(昨年のYellow Magic Orchestra 40周年記念ライヴの冒頭で「Cue」を歌った女の子だ)。銀音堂と名付けられたレコーディング・ミュージシャンは、佐橋佳幸、高橋幸宏、井上鑑、葉加瀬太郎、村田陽一、西村浩二、山本拓夫、本田雅人、大貫妙子という超豪華メンバーだ。

さらに、インタビューで、矢野顕子、坂本龍一、松任谷由実、松任谷正隆、佐野元春、綾戸智恵、鈴木慶一、David Lee Roth(Van Halen)、関口直人、笹路正徳、オノセイゲン等々が、このスタジオへの思い出を語る。登場するのが、ミュージシャンだけでなく製作側の人物なども、ほぼ全員知っている、もしくは、ライナーノーツなどで名前を見たことがある人ばかりなのが楽しい。

実質的には、レコーディングを仕切る佐橋佳幸と飯尾芳史がメインだが、語られるエピソードは(贔屓目無しに)矢野顕子が一番面白い。松任谷正隆の(内容よりも)話し方の巧さ、大貫妙子の誠実さも印象的。ぞして、阿吽の呼吸でレコーディングを進めて行く手練れのミュージシャン達が格好良い。

ただ、私のような、どストライクの観客には嬉しいが、ドキュメンタリーとしては、冒頭に出てきたメンテナンス・エンジニアのような裏方や、音響ハウス自体の歴史等もしっかり描いた方が良かったような気もする。HANA が歌う新曲の手の込んだプロモーション・ヴィデオという感じもしてしまうのだ(この曲は、大貫妙子のヴォーカルでも聴いてみたいな)。


「ジャズピアノ Battle ジャム / かわさきジャズ2020」@ミューザ川崎シンフォニーホール20.11.15

ミューザ川崎シンフォニーホール川崎市で開催されている音楽フェスティバル「かわさきジャズ」の一環の公演を観に、ミューザ川崎シンフォニーホールに行ってきた。巨匠 山下洋輔(78歳)を筆頭に、スガダイロー(46歳)、桑原あい(29歳)、奥田弦(19歳)の4人のピアニストが、PAなしの真剣生音勝負で、2台のピアノをかき鳴らすという趣向。ゲストにサックスの平野公崇とトランペットのLuis Valle。

まず、奥田弦が1人で登場し、向かって右側のピアノで演奏開始。初めて観たが、流石、9歳でメジャー・デビュー・アルバムをリリースしただけのことはある。演奏技量は極めて高い。しばらくして、桑原あいも登場し左側のピアノへ。二人で演奏するのは「My Favorite Things」。演奏後の2人のMCは、ちょっと年の離れた姉弟という感じだ。さらに2曲、2人で演奏した後、トランペットのLuis Valleが登場し、ピアノ2台×トランペットというレアな編成でMichel Camiloの「Caribe」。これで第一部終了。奥田弦のテクニックを立てながら、外連味溢れる演奏をする桑原あいが良い感じだ。

第二部は、若さ溢れる第一部から一転、山下洋輔とスガダイローのベテラン師弟コンビ。見事なまでに解体された「枯葉」、そして、山下洋輔の作品の後、サックスの平野公崇が参加し、完全な即興演奏。実に巧みで、渋い。さらにRavel の「Boléro」。最初は、比較的オリジナルに忠実ながら、どんどんフリーになっていく凄い演奏。テクニック云々ではなく、山下洋輔のピアノの響きの存在感に圧倒される。

アンコール。4人全員が登場し、2台のピアノにそれぞれ2人ずつのW連弾で1曲。並んで弾く桑原あいとスガダイローの化学反応が楽しい。さらに、ゲストの2人も入って、最後は奥田弦の発案・アレンジで、King Crimsonの「21st Century Schizoid Man」! このメンバーでこの曲が聴けるのが信じられない。当然の如く、白熱の演奏(このメンバーでは、やはり桑原あいのプレイが一番好きだな)。ただ、完全にPA無しの生音勝負のイベントだったので、ブラスの音量とピアノの響きのバランスがイマイチだったのが残念。



半年ぐらい前は、資料共有するだけでも手こずる人が多数だったのが、今では、高年齢・高役職の方々も、かなり使いこなすようになってきたという感じです。ただ、それを上回る勢いで、TeamsやZoomといったツールは、日進月歩の勢いで機能追加しており、結局は社員間のデジタル・リテラシーの差を意識せざるを得ない日々が続くのですが。