IN/OUT (2020.8.23)

藤井聡太2冠が王位獲得の翌日の記者会見で「落ち着いたらパソコンを1台、組みたいなと思います」と発言したというニュース。将棋には疎いが自作PC好きとしては、勝負メシなんかよりも、こちらの方を大々的に採り上げていただきたいと思う、今日この頃です。


in最近のIN

"Chhichhore"20.8.22

女子レスリング選手を主人公にしたスポ根インド映画 "Dangal"の監督、Nitesh Tiwariの新作を観てきた。邦題は「きっと、またあえる」。"Dangal"の邦題が「ダンガル きっと、つよくなる」。似た雰囲気だが、どちらもAamir Khanのヒット作 "3 Idiots"の邦題「きっと、うまくいく」を真似たタイトルな訳で、配給会社の工夫の無さが情けない。

主人公は、1990年代にインドでもトップクラスの工科大学に通い、今ではビジネス・マンとして成功を収めている男性。しかし、彼の息子が受験に失敗し自殺を図り危篤状態に陥ってしまう。意識を取り戻させたい一心で、彼は、病床の息子に向かって自らの学生時代の思い出話を語り始める。そこに、かつての親友の苦境を知った当時の仲間達も駆けつけ…。というお話。学生時代の寮対抗戦を主軸にした青春譚と、親世代になった彼らの現実が交錯する。

インド映画らしい強引なご都合主義が目立ち、正直、現実味は薄い。が、ベタな演出で綴られる良い人しか出てこない人情話は、安定感たっぷり。安心して笑えて、泣ける。インドの学生寮対抗スポーツ大会の競技に、サッカーやバスケットボールなどメジャー・スポーツの他に、チェス、カバディ、キャロム(卓上で行うビリヤード風のおはじき)などがあったりするのも興味深い。

特筆すべきは、学生時代の若い姿と現在の中年の姿を、同じ俳優陣が演じていること。この老け役メイクの技術が極めて高いのだ。老けた姿にリアリティがある分、青春時代のノスタルジックな描写が活き活きと感じられる。しかも、エンディング・クレジットでは、主要登場人物達が揃って、同じ画面で老けメイクと若者メイクの二役で踊るミュージカル・シーンが挿入されていて、楽しい。

”Dangal”や"3 Idiots"に比べると、物語の熱量は低いと思うが、ウェルメイドな青春&友情ドラマとして良く出来た作品だ。



しかも、Ryzen派の彼は、スポーツ紙のインタビューで、世界でいちばん会いたい人としてAMDのCEOリサ・スー氏を挙げたという。個人的に、彼に対する好感度、爆上がりです。