IN/OUT (2020.8.16)

東京駅構内の商業施設「グランスタ東京」が新装オープン。東京駅に行ったついでに、ちょこっと覗いてみましたが、その規模に驚愕。全153店舗。駅構内にこれだけ巨大なスペースがあったとは(東京駅構内には、さらに「エキュート」も二箇所有り)。ここまで広いと、全貌を把握するのも大変そうです。JR東日本としては、コロナ禍でのオープンに複雑な心境かもしれませんが、オープン時の混雑・混乱がある程度緩和されて、良かったのかも。


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「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇」@東京芸術劇場20.8.16

東京芸術劇場ニューヨークを拠点に活動するジャズ作曲家 挾間美帆がプロデュースするコンサートを観に、東京芸術劇場に行ってきた。昨年のブルーノート東京公演で好印象を持ったのでチケットを取得したのだが、当初は、オーケストラ(東京フィルハーモニー交響楽団)とビッグ・バンド(挾間美帆 m_big band)が共演し、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」を、オリジナル・スコアによるオーケストラ演奏と挾間美帆編曲によるビッグ・バンドで聴き比べたり、オーケストラとビッグ・バンドが合同演奏したりする企画だった。しかし、長引くコロナ禍で、舞台上のソーシャル・ディスタンスが確保出来ない等の理由で、一度はキャンセルとなりチケットの払い戻しを受けていたのだ。しかし、企画を見直して開催されることになり、改めてチケットをゲット。

仕切り直しされた企画は、メンバーを見直した「挾間美帆 m_big band」と東京フィルハーモニー交響楽団が共演。二部構成だったのが一部のみになったが、ゲスト・ギタリストに渡辺香津美が加わるというもの。禍転じて福と成すという感じもある。

私にとっても、久しぶりのホール公演の観覧だ。客席の最前列は空けて、2列目以降に一席おきに座るという配置。このコンサートホールのキャパは 1,999席だが、稼働は 1,000席未満ということになる。一方、舞台上は、ソーシャル・ディスタンスに気を配って見直したとは言え、ビッグ・バンドとオーケストラが並ぶので、中々の人数である。

指揮者として挾間美帆登場。コンサート・マスターと「エア握手」の後、狭間美帆自身の作品「RUN」から演奏開始。ビッグ・バンドのホーン・セクションとオーケストラのストリングス、そして、ピアノ・ドラムス・ウッドベースのジャズらしい響きが巧みに融合したサウンドだ。1曲終了して挨拶となったのだが、長い自粛期間の後、初めての観客の前での演奏という事に感極まり、涙ぐむ狭間美帆。舞台上のメンバーも、会場に詰めかけた観客も、同じ気持ちを共有した気がする。本当に、特別な夏になってしまった…

Jim Beardの作品と、Herbie Hancockの作品が披露された後、渡辺香津美が、この日のために新たに入手したという鮮やかな緑のギターを携えて登場。John Scofieldの「Carlos」。この大所帯のオーケストラ&ビッグ・バンドに全く引けを取らない存在感あるギターの音色が流石だ。もう1曲、狭間美帆の作品を演奏し、本編最後は、狭間美帆が編曲した渡辺香津美作品 2曲、「インナー・ウィンド(1979年の「KYLYN LIVE」収録曲)」と「コクモ・アイランド(1980年の「TO CHI KA」収録曲)」 という、個人的にも嬉しい選曲だ。この演奏が、実にカッコ良かった。渡辺香津美が弾き倒すギターと、オーケストラ&ビッグ・バンドのゴージャスな音色の絡み合いに大興奮である。

間引きされた客席と、アンコールも含めて90分程度の短めの公演時間というところに物足りなさは残ったが、狭間美帆の才気と渡辺香津美のテクニックを堪能。やはりライヴは良い。



下手な駅ビルなんかを遙かに超える飲食店の充実ぶりも凄く、どこもお洒落で美味しそうなのは良いことですが、個人的には、駅の中なら普通の立ち食いソバ屋とか安っちいカレー屋も残してもらいたかったという気もします。