IN/OUT (2020.2.16)

仕事上のストレスが増えると、(呑みに行く回数が増えるのは当然として)勤務時間内にお菓子を食べてしまうことも増えてしまうのは、我ながら如何なものかと思う、今日この頃です。


in最近のIN

”1917”20.2.15

Sam Mendes監督の新作を観てきた。この年号で第一次世界大戦を想起しない日本人に向けてか、邦題は「1917 命をかけた伝令」。とてつもなくダサい…

舞台は1917年4月のフランス西部戦線。主人公の二人の若い兵士が、最前線にいる部隊への伝令を命じられる。この指令を届けないと、最前線にいる1600人の英国兵は、ドイツ軍の罠に陥り全滅するのだ。次々と襲いかかる危機を切り抜け、二人は戦場を駆け抜けるが…。というお話。

映画の宣伝で強調されているのが、この映画が「全編ワンカット映像」ということだ。と言っても、完璧なワンカットではない。119分間の上映時間で、ほぼ丸一日の出来事を描くのだから、それは当然なのだが、どのシーンも、1台のカメラでの長回し。そして、悪魔的な編集テクニックで、シーン毎のつなぎ目が分からない。結果、本当に最初から最後まで、まったく途切れることのないカメラワークに、観客は没入し、主人公達と一緒に戦場を「体験」することになる。長回しに拘った映画というのは数多いが、ここまで徹底し、完成度高く仕上げた作品は他に無いと思う。

若い兵士が戦場を駆け抜けるシンプルなストーリーを一瞬の緩みも無く展開させながら、同時に、戦争の残酷さ、無意味さといった事も浮き彫りにする、メッセージ性の面でも優れた映画である事も特筆すべき点だ。

主人公を演じるのは若手の俳優だが、Colin FirthやBenedict Cumberbatchというビッグ・ネームが脇役で出演しているのも贅沢。

ということで、見終わった後、戦場を走りきったような疲労感と共に、凄い物を観た、という充実感を得られる作品だ。CG を駆使したアメコミ大作ばかりがヒットする昨今の映画業界への反動のように、実写に拘り、撮影技巧を凝らし、圧倒的没入感を見せつける作品が増えているのも嬉しい傾向だ。この作品もそうだし、"Ford v Ferrari"も、そうだった。毛色は違うが、驚異的な映像技巧を駆使という点では、”Parasite”も、その一つと言えるかもしれない。



一日の摂取カロリーのかなりの部分を、歌舞伎揚(東京では、ぼんち揚げは入手困難)と、キットカットで賄っているような気がする…