IN/OUT (2020.1.12)

新年の仕事始めが月曜日。休みは長かったけど、第一週目からガッツリ働くことになり、既に、年が明けて数週間経ったような気もしている今日この頃です。


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"Ford v Ferrari"20.1.11

Matt Damon & Christian Bale 主演の映画を観てきた。監督は、"Logan"や、"Knight and Day"など、幅広い分野で手堅い演出を見せるJames Mangold。なお、邦題は「フォードvsフェラーリ」。"v"ではなく"vs"なのが、邦訳ということか。

1963年の米国。ベビーブーム世代への拡販策としてモータースポーツへの注力を考えていたFord社は、Ferrari社の買収を画策するが、Enzo Ferrariは、Ford社を「醜悪な車。醜悪な工場」 とこき下ろす。意地になったFordは、ル・マン24時間レースでFerrariに勝利すべくレーシング部門に大金を投じる。そこに招集されたのが、元レーサーのCaroll Shelby。演じるのがMatt Damon。そして、彼がチームに引き入れたのが、頑固者の現役レーサー Ken Miles。こちらがChristian Bale。決戦は、1966年のル・マン24時間レース。モーター・スポーツの世界で有名な実話を基にした作品である。

大企業 Fordの企業論理に反発しながらも、新マシン開発に情熱を燃やすMatt DamonとChristian Baleの姿が、まさに「熱血男子」。この二人の演技が、熱い。実話に基づいているため、全てがハッピー・エンドという訳にはいかないのだが、見終わった後の爽快感は格別だ。

さらに、この映画で特筆すべきは、レース・シーンの迫力だ。CGに頼らず、実写を重視した映像が創り出す没入感は圧巻。劇中の登場人物以上に、この映画の撮影陣も熱血チームだったに違いない。



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"Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile"20.1.12

米国の有名なシリアル・キラー Ted Bundyを描いた映画を観てきた。邦題は「テッド・バンディ」。ただし、原題の直訳「極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣」が、ポスターには惹句とし書かれている。これは、裁判官が死刑判決を下した際、彼に対して言った言葉である。

Ted Bundyは、1970年代に、少なくとも30人以上の若い女性を陵辱した上で殺害した凶悪犯だが、容姿に恵まれ、全米でTV中継された裁判では、5人の国選弁護士に頼らず、自らの無罪を滔々と自己弁護を繰り広げた。そのため、彼の無罪を信じる女性ファンが多数現れたという。そんな怪物に扮したのは、Zac Efron。見事にそっくりに化けて、巧みな演技を見せてくれる。

ただし、この映画でのTed Bundyの描き方には大いに不満が残った。ラスト近くまで、彼が殺人鬼だったのか冤罪を被せられたのか、曖昧な描き方をしているのだ。私は、Ted Bundyが、Ed GeinやJeffrey Dahmerと並ぶ、最も有名なシリアル・キラーなのは一般常識だと思っていたので、無駄にもったいぶった演出だと感じてしまったのだが…(柳下毅一郎の著作に親しんでいる一部の好事家にとってのみの常識なのかしらん?)そのため、Lily Collinsが演じるLiz Kendall(Tedの長年のガールフレンド)や、Kaya Scodelarioが演じたCarole Ann Boone(裁判中にTedと結婚している)が、何故、Tedの犠牲者にならなかったのかという誰もが抱く疑問に、何の回答も提示していないのである。これは、映画製作陣の怠慢だと思う。結果的に、役者陣の実物との「そっくりぶり」しか見るべき所が無い作品になっている。同じように実際の出来事を映画化した"Ford v Ferrari"に比べて、あまりにも志が低いと思う。



と思いきや、二週目の月曜が成人の日で三連休になるというのも、アンバランスなところです。このカレンダーの並びが好きになれない勤め人は多いと思うのだけどなぁ…