IN/OUT (2017.6.4) |
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どの企業でも、顧客データベースを重視し、マーケティングに活用するご時世。その効果や重要性は理解するものの、amazonで、買う気も無いのに変な商品をクリックしたら、その後、ずっと、その手の商品を「おすすめ」され続ける罰ゲーム状態は、勘弁してもらいたいものです。 最近のIN"Logan" (17.6.3)X-Menシリーズの新作を観てきた。これが、Hugh Jackmanが演じるWolverine = Loganと、Patrick Strewartが演じるProfessor X = Charlesの最後の作品となる(WolverineとProfessor Xが登場する映画は、新しい配役で今後も作られ続けるだろうが…)。 Marvelの作品の中で、ディズニーが配給するAvengersシリーズが健全なファミリー映画路線なのに対し、20世紀フォックスが配給するX-Menシリーズは、たまに、異色作が混じってくる。この映画も、まさに異色のアメコミ映画だ。同じくJames Mangold監督による"The Wolverine"は、日本を舞台に主人公が悩みまくる怪作だったが、今回は、スーパーヒーローの老いと死を、正面から描き切る。 設定からして、衝撃的である。舞台は、25年間、新たなミュータントが誕生せず、彼らの活躍がすっかり過去の物になった時代。認知症が進み、自分の能力をコントロールできなくなったため、薬漬けになってしまったProfessor X。リムジンの運転手として糊口を凌ぎながらProvessorを介護するWolverine。彼自身も、特殊能力は衰えつつあり、自身の余命が長くないことを悟っている。というか、死に場所を探している状態だ。そこに現れたのが、Wolverineと同等の能力を持つ少女。何者かに狙われる彼女を守りながらの旅が始まる。 暗澹たる雰囲気が全編を覆う。もちろん、派手なアクション・シーンはあるが、そこに爽快感は無い。アダマンチウムの爪で、生身の人間を切り裂き、突き刺しまくり、生首が転がるシーンも続出。当然、R15+指定である。Wolverineの本名が"James Howlett"であるというトリビアを知らないと理解できないシーンがあるなど、初心者お断りという印象も強い。 本来なら、陰惨な画面の中で唯一の希望となるのが、少女の存在だと思うのだが、12歳の子役 Dafne Keenが演じる少女は、大人びた表情と、Wolverine以上の戦闘力で、むしろ物語の悲壮感を増強する役回り。 と言うことで、2000年の"X-Men"以来、17年に渡るHugh Jackman版Wolverineの物語は、ここで完結。これだけのヒット・シリーズの人気キャラクターなのだから、最後はド派手に終わらせる手もあったと思うが、何とも暗くて重い映画になっている。そこには、Hugh Jackman自身のアイディアもかなり盛り込まれているということだ。自身の当たり役を終わらせるに当たり、ハードでダークな展開を望んだというのは、なんとなく分かるような気もする。観る人を選ぶ映画だと思うが、出自からして不幸を背負ったキャラクターの最後にふさわしい作品だろう。 久しぶりに訪れたショップでも、会計の際「お久しぶりのご利用ですね」などと言われることもあり、別に、こちらが悪い訳じゃ無いのに恐縮してしまうのも勘弁いただきたいと思う、今日この頃です。 |