IN/OUT (2019.9.8)

台風の接近に伴い、早めにJRの列車運休が決まるということが定着してきました。多分、一昔前だと、クレームを付ける人が多く出たのではないでしょうか。天気予報の精度が高まった事ももちろんだけど、それだけ、社会が成熟してきたという事かもしれません。


in最近のIN

MICHEL CAMILO with BIG BAND @ ブルーノート東京19.9.6

ドミニカのジャズ・ピアニスト、Michel Camiloがビッグ・バンドを率いる公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。

物凄い技巧を、とても分かりやすく、楽しく見せてくれる彼の公演は、都合が付く限り行こうと思っているのだが、特にビッグ・バンドと演るのは、楽しさのレベルが桁違いで、見逃せない。今回も、大いに期待しての参戦である。

ブルーノートのレイアウトは、最前列の椅子を一列少なくして、その分、ステージを拡張している。それでも、ビッグ・バンドが入るとぎゅうぎゅう詰めだ。そこには、本田雅人や村田陽一など、単独でも集客出来るプレイヤーも多数並ぶ。さらに、このバンドのドラムスと言えば、Cliff Almond(昔の「さとがえる・トリオ」を知っている矢野顕子ファンにとっては、「うちの子」である)。運良く、私の席は、Michelの指使いとCliffの表情が同時に見える角度だ。

開演。アクロバティックなピアノソロから、怒涛のビッグバンドへ。例によって、徹底的にご陽気で、楽しくて、そして、私の動体視力の限界を超えた高速プレイが続く。どの演奏も凄かったが、やはり、本編ラスト、彼の代表曲"On Fire"の盛り上がりは格別だ。ピアノとパーカッションとドラムの三つ巴の応酬が凄いことになっていて、しかも、その中でもピアノが一番の高速打楽器になってしまうところが、さすがはMichel Camilo。

また、今回、特に目立ったのは、サックスの本田雅人の活躍だ。ソロも素晴らしいし、アンコール冒頭で聴かせてくれた、Michel Camiloと二人だけの、親密な会話のような掛け合いには、ぞくぞくした。

ということで、Steinwayの透明感溢れるピアノと、迫力のリズム隊&ホーン・セクションをたっぷり堪能。ただただ、楽しかった。


"The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society"19.9.7

Lily James主演の映画を観てきた。彼女は、「Pride and Prejudice and Zombies」や「Baby Driver」など、私にとってハズレ無しの俳優なのだ。邦題は「ガーンジー島の読書会の秘密」。長いタイトルなので仕方ないと思うが「ジャガイモの皮のパイ」という言葉にも、ちゃんと意味があるので、省略されたのは残念。

舞台は、1946年。第二次大戦直後のイギリス。Lily James嬢が演じる、作家の主人公は、一冊の本をきっかけに手紙をやり取りするようになった「ガーンジー島の読書とジャガイモの皮のパイの集い」のメンバーを訪ね、ガーンジー島へ行く。私は、これまで知らなかったのだが、イギリス海峡にあるこの島は、第二次大戦中、英国で唯一、ナチス・ドイツに占領されていたのだ。しかし、読書会の創設者であるElizabethの姿はそこになく、そのことについて読書会のメンバーの口は重い。その謎を知ろうとする主人公は、やがて、ナチス占領下で起きた真実を知ることになる。というお話。

押しつけがましい感動はないが、じわじわと心温まる作品だ。落ち着いた語り口で、古き良き英国を描いているし、登場人物も、ごく一部を除けば、皆、基本的には善人ばかり。見終わった印象は良い。例によって、Lili James嬢も魅力的。ただ、もっと、読書の魅力を前面に出しても良かったかなと思う。結局は、主人公の「自分探し」の物語に収斂しまっているところが、やや物足りないかな。



マスコミ報道なども、天災による犠牲者は一人も出さない、という決意からか、かなり安全サイドに振った伝え方になっていると感じます。これはこれで良い事だと思いますが、やり過ぎると「オオカミ少年」的になって、受け止める方が麻痺しかねないかな、とも感じます。難しいとこではありますが、まあ、愚直に、安全対策をするに超したことは無いですな。