IN/OUT (2019.8.4)

特に遠出することもなく、1週間の夏期休暇終了。一番の猛暑の時期に休めたのは、好タイミングでした。


in最近のIN

「マイセン動物園展」@パナソニック汐留美術館19.8.1

パナソニック汐留美術館ヨーロッパを代表する磁器、マイセン。その中で、動物をモチーフにした作品を集めた展覧会を観に、パナソニック汐留美術館に行ってきた。

マイセンと言えば、高級食器というイメージが強く、実際、絵皿もいくつか展示されていたが、展覧会のメインとなるのは、実用品では無く、19世紀末から20世紀初頭のアール・ヌーヴォー期に製作された、美術工芸品としての磁器である。

パナソニック汐留美術館その過剰とも言える装飾は、私としては自宅には置きたくないと感じてしまうのだが(価格的にも、置けないのだが)、その技法は見事と言わざるを得ない。細部までこだわった造形と、華麗な色遣い。硬質の磁器なのに、動物の毛並みまで再現したような質感。まさに職人技の粋を集めた作品群だ。

面白いと感じたのは、シマウマを襲うヒョウとか、カエルを捕食しているアヒルとか、日本だとあまり題材にしないだろうと思われるハンティングの瞬間をテーマにした作品が何点かあったこと。やはり、ドイツ人は狩猟民族なのか。

身近な犬・猫をテーマにした作品も多く、写実的であると同時にとても愛らしいのだが、犬をかたどった作品は殆どが撮影不可になっているのに対し、猫の作品群は殆どが撮影可になっているのは、何故なんだろう?

パナソニック汐留美術館 パナソニック汐留美術館

パナソニック汐留美術館パナソニック汐留美術館

なお、今回の出品作品の9割が展覧会に初出品とのこと。殆どが個人蔵の物なので、次に公開されるのがいつになるか分からないという。この手の作品が好きな人には必見である。


「ジョーズ in コンサート2019」@パシフィコ横浜 国立大ホール19.8.3

パシフィコ横浜 国立大ホール1975年、当時28歳のSteven Spielbergが監督した傑作"鮫"映画 "Jaws"。動物パニック映画の金字塔として高い評価を得た作品だ。また、その年のアカデミー賞で、作曲賞を受賞したJohn Williamsによる音楽は、今でもTVのバラエティ番組などで定番のBGMとして、しばしば耳にする。そして、公開から44年目となるこの夏、"Jaws"全編をオーケストラの生演奏による音楽と共に鑑賞するイベントが、パシフィコ横浜で開催された。

この手の、映画を生演奏付きで鑑賞するというイベントは最近増えていて、私も「角川映画 シネマ・コンサート」や「Goblinのライヴでの"Dawn of the Dead"全編上映」等を観てきた。私は行けなかったが、"Star Wars"のシネマ・コンサートも話題を呼んだ。共通する特徴は、音楽が印象的な、ちょっと昔の作品というところ。この手の作品を懐かしむ年代の財布を狙い撃ちしたイベントだという気もするが、まんまと乗っかってしまうのである。

パシフィコ横浜 国立大ホールは初めて訪れるホールだが、約5千席のキャパの大きなホールだ。東京国際フォーラム ホールA っぽい雰囲気もあるが、比べると、悲しくなるほど、ロビーが素っ気ない。舞台奥にスクリーンがあり、その手前の舞台にオーケストラが陣取る。指揮は齊藤一郎、演奏は神奈川フィルハーモニー管弦楽団。

特にMCなどは無く、上映開始。オーケストラ演奏のはまり具合は完璧だ。あまりにもピッタリで生演奏の有り難みを感じないのは良し悪しだが…。良く見ると、指揮者の手元にノートPC があって、そこに上映中の画面とシンクロするためのタイミング・チャートのようなものが表示されているようだ(デジタル上映で、ノートPCとリンクしているのだろう)。あの印象的なフレーズが演奏されるのは、本当にサメが出るシーンだけ=思わせぶりでも、サメが登場しないシーンではあの音楽は流れないという、この映画のトリビア・ネタを思い出しつつ画面に見入る。

オルカ号がサメ退治に出航したところで20分間の休憩が入る。休憩開けの後半は、映画の盛り上がりとともに、ダイナミック・レンジの広い生演奏の本領発揮。オケの迫力全開だ。これは熱く盛り上がる。そして、若かりし日のSpielbergとJohn Williamsの才能を再認識。何度観ても、名作だ。

映画が終わり、アンコールでもう1曲(主人公達が最初にサメと遭遇したシーンで流れる曲)が演奏され、全編終了。真夏の、海に面したコンサートホールで開催されるのにふさわしい企画だった。



8月は、色々とイベントが続く予定なので、この後は、農作物に影響の無い程度の涼しい夏になってくれると有り難いのですが、望み薄かな…。