IN/OUT (2019.2.17)

職場で使っているPCのキーボードが故障。ノートPCを自席で使う時に、無線接続のキーボードを使っているのですが、壊れたのは、そのドングル。ということで、この機会に、ドングル不要のBluetooth接続の、それもメカニカル・キーボードを新調することにしました。

ご多分に漏れず悩んだのは、Cherryの何軸にするかと言う事。無駄にうるさい青軸と、指の力を試されそうな黒軸は論外として、いかにもタイピングしているという感覚が楽しい茶軸か、リニアストローク独特のタッチ感とメカニカル方式にしては静かな赤軸か。

このような話しは、特殊なマニアックなもので、すっかり時代遅れになっているかと思いきや、最近の「eスポーツ」の隆盛で、キーボードやマウスに対し興味を持つ若い人が結構増えているみたいですね。


in最近のIN

"The Favourite"19.2.16

Yorgos Lanthimos監督の新作を観てきた。邦題は「女王陛下のお気に入り」

邦題の「女王陛下」は、18世紀の英国女王、Queen Anneのこと。ブランデー好きで痛風持ち。17回妊娠したが、流産や死産、あるいは生後すぐに亡くなるなど、成人した子はいない。治世においては、幼なじみのSarah Jenningsに操られ、フランスとの戦争を続けていたが、後に、Sarahの従妹 Abigail Mashamを重用するようになり、和平推進に政策転換。結局、Sarahは追放される。という史実を元にした宮廷劇。ただし、"The Lobster"や"The Killing of a Sacred Deer""といった、癖の強い映画を撮るYorgos Lanthimos監督作。一筋縄ではいかない映画になっている。

ストーリー自体は、史実に基づいていても、厳密な時代考証に気を遣っているようには見えない画面。超広角レンズをつかったアグレッシヴな絵作り。歴史上の人物とはいえ、一国の女王を、ここまで描くかという切り込み方。あちこちに挿入される歪んだユーモア感覚。そして、昼メロ並のドロドロ展開。全体に不条理感・不安感を漂わせながら、観る者を麻薬的に惹きつけるというYorgos Lanthimos監督の特質は、それとは無縁と思われた歴史絵巻でも、見事に発揮されている。

そして、三人の主要人物を演じた女優陣が、皆、好演。映画の開始当初は、嫌みな敵役のように見えて、実は、自らの信念と正義感を貫いているSarahを演じたRachel Weisz。一見、無能でヒステリックな女王だが、腹の底に深い闇を秘めたAnneを演じたOlivia Colman。二人とも、その役柄に説得力を与える名演だと思うが、さらに凄いのが、Abigailを演じたEmma Stoneだ。一見、健気な美少女風でありながら、強烈な上昇志向を持ち、その目的のためには権謀術数を弄する強烈なキャラクターを、これが彼女の地ではないか?と思わせるほどのリアリティで演じている。

今年のアカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞(Olivia Colman)、助演女優賞(Emma StoneとRachel Weisz)、脚本賞、美術賞、撮影賞、衣装デザイン賞ににノミネートされているというのも納得の、力のある作品だ。



結局、オフィスで使うのだから、静音性を重視して赤軸に。FilcoのMajestouch MINILA Air。ポイントは、背が高いキーボードなので、パームレストと一緒に使うことですな。