IN/OUT (2019.1.13) |
|
大ヒットを続けている"Bohemian Rhapsody"ですが、「応援上映」に参加してみて不満だったのが、ライヴシーンで立ち上がれないことでした。そう思っていたのは私だけでは無かったようで、立川シネマシティで、ライブエイドシーンではオールスタンディングOKという【ライブスタイル上映】が開催。色々ルールは決められているのですが、さすがシネマシティだと感心したのは、「サイリウム、LEDライト使用不可:80年代のロックコンサートにその文化はなかったのと、スクリーンに光が映り込んで没入感を著しく削ぐからです」という部分。実に分かってらっしゃる!が、当然の如く、チケット予約は秒殺。つい、うっかりしていたら、全席完売になってしまっていました。これは抜かった…。もう一度、開催してくれないかなぁ。 最近のINBLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO with special guest PAT METHENY (19.1.8)ギタリスト Pat Methenyが、エリック・ミヤシロ(トランペット、コンダクター)率いるブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラと共演した公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。 ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラは、エリック・ミヤシロの他に、本田雅人らサックスが5人、トランペットが4人、トロンボーンが4人、そして、ピアノ、ドラム、ベースのビッグバンドだ。演奏は、まずはビッグバンドだけで2曲。"Trains"と"Ooops"。大所帯のブラスバンドだが、強者揃いのプレイヤー達だけに、とてもクリアな響きだ。そして、Pat Methenyと、ベースのLinda May Han Ohが登場。私は、いつもの習慣で向かって左側の席に座っていたのだが、ビッグバンドが右、PatとLindaが左という並びだったので、Patの指使いをしっかり見ることができて、嬉しい。 "James"から始まった演奏は、Pat Methenyのベスト盤的な選曲。"Have You Heard"、"Are You Going with Me"、"Dreaming Trees"、"Last Train Home"、"First Circle"と続く。アレンジは全てエリックが手掛けたそうだが、Patの超絶技巧のギターサウンドと、手練れのプレイヤー達が奏でるビッグバンド、両者の良さを巧みに組み合わせていると思う。とても楽しいし、豪華だし、貴重な組み合わせだ。 アンコールは、"Song for Bilbao"。全員のソロ回しで楽しむという趣向だが、特にLinda May Han Ohのベース・ソロは、小柄な女性がウッドベースを弾き倒すという見た目も含め、刺激的だった。 Patはこの後、ブルーノート東京を舞台に、Linda May Han OhとGwilym Simcockと組んだ「A NIGHT OF DUOS & TRIOS」公演、James FranciesとNate Smithを迎えた「SIDE EYE」公演と、パフォーマンスが続くのだが、今回、私はこのビッグバンド公演のみ。ちょっと残念だが、私のように、ゴリゴリのPatファンという訳でも無い、という者には、今回の公演が、一番分かりやすくて聴きやすいものだったと思う。大満足である。 "The Girl in the Spider's Web" (19.1.12)スウェーデン発のベストセラー・ミステリ・シリーズの映画化作品を観てきた。ハリウッドでの映画化としては、2012年の"The Girl with the Dragon Tattoo"に続く作品。邦題は「蜘蛛の巣を払う女」 原作者、スティーグ・ラーソンは、この「ミレニアム三部作」を書き上げた直後に亡くなってしまったのだが、そのベストセラーぶりと、主人公 Lisbeth Salanderの特異なキャラクターに目を付けた出版社は、別の作者を立てて、現在までに2作の続編を出版。三部作にハマった私としては、その続編2冊も読了しているが、ページ・ターナーのミステリとしての面白さは評価するものの、オリジナル三部作のような暴走する熱量が感じられない凡作だと思っている(オリジナル三部作は、暴走し過ぎでミステリとして欠点も多いが、そこが魅力なのだ)。しかし、ハリウッドが、三部作の第1作の映画化の次に選んだのは、別作者によるシリーズ4作目。まぁ、映画化に向いているとは思うが、オリジナル三部作ファンとしては素直には喜べない選択である。 さて、その映画。基本設定は踏襲しながらも、シナリオは小説とはかなり改変されおり、アクション要素が強化されている印象だ。そのため、ある意味「分かりやすい」ストーリー展開になっているが、同時に「薄っぺらく」なったとも言える。Lisbeth Salanderというヒロインは、エキセントリックな外見だが、ハッカーとして卓越した能力を持つだけで無く、身体能力も高く、正義感も強い。原作者があれもこれもと「変人だけどカッコ良い」属性を付与しまくったとしか思えない、かなり無理のある人物造形なのだが、彼女に扮したClaire Foyは、巧みに演じきったと思う。原作でLisbeth Salanderの魅力を知っている人には、お薦め出来る作品だろう。 ただ、原作を読んだことが無い人には、かなりの凡作に見えてしまうかもしれない。スウェーデンを舞台にした寒々しい風景の中、黒ずくめの主人公と、敵方の女性の真っ赤な衣装が対照的に描かれるなど、映像、特に色彩センスには独特の魅力があるが、今後もシリーズ展開されるかは、微妙かな。 ブルーノートの開演前、Kindleで読書していたら、店員から「カメラ・録音機能付きの端末は鞄にしまって下さい」と注意されてしまいました。「Kindleにはそういう機能は付いていないのに…」と、いささか心外でしたが、まあ、仕方ない。一方、演奏が始まると、エリック・ミヤシロ達は、電子ペーパー方式の楽譜専用端末GVIDOを使っていて(業者から提供を受けているのだろう)、MCでも自慢していました。なんだか皮肉だなと…。因みに、ピアニストが使っていたGVIDOは、途中でハングアップしたらしく、急遽、紙の楽譜をかき集めていて、苦笑。 |