IN/OUT (2018.1.7)

2018年。特に、正月らしいことは何もせず、静かな年越し。で、二日働いて、またすぐ三連休というのは、効率悪いな…


in最近のIN

"The Assignment"18.1.6

Michelle Rodriguez主演のアクション映画を観てきた。助演に Sigourney Weaver。監督は 武闘派 Walter Hill。邦題は「レディ・ガイ」。邦題は陳腐だが、配給会社が付けた惹句「女に改造されても弾丸(タマ)はある。」は、秀逸だと思う。

Michelle Rodriguezが演じるのは、凄腕の殺し屋 Frank。冒頭のシーンでは、Frankはひげ面のいかつい男性(Michelle Rodriguez自身が特殊メイク)だが、突然、拉致され、女性に改造されてしまう! 狂気の女医=Sigourney Weaverが、Frankに殺された弟の復讐のために手術したのだ!! 文章にすれば馬鹿馬鹿しい設定だが、元男性だった凄腕殺し屋を、ハリウッドで一番男らしいとも言われる(むしろ「漢」と書いて「オトコ」と読ませるのが似合う)Michelle Rodriguezが演じ、常識外の性転換手術を行う医者を、Alienと死闘を繰り広げてきた女 Sigourney Weaverが演じることで、説得力が生じてしまうのが映画のマジック。

女性になったFrankが、自分を手術した医者を探し出し復讐するというストーリーになる訳だが、展開はシンプルで、ほとんど、出オチのようなアイディア一発で押し切る。ストーリー展開やアクションではなく、この役を引き受け、全力で取り組むMichelle姐さんの侠気こそが見所という映画だ。

因みに、音楽にはGiorgio Moroderの名前もクレジットされていて、それもまた、微妙なB級アクションに似合っている。評価は難しくても、嫌いになれない作品だ。


"Kingsman: The Golden Circle"18.1.6

2015年のヒット映画 "Kingsman: The Secret Service"の続編を観てきた。

麻薬組織による攻撃で、英国に本拠を置くスパイ組織 Kingsmanは壊滅。生き延びたのは、前作で一人前のエージェントに成長した主人公と、その教官の二人のみ。彼らは、アメリカの同盟組織 Statesmanの助けを借り、麻薬組織が企む恐るべき陰謀を阻止しようと奮闘する、というお話。

2時間21分の長尺の映画だが、まったくダレることなく疾走する物語と、Matthew Vaughn監督のアクション演出手腕に興奮しっぱなし。前作も良かったが、それを超える快作だ。

何よりも、何度も出てくるアクション・シーンが、それぞれ工夫が凝らされているのが楽しい。特に、ラストの激しいカメラ・ワークと組み合わさったアクションは、監督の才気が最も輝いている。Matthew Vaughnの出世作 "Kick-Ass"を観たときも、こんな映像はこれまで無かったと感嘆したが、今作には、それを上回る新鮮味があると思う。

麻薬組織のトップ Julianne Mooreの怪演も見所。主人公 Taron Egertonの好青年ぶりも、Colin Firth(前作で殺されたはずの彼が、どのように登場するかもお楽しみ)の英国紳士ぶりも、気持ちよい。しかし、なんと言っても、出演者陣で一番の驚きは、Elton Johnだ。ポスターに名前が出ていたので、カメオ出演程度かと思っていたが、まさか、あそこまで大活躍するとは!

さらに、このシリーズには、アクション以外にも数々のお楽しみが仕込まれているのも魅力だ。英国と米国に対する皮肉も冴えているし、KingmanとStatemanが用いるガジェットの数々にもアイディアたっぷり。音楽センスの良さも光る。ただ、スウェーデン王室の描き方は、承諾を得ているのかが心配だ。この描かれ方を王室が公式に認めているのだとしたら、スウェーデン王室に対する好感度、上がりまくりである。

なお、前作の設定をきちんと踏まえて作られているので、鑑賞前には前作の復習をしておいた方が、より楽しめると思う。映画館も、朝一番だけは、前作を上映するとかしても良いと思う。



正月行事とは、ほとんど無縁で、初詣にも行っていません。
「毎年、初詣に行っていないが、特にバチが当たったことも無いし」と言う私に対し
「実は、バチが当たった結果が、今の暮らしなのでは?」と喝破した知人。
一理あるかも、と思う、今日この頃です。