IN/OUT (2017.4.23)

矢野顕子&上原ひろみ強化月間のまっ最中。今回のツアーは、平日が東京で、地方が休日というパターンが多く、ついつい遠出をしてしまいます。プロモーターの策略にハマったか?


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"YES FEATURING JON ANDERSON, TREVOR RABIN, RICK WAKEMAN"@オーチャードホール17.4.17

YES FEATURING JON ANDERSON, TREVOR RABIN, RICK WAKEMANのライヴを観に、オーチャードホールに行ってきた。文字通り、YESの元メンバー、Jon Anderson、Trevor Rabin、Rick Wakemanによる公演だ。元々、チケットを取ったときは、「Anderson, Rabin & Wakeman」名義の公演だったのだが、直前にバンド名が変更された。まあ、YESは、昔からメンバーの出入りが激しいバンドで、1980年代の終わり頃は、二つに分裂し、それがまた1991年には合体するなんてことを繰り返した来たのだ。唯一の生え抜きメンバー Chris Squireが、2015年に逝去された後も、YES名義のバンドは継続し、2016年にはまさかの来日公演。一方、そのメンバーに入っていなかった、Jon Anderson、Trevor Rabin、Rick Wakemanが、別にバンド活動を始め(演奏するのは、やっぱりYESの曲だ)、ツアーを開始。そして、最近、バンド名の使用許諾が下りたらしい(2017年、YESが、Rock and Roll Hall of Fame入りを果たしたのをきっかけに、新旧メンバー達が話し合いをしたのではないかという噂)。私としては、Rick WakemanとJon Andersonがいるこちらの方が、より「YESらしい」と感じてしまう。

開演前、舞台上には桜を思わせる照明。そして、場内には琴の音色。洋楽ロック公演とは思えない和の雰囲気は、Jonの趣味だろうか?

まずは、ドラムスとベースのサポートメンバーが登場。そして、Jon、Trevor、Rickの三人が姿を現す。なんか、この三人が舞台に揃っているだけで嬉しくなる。

「Cinema」、「Perpetual Change」で演奏スタート。久しぶりに観るJon Andersonは、歌声の透明感こそ少し損なわれた感じもあるが、声量も出ているし、何よりもこの声質が嬉し懐かしい。そして、「妖精さん」っぽい挙動と、MCの合間に口ずさむ「ぞうさん」「どんぐりころころ」。現YESのヴォーカリスト Jon Davisonも悪くはないが、どうしても「そっくりさん」感が漂ってしまう。私が観たかったYESのボーカリストは、やはり、Jon Andersonだったと、実感。

魔法使いのようなマントをまとったRick Wakeman。体型こそ、すっかり巨漢になってしまったが、うなるMoogと流麗なピアノ・サウンドは、やはり彼ならでは。自身が在籍していなかった 「90125 YES」期の曲でも、しっかり自分の個性を入れ込みつつ、楽しそうに、そして貫禄たっぷりに演奏する姿。やはり、YESのキーボーディストは、彼が一番しっくり来る。

そして、Trevor Rabin。彼に対する思い入れは、正直、あまり無かったのだが、ギターの技量は抜群で、しかも、ヴォーカリストとしても侮れない実力を持っている。極めて優秀なロック・ミュージシャンだと見直した。

サポートメンバーの二人も、的確な演奏で、ロック・バンドの力量としては、昨年のYESよりも、今回のYES feat. ARWの方が上だろう。また、当然ながら、Trevor Rabin在籍時のアルバムからの選曲が多いのも、特徴的だ。最近のYESのライヴでは聴くことのなかった「Hold On」「Changes」(「90125」収録)、「Lift Me Up」(「Union」収録)、「Rhythm of Love」(「Big Generator」収録)などが演奏されるのが新鮮だ。JonとRick二人だけで演奏した「The Meeting」(「Anderson Bruford Wakeman Howe」収録)も、沁みる。

一方、「And You and I」など、Steve Howeのギターの印象が強い曲だと、「これじゃない」観が出てしまう(あまりにも個性的なSteve Howeと比べるのは酷な話だが)。で、そこをカバーするのが、Wakeman節だ。

大作「Awaken」では、タイトルとは裏腹に、すいません、睡魔に襲われたが、本編ラストは、YES最大のヒット曲「Owner of a Lonely Heart」。Trevor Rabinのオリジナル・ギター・サウンドで、さすがに目が覚める。会場も大盛り上がり。Trevor RabinとRick Wakeman(ショルダー・キーボードを演奏)が、観客席に降りてきて弾きまくるという賑やかな演出。もっとも、個人的には、これがYESの代表曲とは、認めたくないという思いもある。いや、大好きな曲ではあるのだが…

アンコールは、「Roundabout」。そう、これこそ、YESの代表曲だ! ただし、この曲に関しては、ギターはSteve Howeの方が嬉しい…。YES feat. ARW&Hとして、RabinとHoweのツイン・ギター構成だったら、満足度は頂点に達するのに、と贅沢な妄想をしてしまうが、人の出入りの激しいバンドなので、将来、それが実現することもあり得るかな?

因みに、客出しの時にかかっていたのは、Wakemanのピアノ・ソロで「Life on Mars?」。これが良かった。やっぱり名曲・名演だ。



何度か試した結果、やはり、スマートフォンでのウェヴ・ページの更新(実際は、ある程度の長さのテキスト・ファイルの編集だが)には限界があることを痛感。モバイルPCを物色するも、やはり、こちらの我が儘な要望を満たすスペックの機種は値段が合わないなと、愚考を重ねる今日この頃です。