映画館に行く時間も取れなかった一週間。その分、深夜に帰宅後、"Super Star" Rajinikanth主演映画のDVDでストレス解消。もっとも、一本が長く、途中まで観て止めようとしても、中々、終われず。ストレス解消と寝不足の二者択一を迫られることにもなりましたが。
ということで、兄貴の主演作「バーシャ 踊る夕陽のビッグボス!」、「チャンドラムキ 踊る! アメリカ帰りのゴーストバスター」と立て続けに観て、すっかり盛り上がってしまい、まだDVDで持っていなかった「Sivaji(ボス その男シヴァージ)」を、amazonに緊急発注。
この映画は、映画館では「マサラシステム」での体験だったので、実は、内容の方はあまり覚えていなかったのだが、改めて鑑賞すると、ラジニカーント主演作の中でも、トップ・クラスのぶっ飛びぶりだ。彼が演じるのは、アメリカで成功を収めてインドに帰ってきた実業家。彼は、故郷に尽くすため、無償の大学を設立しようとするのだが、インドに蔓延する賄賂体質に直面。さらに、彼を敵対視する悪徳実業家の陰謀にはまり、全てを失ってしまう。そこから始まる、壮絶な復讐劇! そして、闇ビジネスを摘発し、社会改革を目指す!! というのが基本線なのだが、そこはインド映画。主人公の強引な恋の駆け引きにもたっぷり寄り道し、豪華絢爛なダンス・シーンもてんこ盛りの185分。大満足なのである。
さて、インドの最近の話題と言えば、モディ首相が強行した 500および1000ルピー札の使用禁止による混乱である。社会に蔓延する裏金を撲滅するための強権発動ということで、議論を呼んだのは、日本でも報道されていた。
そして、今回、この映画「Shivaji」を改めて観て、ラストに驚愕したのである。クレジットが流れ始めたところで、この物語の後日談が字幕で紹介されるのだが、曰く、(この映画は 2007年公開である)
- 主人公は、その後も慈善事業を進め、闇ビジネスの摘発も続ける。
- 民衆も裏金撲滅の重要性を認識。
- 2008年、500よび1000ルピー札は使用禁止に!
- 2009年、国内の裏金の半数が摘発。
- 2010年、1000ルピー以上の支払いはカードで行なうことになり、専用のカードが国民全体に支給。
- 2015年、インドは主要国入りを果たす。
- 夢はきっとかなう!
つまり、RajniとShankar監督は、2007年の時点で、既に、裏金撲滅のための高額紙幣使用禁止を提言していたのである! モディ首相も、インド人だから、当然、この映画は観ているはず(← 勝手な思い込み)。さすがに、国民全体にカードを支給するのは無理だとしても、決済手段が多様化した今なら、この映画の提言に従うことが可能だと判断したのに違いない(← 勝手な妄想)。なぜ、この衝撃の事実を報じるニュース・メディアが無いのか? これ以上、ラジニ兄貴が神格化されるのを妨害する勢力の陰謀か?(← 無理矢理な妄想)
私の中で、ラジニ兄貴への尊敬の念は高まるばかりなのである。