IN/OUT (2016.11.13) |
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あっという間に、空の色も、秋と言うより冬の雰囲気。寒くなり始めると、季節の進むのは一気ですね。。 最近のIN"Jack Reacher: Never Go Back" (16.11.13)Tom Cruiseの新作を観てきた。4年前の"Jack Reacher"の続編。監督は、"The Last Samurai"でもTomと組んだEdward Zwick。 Tomが演じる主人公、Jack Reacherは、流れ者として暮らしている元軍人。高い身体能力と抜群の頭脳を持ち、孤独を愛し、悪を許さない彼が、米軍と傭兵会社が絡んだ悪事を暴く、という筋書き。雰囲気は、前作と殆ど同じで、女性のバディと組むところも似たようなもの(前作は弁護士で、今回は軍人だが)。真っ当な続編とも言えるし、新鮮味が無いとも言える。 唯一の新鮮味は、軍人女性の他にもう一人、少女が仲間に加わるところだ。この少女、母親がJack Reacherの事を実の父親として訴えていることで、敵方からJackの娘=Jackの弱点と認識され、狙われる。Jackは、事件の解決に当たると同時に、彼女の身も守るのだ。 ポップコーン片手に、気楽に観る映画としては、良く出来ている。ラスト近く、少女が本当にJackの娘なのか判明する場面の工夫も巧い。ただ、底の浅さは前作以上という感じもする。事件そのものは単純なものだし、民間人であるJackが、あそこまで大暴れしてお咎め無しという設定もユルい。Tom Cruise自身は、Jack Reacherのキャラクターを気に入っているらしいが、まだ続編を作るのかなぁ? "Julieta" (16.11.13)スペインの監督Pedro Almodóvarの新作を観てきた。 マドリードに暮らす女性 Julieta。町で偶然出会った人から、旅行先で娘に会ったと聞かされる。Julietaの娘は12年前に突然姿を消して以来、消息不明だったのだ。彼女は、自分と娘の過去を回想し始める。 男達の死によって傷ついてきた彼女の半生。娘の失踪の謎。徐々に明らかになってくる物語の全貌は、どこまでも悲しい。そして、その物語を彩るのは、Almodóvar監督らしい、強烈な色彩設計に支えられた画面だ。 前に観た"La piel que habito"でも感じたが、この監督の映像は、その大胆な色遣いが強烈な個性となっている。特に、赤の使い方は極めて印象的。今回の作品でも随所に使われているが、特にラスト、過去の回想から一歩、前に踏み出そうとする彼女の車の過剰なまでな赤が、実に効果的だ。 エンターテインメント性よりも作家性の勝った作品で、好みは分かれそうだが、見終わった後に残る感傷が沁みる、良い映画だと思う。 そろそろ、年末の慌ただしい時期に差し掛かります。ほんと、早いなぁ。 |