IN/OUT (2016.6.5) |
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最寄り駅近くのスーパーマーケットが、近く閉店するというニュースに接し、途方に暮れる今日この頃です。 最近のIN「春風亭小朝・清水ミチコの大演芸会 ~落語とピアノバラエティー~」@ティアラこうとう (16.6.3)春風亭小朝と清水ミチコの二人会を観に、江東区の文化施設「ティアラこうとう」に行ってきた。 毎年恒例という小朝の二人会。これまでは、桂文枝や桂歌丸が組み合わされる事が多かったが、たまには落語家以外と言うことで、今年抜擢されたのが清水ミチコ。 私が、ティアラこうとうに来たのは、2012年の矢野顕子さとがえるコンサート以来。この時も清水ミチコが共演者だった。そういう巡り合わせのホールなのか。 まずは、落語の部。開口一番を務めるのは桂文雀。かつては小朝師匠の弟子だった人だ。続いて、小朝師匠の登場。「唐茄子屋政談」。40分の大ネタである。ちゃんとした古典落語を鑑賞するのは、本当に久しぶりだが、さすがの話芸だ。ただし、噺を聞いていても、肝心の「唐茄子」が何なのか分からない(噺の流れから、野菜であることは分かるのだが)。 ここで15分の休憩。幕が開くと、舞台上は、高座からスタインウェイのピアノに変わっている。再登場した小朝が、まずは、「唐茄子って、カボチャのことなんです。実はこれが分からない人が多くて…。江東区だったら大丈夫かと思ったんですが…」とのこと。なるほど。分かってないのは私だけじゃ無く、舞台上からもその雰囲気を察したのか。で、清水ミチコを呼び込んで、しばし対談。話題は主に、清水ミチコが、大河ドラマ史に残る演技を見せた「真田丸」。 そこから、清水ミチコの部。ビデオ・ネタは無く、ピアノ一本で勝負。「真田丸」出演中の、草笛光子・高畑淳子らの新ネタも加えつつ、客層を考慮してか、あまりマニアックに走らない構成。最後は、フォークソング・メドレー。本日も笑わせていただきました。 落語寄りの公演のため、特にアンコールは無く、最後はあっさり終わったが、終演後に周囲から聞こえてくる会話から、落語ファンの皆さんにも清水ミチコの笑いがしっかり届いていたようで、何より。 「みんな、うちのコレクションです」@原美術館 (16.6.4)原美術館の、今回の展覧会はコレクション展。1979年の創設以来収集してきた作品に加え、元々、個人の邸宅として建築された建物と一体化された常設展示にも新たに目を向けることで、この美術館の空間自体を感じさせるという趣旨らしい。 草間彌生、森村泰昌、佐伯洋江、横尾忠則、ナム ジュン パイク、アイ ウェイ ウェイらの現代美術が並ぶ。過去、この美術館の企画展で観た作品も多いが、並べ方が変わると、印象も変わるものだ。ただ、2014年の開館35周年記念コレクション展に比べると、やや迫力に欠ける気もした。作品が飾られないままの壁面もあったり。 その分、普段はあまり見えない裏庭を意識的に見えるようにしていたりして、この建物自体を主役にしようという意思が感じられる展示方法だと思う。次のコンサートまでの待ち時間もあったので、場内三周ほど、じっくりと見せていただいた。Jean-Pierre Raynaudの「ゼロの空間」など、最近は飛ばしてしまうことが多かった常設展示も久々に。奈良美智の「My Drawing Room」は、かなり長時間観ていても、飽きないなぁ。 なお、大野智史の作品が展示されていたのだが、その作品の前で「嵐の大野君」の作品と勘違いしていると思われる人を多数目撃。展示の横に、但し書きを付けた方が良いかも… 加藤訓子コンサート「ライヒ~ペルトの世界」at Hara Museum ザ・ホール (16.6.4)原美術館内のホールで開催された加藤訓子の公演も鑑賞。 世界的に高名なパーカッショニストである加藤訓子が、ミニマル・ミュージックの巨匠 Steve ReichとArvo Pärtの作品を、マリンバ用に編曲し、演奏する(曲によっては、彼女が事前に録音した演奏を流しながらの「一人多重演奏」)という趣向。 ホールに面した庭から、鈴を鳴らしながら登場した加藤訓子。黒のTシャツとパンツ。アクセサリーは一切付けず、アスリートのような佇まいだ。マリンバの後ろには、様々な大きさの30本ほどのマレットが並ぶ。そこから、4本取り出し、両手に2本ずつ持って演奏開始。マレットによって、その大小や、先端の素材で、出てくる音が全く異なってくるのだ。そのため、一曲の中でも、何本も持ち替えて演奏していく。改めてじっくり観ると、奥の深い楽器だ。 元々はマリンバを想定して書かれたのでは無い曲ばかりだが、その音色とミニマル・ミュージックとの相性はばっちりだ。マリンバのプロ演奏というと、超絶スピードのトレモロやグリッサンドなどの奏法を駆使するものという先入観があったのだが、そういうものとは一味違う、まさに現代音楽。この音の重なり・流れは、中毒性がある。彼女のパフォーマンスも、単に音を出すだけで無く、所作や表情の隅々まで意識を凝らしたもので、現代舞踊のような趣きさえ感じる。 終始無言で、次々と演奏を続け、最後の挨拶でようやく語る。なんでも、このホールでは、十数年前に「アンサンブル・ノマド」の一員として演奏したことがあるそうだ。加藤訓子が、現代音楽集団「アンサンブル・ノマド」の創立メンバーだったという事を、この時点で知る私。もうちょっと予習しとけば良かったか。 Reichは、名前は良く聞く割に、その作品をじっくり聴く機会はあまりなく、また、マリンバのソロ演奏というのも、あまり観る事はなかったが、予想以上に引き込まれる演奏会だった。来てみて大正解。 このスーパー・チェーン。業績は苦戦しているという事は聞いていましたが、この店舗に限っては、毎日、それなりの買い物客で賑わっていたと思っていたので、閉店は意外。ここで揃う素材が自分の料理の基準として定着してしまっているし、プライベート・ブランド商品の数々も愛用していたのに…。どうも、私が気に入る商品、ブランド、ショップというのは、市場競争に負けがちなんだよなぁ… |