IN/OUT (2014.11.16) |
|
急に寒くなってきました。秋って、こんなに短かったっけ? 最近のIN「開館35周年記念 原美術館コレクション展」 (14.11.16)1979年12月に、当時では珍しかった現代美術専門の美術館としてオープン。決して広くはない美術館だが、その収蔵品は千点を超えるという。その中から選び抜かれただけに、ナム ジュン パイク、横尾忠則、草間彌生、荒木経惟、坂田栄一郎、杉本博司など、錚々たる現代美術作家の作品が並んでいる。過去に、この美術館で観たことがある作品も多かったが、まるで、ヒット曲が詰まったオムニバス・アルバムを聴くような、お得感溢れる展覧会だ。 もちろん、単に有名作家の作品を羅列するような展示にはなっておらず、各部屋毎に、見応えのある並べ方が工夫されている。特に、米田知子の写真「眼鏡シリーズ」が5点飾られたギャラリーIVは、非常に印象的な空間になっていた。これは、ガンジーやフロイトら、歴史上の偉人達が実際にかけていた眼鏡と、そのレンズ越しに配置された彼らに縁のある文書を撮影した作品群で、たとえば、フロイトが使っていた眼鏡を通して見えるのは、ユングのテキストだったりする。作品自体が持つメッセージ性と、元々、個人の住宅だっただけに、美術館の展示室としては狭い原美術館の空間が、一種、独特の世界を作っていて、飽きない。 他にも、ギャラリーVに飾られた野口里佳の写真「潜る人」6点や、廊下や階段の壁に飾られた作品など、空間を巧みに生かした展示が多く、非常に満足度の高い美術展だ。心残りは、カフェで、普通に昼飯を食べてしまい、35周年記念の意匠が施されているらしいケーキを食べ損なったことか。再訪しよう。 携帯電話を換えて、常時接続のスマートホンを持つようになると、なるほど、AppleやGoogleやMicrosoftが仕組んだエコシステムにどっぷり浸かると、便利なことが多いのだな、と納得する今日この頃です。世間の人からは、今頃かよ、と突っ込まれそうですが。 |