IN/OUT (2015.5.24)

Merlion 旅行づいた月の締めくくりは、シンガポールへ。

今年は、勤続年数によって権利が与えられるリフレッシュ休暇取得の対象年なのです。しかし、6月を過ぎると、なんやかんや忙しくなって、取りそびれたまま一年が終わってしまうというのが、過去の経験。取得するなら今しか無い。週末には矢野顕子の公演があるため、月-金の4泊5日旅行です。


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シンガポールへ行く15.5.25 - 5.29

これまで、クレジットカードのポイントを全てシンガポール航空のマイルに換えていたのだが、結局、使えないまま期限切れになる状態がずっと続いていた。そのため、別のポイント・プログラムに乗り換えることにしたのだが、ここで、これまでの10万マイルを超えるマイレージを一発で消化してしまうべく、シンガポール航空のビジネス・クラスを予約。2011年10月の出張以来の訪星である。

5月25日(月)

月曜朝、意気揚々と、羽田へ向かう。9時20分発のSQ631便。相変わらず美人揃いのCAさんと、レベルの高い機内食を楽しむ。一つ残念だったのは機内エンターテインメント・システム。十数年前は、コンテンツの質・量、さらにシステムの使い勝手で、他社を大きくリードしていたシンガポール航空だが、今では、他社の追い上げに負けてしまっているようで、ちょっと、操作性が悪いように感じてしまう。

現地時間、15時25分頃、着陸。空港のATMでシンガポール・ドルを引き出し(VISA、Masterは、ほとんどの銀行のATMでキャッシングが可能だが、AMEXのキャッシングに対応しているのはDBSとPOS Bankだけなので、要注意)、M1シンガポールの携帯電話事業者の一つ)のカウンターでプリペイドSIMを購入(カウンターに行く前に、携帯電話の画面表示を英語に切り替えておいたので、SIMの取り付けから設定、アクティベーションまで、全て、カウンターのお姉さんがやってくれた)。タクシーでホテルへ。

最初に泊まるのは、Tanjong Pagar駅至近の、Carlton City Hotel。これといって特徴の無い、ビジネス・ライクなホテルだが、2年前にできた新しい建物で部屋は清潔。周囲は、かつての職場の近くなので、土地勘もあり、便利なところだ。荷物を置いて、さっそく街へ。

Gardens by the Bay Southまずは、MRTの駅で、シンガポールの交通系ICカード、EZ Linkを購入し、とりあえず、定番、Merlion Parkから、Esplanade Theatres on the Bay、さらに、Marina Bay Sandsの方へ。

カジノに興味はないので、Marina Bay Sandsにも、あまり関心は無いのだが、楽しみにしていたのはGardens by the Bay。前回訪れたときには、まだオープンしていなかった巨大な植物園である。想像以上に広く、綺麗に整備されている。ちょうど、夕暮れ時に到着したので、徐々にライトアップが幻想的になっていく巨大な人工樹「Super Tree」が見応え十分。Gardens by the Bay South

夕食はBugisに行き、日本式の洋食屋「Ma Maison」へ。デミグラス・ソースのかかったハンバーグ。赴任中は、休日に良く来ていた店なのだ。十年ぶりの訪問だが、相変わらず繁盛しているようで、嬉しい。というか、日本の外食チェーンの参入はさらに加速しているようで、和風スパゲティの五右衛門、つけ麺の麺屋武蔵、大阪王将、銀座ライオンなどなど、多くのチェーン店が新たに出店しているようだ。

5月26日(火)

Singapore, Simei 翌朝は、MRTに乗って、かつて住んでいたSimeiを訪れてみる。駅前のモールは、入居している店が、かなり入れ替わっているようだ。最近、シンガポールで店数を伸ばしているらしいToast Boxというチェーン店で、カヤ・トーストの朝食(やや、期待外れ)。

以前住んでいたコンドミニアムは、あまり変わっていないようだし、周囲のHDB(公団住宅)も、10年前のまま。ただ、HDBのベランダに赤い旗が飾られているのが目立つ。まもなくシンガポールで開催されるSEA Games東南アジア競技大会。東南アジアの11ヶ国が参加するスポーツ大会。日本は対象外)の旗だ。こういう所、プチ全体主義独裁国家、シンガポールの面目躍如という感じ。

Simeiから、10番バスに乗車。二階建てバスの二階・最前列に陣取って、懐かしの町並みを眺める。このバスだと、かつての職場、Shenton WayとScience Park II(当時は兼務していた)の両方を通るのだ。終点のKent Ridge Terminalまで行って、今度は51番バスに乗って、Clarke Quay近くで下車。Boat QuayからRaffles Place方面へ歩き、Lau Pa Sat(フードコート街)で、チャーシュー&ワンタン麺のドライ(汁無し)の昼食。そのまま歩いてホテルへ戻って、一休み

この後、現在の職場関係の現地法人オフィスへ。一応、シンガポールに行くついでに、仕事も一本入れてしまったのだ。夜は、現地のスタッフ三名を誘い、Chijmesにある中華料理屋 Lei Gardenへ。北京ダックを振る舞う(まあ、自分が食べたかっただけだが。

5月27日(水)

水曜の朝は、ホテル近くのショッピング・センターにYa Kunを見つけ、カヤトーストの朝食。やはり、美味しい。私は、前日のToast Boxよりも、Ya-Kunの過剰なまでにサクサクしたカヤトーストが好みだ。

Singapore9時を過ぎると、どんどん気温が高くなってきたが、そのまま周辺のチャイナタウンを散策。

今回、シンガポールに来て驚いたことの一つが、変な形のビルが次々と建っていること。建設ラッシュ自体は、この国の発展ぶりを示していて喜ばしい限りだが、どのビルも、外観に凝りすぎ。単純な四角いビルは皆無だ。地震が無いのを良いことに、建築家がやりたい放題とうい感じなのだ。ホテルの窓からも、巨大な集合住宅が見えているのだが、これが、わざわざ空中回廊で複数のビルを連結したもので、大きな屏風のような感じ。チャイナタウンを歩いていても、ショップハウスの上にそびえるその威容に圧倒される。Singapore Chinatown

BBQポークとエビチリロールの名店林志源へ立ち寄った後、ホテルに戻り、パッキング。二軒目のホテルに移動すべく、チェックアウト。

正午頃、Raffles Hotelへ。駐在時代、Long BarやBar & Billiard Roomといったホテル内の飲食店にお客様を連れて行ったことはあるが、当然、宿泊したことはなく、Resident(このホテルでは、宿泊客をこう呼ぶ)しか入れないエリアは、羨望の的だった。今回、奮発して、4泊中2泊をRafflesにしたのだ(4泊全てじゃないところが、貧乏性)。

もう、チェックインの時からVIP扱いしてくれる接客が心地よい。チェックインカウンターに並ぶ必要は無く、ソファに腰掛け、ウェルカム・ドリンクを飲んでいる間に手続きが終わり、部屋付きのバトラーが部屋まで案内してくれる。なるほど、客に、自分が重要人物かのように錯覚させる魔法こそ、このホテルの売りなのだと納得。

Raffles Hotel 部屋は全室スイート。しかも、今回、一番下のクラスでは無く、ちょっと上のクラスへアップグレードしてもらえた。食卓とソファのあるダイニングルームとベッドルーム、そして洗面室。どれも、古い調度品が良い味を出している。一方で、無線LANなど新しい設備も、ちゃんと完備。ただし、交通量の多い道路に囲まれているため、結構、騒音は入ってくる。モダンで機能的で効率的なホテルを好む人には勧められないかな。

Raffles Hotel私は、すっかりこのホテルの雰囲気が気に入ってしまい、外部から立ち入りが出来ないエリアを、お上りさん気分で探索。各国の著名人が訪れた際の記念写真が飾られているところがあったのだが、日本人では、富司純子さんと、嵐の櫻井翔さんの写真(肖像権管理に厳しいジャニーズ事務所は、把握しているのか?)を発見。

Raffles Hotel部屋によっては、かつて滞在した著名人の名前が付いているところもある。写真は、102号室「Somerset Maugham Suite」。文豪、サマセット・モームの名前が付いた部屋のドア。当然、私が滞在した部屋は、そういう特別な所では無いが、隣にずらっと「John Thomson」、「Rudyard Kipling」、「Joseph Conrad」が並んでいた。コンラッドの部屋には泊まってみたかったな。

ホテル内を探索した後は、隣のショッピングモール Raffles Cityのフードコートで、Yong Tau Foo。豆腐や魚のすり身など、おでん的な具材を選んで、麺とスープを加えてもらうというフードコートの定番料理だ。その後は、Funan DigitalLife Mallや、Suntec CityMarina Squareなど、周辺のモールを歩き回る。

夕食は、ホテル内のLong Bar Steakhouseでアイリッシュ牛を食べ、Writers Barで軽く飲んで、勢いでLong Barでシンガポールスリングを飲むという、王道コース。ホテルロビーにあるWriters Barを使うのは初めてだったが、モームら文豪が愛したバーという昔日の伝説的な雰囲気は微塵も無く、今ではごく普通のバーだったのは、ちょっと残念。

5月28日(木)

朝食は、部屋に置いてあったウェルカム・フルーツで済ませ、動物園とナイトサファリの隣に新しく出来たRiver Safariへ行く。ミシシッピ川、コンゴ川、ナイル川、ガンジス川、メコン川、長江、そしてアマゾン川をテーマに、淡水に住む生物(と、何故かパンダ!)を展示するという動物園だ。日本から、SAEXを通して、バスと入園券の予約をしておいたのだが、9時20分、集合場所のSwissotel The Stamfordホテルの入り口に行ってみるが、バスが中々来ない。SAEXからのメールに「バスが時刻通り来なくても、交通事情のために遅れることは良くあります。必ず来ますから、慌てず、待っていて下さい。」というような意味のことが書いてあったのを思い出すが、ちょっと不安になる。結局、9時35分頃にバスが到着。

一時間ほどで、River Safariに到着。入り口のお姉さんに「もうすぐ雨になりそうだから、早めにAmazon River Questに行った方が良いわよ」と、通常とは逆回りのルートを示される。ということで、まずはアマゾン川エリアから回る。

River Safariこのエリアでは、マナティが圧巻。巨大な水槽に想像以上に沢山のマナティが泳ぐ。さらに飼育員による餌やりも見ることができた。可愛い。

River Safari 残念ながら雨が降り始め、「Amazon River Quest」は運転休止になってしまったので、そのまま、長江エリアへ進む。ここにパンダが居る。かなりの至近距離で見られるパンダ。やはり可愛い。ただ、River Safari内に掲示されているパンダのイラストが中華風テイストで、ちょっと微妙…

River Safari一旦、最後まで見て回ったところで雨が上がったので、逆方向にもう一周。先ほどのパンダが、リアル・たれぱんだ状態になっていて、さらに可愛い。

River Safari River Safari お目当てのAmazon River Questが再開されていたので、早速乗り込む。平日の午前中。乗船したのは私一人だ。これは、ちょっとした急流すべり的な要素を盛り込みつつ、動物を間近で見られるという、中々良く出来たアトラクションだ。オオアリクイやカピバラ、鳥やジャガー(肉球もバッチリ)など、一人なのを良いことに声を上げて楽しむ。

淡水系の生物という、一見、地味な題材を、巧みなプレゼンテーションで幅広い年代に楽しめるアトラクションに仕上げるWildlife Reserves Singaporeの手腕につくづく感心し、River Safariを後にする。927番バスで、Choa Chu Kangへ行き、駅前のフードコートで香港式のダンプリング&チャーシュー麺を食べ、MRTに乗車。

Orchardへ行き、高島屋紀伊國屋書店伊勢丹スコッツなど、懐かしの店をチェックした後は、ホテルに戻り、Raffles Qualityを満喫。

夜は、現地スタッフが昔の職場の部下に声をかけてくれ、五人のローカルスタッフとRiver WalkのJumboで、シーフード。十年ぶりに会う元部下は、皆、意外なほど老けていない(彼女らにそう言うと、白髪染めと、SK-IIのおかげだと笑っていたが)。ただ、社員旅行に連れてきていた息子さんや娘さんが、もう成人しているという話を聞いて、改めて年の流れに驚くとともに、集まってくれた皆に感謝。次に会うときはお婆ちゃんになって、孫の話ばっかりになるのかなぁ。もちろん、シーフードは大変美味しかった。日本にもシンガポール料理屋は増えてきたが、シンガポールでしか味わえない料理が、まだまだ多いのだ。

5月29日(金)

朝、ホテル内のTiffin Roomで朝食。火曜日のオフィス訪問時に発覚した問題の対処で、ホテル内で現地スタッフと、軽く仕事の打ち合わせ。その後、周囲を散歩してから、荷物をパッキング。チェックアウトして、空港へ向かう。EZ Linkカードを精算し、余ったシンガポールドルを日本円に換え、これで帰国準備完了。

午後1時50分のSQ634で羽田へ。途中、座席の電動フットレストが動かなかったので、CAさんを呼んだところ、座面を剥がして中の金属部品を力尽くで直してくれた。CAさん、華やかな外観とは裏腹に、肉体労働なのだと実感する。火山噴火の影響で飛行ルートが変わったため、少し遅れて夜10時過ぎに到着。楽しかった休日、終わりである。

久しぶりに訪れたシンガポールは、町中にポジティブな活気が満ちあふれていた。就任時は、世襲制かと不安視されたLee Hsien Loong首相だが、その手腕は間違いなかったようだ。ケンブリッジでコンピューター工学を学び、今でも、自身がC++で書いたプログラムをFacebook上で公開するというITへの知見の深さは、各国の首脳の中でもダントツ。それが、シンガポールの開発政策に、見事に生かされていると思う。もちろん、発展に伴う歪みも内在しているとは思うが、それらも、どんどん乗り越えて、さらなる発展を果たしそうな勢いと自信が国内に溢れているという印象だ。

充実した社会インフラと治安の良さ、手頃なサイズの町並み、少々下手でも、あまりコンプレックスを感じずに英語で喋れる雰囲気、つくづく良い国だなと再認識する旅だった。観光地よりも、普通に街をぶらぶらするのが心地良い。また、ここで暮らしてみたいものだ。



Marina Bay Sands旅行に持って行った携帯電話は、Lumia 640 dual SIM。MicrosoftブランドのWindows Phone 8.1 搭載機です(先日、香港で購入したLumia 830は、Windows 10 Insider Previewを試用中)。

日本で使っているIIJ mioのSIMカードは、シンガポールではStar Hubのネットワークにローミングされ、シンガポールで購入したM1のプリペイドSIMとの二枚刺しで運用。これは、超便利。日本からの着信も普通に受けられるし、シンガポール内のデータ通信も音声通信も、30ドルでほぼ使い放題の感覚。海外で、データ通信だけで無く、音声通話も使う場合は、Dual SIM機しか選択肢は無い(さらに言えば、Windows Phoneは、そこに力を入れていて、非常に使いやすい)と確信しました。