IN/OUT (2014.11.30) |
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先週末は、久しぶりのプライベートでの海外旅行でした。 最近のIN香港でNokia Lumiaを買う (14.11.21-24)香港に行ってきた。シンガポール駐在時代は、兼務の関係でかなりの頻度で通っていたのだが、日本に帰任してからは全く訪れておらず、9年ぶりぐらいの訪問となった。 搭乗したのは、成田発16時15分のキャセイ便。Discover Hong Kong Tourist SIM Card(旅行者用のプリペイドSIMカード)を機内で売っているという情報があったので、客室乗務員に聞いてみたのだが、「そんなもの、売ってる訳ないでしょ」と、ばっさり。いきなり当てが外れる…。 20時30分頃、香港国際空港に到着。機内持ち込みのボストン・バッグだけなので、とっとと通関し、早速、200シンガポール・ドルを両替。円安が進む折、引き出しの中に死蔵されたままになっていたシンガポール・ドルを使ってしまおうという寸法だ。すると、両替屋(Travelex)のお姉さんが「SIMカードもいるか?」と聞いてくる。この両替屋、プリペイドSIMも扱っているらしい。巧い商売だ。渡りに船と、China MobileのSIMカード、80香港ドルで購入。4Gも使えるので、Tourist SIM Cardよりも少し高いが、これで滞在中のデータ通信の心配がなくなる。お姉さんが、SIMの装着まで手際よくやってくれるが、APNの設定などは、メニューが日本語なので無理、と言われた。あとは、Octopus Card(香港の公共交通機関で使えるICカード。香港版SUICA)を購入し、エアポート・エクスプレスに乗車。後で分かったのだが、Octopusは、交通系だけでなく、コンビニなどでも大活躍。セブン・イレブンでの支払いなど、ほとんどの香港人がOctopusを使っていた。 電車内で、さっそくChina MobileのSIMカードが装着されたLumia 630を起動し設定。このNokia製スマートフォンは、Dual SIM対応機。つまり、SIMを二枚挿して同時に使うことができるのだ。ただし、3Gで使えるのは一枚だけで、もう一枚は2Gになる。日本では、2G、すなわちGSM方式は採用されていないので、意味が無い機能である。まあ、それ以前に、このスマートフォンは技適マークを取得していないので、日本国内で電波を発信すると法律違反になってしまう「ご禁制品」である。もちろん、香港では大手を振ってスイッチ・オン。日本で使っているSIMカードの方はGSMでローミングを受けるようにし、現地のプリペイドSIMを3Gで使って高速データ通信を利用するという作戦。もちろん、現地SIMは、市内電話料金で現地の店などに音声通話も可能。これ、海外出張や旅行では、極めて便利な使い方だと思う。二枚のSIMを認識し、無事、二本のアンテナピクトが表示された様子が、↓。IIJmioのSIMカードは、NTT DOCOMOの回線を使っているので、表示はこうなる。 エアポート・エクスプレスを九龍で降り、無料シャトルバスで宿泊先へ。以前、出張で定宿にしていたホテルだ。チェックインし、部屋に入ったら、もう、22時近く。それでも、土地勘を取り戻すべく、尖沙咀の街中をしばらくぶらついて、一日目は終了。 翌朝、まずは星光大道近辺を散策。その後、スター・フェリーに乗って香港島へ行き、SOHOや蘭桂坊辺りを歩き回って(朝早くに訪れる場所でも無いが…)、そろそろ商店が営業を開始する時刻になったところで、地下鉄に乗って旺角へ向かう。 今回の旅行の目的の一つは、Nokiaの最新スマートフォンを購入することなのだ。Nokiaが携帯電話事業をMicrosoftに売却してしまったため、この秋に発売された機種を最後に、Nokiaのロゴがついた携帯電話は消え去る運命にある。Nokiaファンとしては、最後の機種は買っておきたい。 香港で、安く携帯電話を買うなら、旺角にある先達広場という雑居ビルだという噂を聞いて出向いたわけだが、今、旺角と言えば、反政府デモである。Nathan Roadの真ん中にテントがずらっと並び、見た目は異様な雰囲気になっているが、別にアジ演説をする人がいるわけでも無く、静かなものだ(この数日後、バリケードの強制撤去でかなりの混乱になったのだが)。むしろ、いつもは交通量の多いNathan Roadが歩行者天国になったような、のどかな雰囲気だ。買い物客が普通にバリケードの周りを歩いている。 さて、先達広場。確かに携帯電話・スマートフォンを売る店がぎっしり詰まっている雑居ビルなのだが、メインは、iPhoneかSAMSUNG。今や、マイナー・メーカーに転落したNokiaを扱っている店はほとんど無い。結局、目当ての機種は、大型の量販店で購入。現地で直接店員から買ったという満足感はあるが、値段に関しては、通販サイト Expansysで買うのと、数千円しか違わないのである…。 ショッピング・センター内のフードコートで昼食を取り、重慶大厦の両替屋で、残りのシンガポールドルを両替。空港に比べて、遙かにレートが良い。同じ 200シンガポールドルを両替して、手にした香港ドルは 80ドルの差があった。一旦、ホテルへ戻って、早速、購入したばかりのNokiaロゴが付いたWindows Phone、Lumia 830をセットアップして、にやにや。 夕方、同じタイミングで香港旅行に来ている友人達と待ち合わせ、シンフォニー オブ ライツを見学。その後、尖沙咀の滬江大飯店で、上海ガニを食べる。久しぶりに食べたが、やっぱり美味しい。不器用な私が、ミソだけ楽しんで、細い脚の身をほじくるのを面倒くさがっていたら、店のおばちゃんが、脚の両端をハサミで切って、さらに細い脚を使って中の身を綺麗に押し出す技を伝授してくれた。香港の店員って、日本基準では圧倒的に態度が粗雑なのだが、意外に人なつこいと言うか、ツンデレと言うか。さらに、デザートに、糖朝に行って豆腐花を食べて、この日は終了。 日曜の朝。まずは、九龍公園へ。太極拳をやる人や、集まって瞑想のような事をやっているグループ、バードウォッチングを楽しんでいる香港野鳥の会(?)らしき人々、そして、休みをもらって(家を追い出されて)公園でピクニック気分の外国人出稼ぎお手伝いさん達などで、賑わっている。 まだ時間が少し余っていたので、地下鉄に乗って適当な駅(美孚)で当てもなしに降りてみて、団地街を歩き回ったりする。ごくごく普通のニュータウンという感じだが、それもまた良し。 そうこうしている内に、よい時間になったので、油麻地へ。目的地は、Nokiaのサービスセンター。昨日購入したLumia 830は、ワイヤレス充電に対応しているので、合わせてNokia純正のしゃれたデザインの充電器も買いたいのだが、昨日、探した限りでは、見つけられなかったのだ。ウェブで住所を調べて訪れたサービス・センターは、オフィスビルの14階にあって、小売りをやっているようには見えない雰囲気だったが、聞いてみたところ、販売してくれるという。これで、今回の旅行の目的、完璧に達成である。 昼食時、昨日会った友人達と再び待ち合わせて、アイランド・シャングリラの夏宮で昼食。ミシュラン二つ星店。友人達は、食事にうるさいというか、旅行の目的の非常に大きな部分を食事が占めるというタイプなのだ。こういう機会じゃないと自分では訪れないような店なので、ありがたく同行させていただく。 昼食後は、香港公園を散策。沢山の鳥が放し飼いされているEdward Youde Aviaryや、無料ながら、キツネザルの展示など侮れない香港動植物公園などを見て回った後、香港観光のド定番、ピーク・トラム乗り場へ。 ちょうど夕暮れ時だったので、トラム乗り場は大混雑だったが、やはり、ピークからの夜景は良い雰囲気だ。帰りはバスで下りて、トラムを乗り継いで、銅鑼灣の西苑へ。Jackie Chanもお気に入りという広東料理店だ。さすが、食通の友人達の選択である。名物のチャーシューが、ほとんど売り切れになっていて(店の人がサービスで、本当の最後の数切れを持ってきてくれたが)友人達はご不満だったみたいだが、私は大いに堪能させてもらいました。スターフェリーで尖沙咀へ戻り、ホテルへ。 最終日は早起きして、チェックアウト。6時20分の無料シャトルで九龍駅に向かい、空港へ。飛行機は9時5分発。事前にチェックインは済ませていて、オンラインの搭乗券もダウンロード済みだから、もう少しゆっくり行っても大丈夫なのだが、やはり、空港へは早めに行っておかないと落ち付かない。なお、マイナーOSの悲しさか、キャセイ航空のオンライン搭乗券は、Windows Phoneでは表示できない。そのため、今回の旅行にはAndoroid端末も持ってきていて、これにLumia 630と、現地購入したLumia 830。スマホ3台持ちでの行動になってしまった… 一旦、土地勘が戻れば、香港は非常にリラックスできる場所で、久しぶりの、会社PCを持たない旅行を満喫できた。あー、楽しかった。14時頃、成田に到着し、ボストンバッグを宅配業者に託し、一路、次の目的地、水道橋へ。 YES 来日公演 (14.11.24, 29)成田から向かったのは、東京ドームシティホール。YESの来日公演。1969年デビューだから、今年で45年目を迎えた超ベテラン・バンドだが、今年も新アルバム「Heaven & Earth」をリリースし、健在なのである。そして、今回の来日公演は、彼らの黄金期の代表作、1971年の「Fragile(こわれもの)」と、1972年の「Close to the Edge(危機)」を、完全再現するという。特に、「Close to the Edge」は、YESに限らず、全ロックアルバムの中で私が最も好きな一枚なのだ。これは、旅行直後だろうが、駆けつけねば! こちらの期待を遙かに上回る、素晴らしいライヴだった! 冒頭から「Close to the Edge」の全曲を完璧に演奏し、新作「Heaven & Earth」からの二曲(これらも中々良い曲なのだ)を挟んで、「Fragile」の全曲をアルバム通りの順番で演奏。アンコールは、「Fragile」の前作、1971年の「The Yes Album」から「I've Seen All Good People」と「Starship Trooper」。もう、完璧にして究極のセットリストだ。 ただし、今回の来日メンバー五人のうち、この黄金期に現役メンバーだったのは、Steve HoweとChris Squireの二人だけ。ライヴではこの二人が前面に出る展開になったのだが、特に、Steve Howeが凄い。同じメンバーでの2012年の来日公演では、年齢的な衰えを感じていたのだが、今回は、完全復活・驚異の若返り。時には、肩にかけたギター、スタンドにセットされたギター、スチールギターの三台を一曲の中で弾きこなす器用さも見せ、このライヴはSteve Howe祭という感じすらするほど、切れまくっていたと思う。 鶏ガラのように痩せたHoweとは対照的に、貫禄たっぷりのChris Squireも、自分の見せ場をしっかり作りながら、余裕のプレイ。 ドラムスのAlan Whiteは、見せ場無しという感じだった。今回、完全再現されたアルバムのドラムスは、Alanでは無く、超絶技巧派のBill Brufordが叩いていたのだ。その後、彼の後任で入ったAlan Whiteは、Brufordのような強烈な個性が無い事こそが個性のようなタイプなので、やりづらかったと思う。 そういう意味では、もっとやりづらかったのがキーボードのGeoff Downesだと思う。黄金期YESの音楽性を一番特徴付けていたのが、Rick Wakemanの個性的なキーボード・プレイだった訳で、どこまで、それを再現するのか、そして、どの程度、独自性を出すのか、現在のYESでの活動と並行してASIAの中心人物でもある、華のあるキーボード・プレイヤー Geoff Downesとしては悩んだんじゃないか。曲によっては、Wakemanの完コピをそつなくこなしたり、ところどころ、自分らしい音を入れたりして、無難に役割をこなしていたと思う。 そして、ヴォーカルのJon Davison。彼の場合、観客が自分に求めているもの=Jon Andersonのように歌ってくれ、というのを十分に理解して、決して出しゃばること無く、器用にやっていたと思う。声質だけで無く、パフォーマンス全体が、Jon Andersonっぽくなってきたような気さえしてくる。 と言うわけで、あまりにも素晴らしいライヴだったので、土曜日に行われたNHKホールでの追加公演にも参戦してきた。これがこのツアーの最終公演ということで、メンバーの気合いの入り方も一段と凄かったと思う。セットリストは同じだが、アンコール二曲目は、「Owner of a Lonely Heart」。YES最大のシングル・ヒット曲だから、これでも悪くは無いのだが、「Close to the Edge」&「Fragile」とは傾向が違うんだよなぁ、と思いながらも、演奏には引き込まれる。Steve Howeのギターがここでも切れまくり。そして、ご老体は頑張ってくれて、感涙のダブル・アンコール。「Starship Trooper」! とにかく、あの二枚のアルバムの完全再現を、2014年にもなって、ここまでのクオリティで聴けるとは、思ってもいなかった。本当に良いものを見せていただいた。 あまり意識していなかったのですが、やはり香港は亜熱帯。結構、気温が違いました。戻ってくると、近所の運河にはユリカモメが飛来。もう冬ですね。 |