IN/OUT (2014.11.21) |
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この週末は、久しぶりに休みを取って四連休。で、連休前に更新です。 最近のIN"L'extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet" (14.11.20)Jean-Pierre Jeunet監督の新作を観てきた。製作はフランスとカナダで、オリジナル・タイトルはフランス語だが、舞台はアメリカで、台詞も英語である。フランス人のJeunet監督にとって"Alien: Resurrection"以来となる英語作品だが、皮肉なことに米国では未公開らしい。邦題は「天才スピヴェット」 主人公は、モンタナの田舎に住む10歳の少年、T.S. Spivet君。タイトル通り、天才的な頭脳を持つ少年である。昔気質のカウボーイである父と、マニアックな昆虫学者の母、アイドル志望の姉という変わり者揃いの家族の中で、自分の居場所が見つからない。しかも、双子の弟を事故で亡くし、それがトラウマになっているという境遇だ。そんな彼が、一人、米国大陸を横断する旅に出る、というお話。 いかにもJean-Pierre Jeunetらしい、ひねくれたユーモアに満ちながらも、泣かせるところはきっちり泣かせる、とても良く出来た話だ。T.S. Spivet君の語りで物語は進んでいくが、超優秀な科学者の頭脳と、10歳の子供らしい無邪気さを併せ持った彼が、とても魅力的だ。そんな彼の頭の中のイマジネーションを、3D映像で見せる演出が、効果的。3D映画って、アクション系の作品で多用され、食傷気味だったが、まるで飛び出す絵本を見ているようなこの映画での使い方には、感心させられた。 母親役のHelena Bonham Carterは、例によってエキセントリックな女性役を好演。他の出演者も、役柄に見事にはまっている人ばかりで、鑑賞後にも暖かい気持ちが続く、良い映画だった。後は、主人公役のKyle Catlett君。天才子役にありがちな、その後の転落人生を歩まないように願うばかりである。 さて、それでは買い物へ出かけて来よう。 |