IN/OUT (2012.12.2)

この冬の初矢野顕子鑑賞。師走になりました。


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「The Chieftains 結成50周年記念ツアー @ オリンパスホール八王子」12.12.1

先週に引き続き、アイルランド音楽の大御所、The Chieftainsの公演を観に行ってきた。

今回は、八王子。久しぶりに訪れたが、南口が再開発され、とても綺麗になっているのに驚いた。ホールは、その再開発ビルの中。木材を多用した落ち着いた内装だ。席は、かなり前の方だったのだが、舞台に向かって左より。お楽しみのダンスは、右サイドで行われるので、ちょっと残念。

そして始まったコンサートだが、来日ツアーの初日だった、先週のBunkamura公演から、ぐっとレベルアップしているようだ。特に、ゲストの日本人ダンサーやバグパイプの楽団の動きに余裕が出てきたように感じた。先週は、緊張しているのが伝わってくるような感じだったのが、今日は、The Cheiftainsと一緒に楽しんでいるのが分かる。

さて、本日の目玉、ゲストの矢野顕子は、第二部に登場。舞台に向かって左、つまり、私の目の前に電子ピアノがセットされ、結果的には非常に良い席になった。前回は、2001年のThe Chieftains来日公演時にゲスト出演しているので、11年ぶり。しかし、タイムラグを感じさせない息の合った二曲、「The Mountains of Pomeroy」と「Sake in the Jar」を共演。前者は、アイルランドに古くから伝わる歌。後者は、The Cheiftainsと共に1999年にレコーディングした曲(アルバム「tears of stone」収録)で、津軽民謡とアイルランド伝統音楽を融合させた作品だ。レコーディング後、どんなロマンチックな題名が付くかと待っていた矢野の所に届けられたのが、Paddy Moloneyが付けたこのタイトルだったという話も披露。かなり熱の入った演奏だった。

そして、ラストの一大セッション。メンバー、一人一人がソロを回していく中で、矢野顕子再登場。ここで歌ったのが「モスラ」。無国籍で良いんじゃないでしょうか。最後のアンコールでの観客と一体となった盛り上がりも楽しく、先週の公演以上に、心の底から楽しい時間だった。


「会田誠展 天才でごめんなさい12.12.2

森美術館会田誠の作品展を観に、森美術館に行ってきた。会田誠は、1965年生まれの美術家。彼の作品は、以前、国立国際美術館で、「滝の絵」を見たことがある。古典的な日本画の題材の中に、スクール水着の少女達を配した、印象的な絵だ。

今回の大規模な作品展には、その「滝の絵」も出品されている。他に並んでいる作品を見ても、いかにも今の日本を代表する現代美術、という印象だ。萌え系の美少女や、歌舞伎町風の猥雑な看板をモチーフにしたり、猟奇的な味付けがあったり。ただ、それが私には過剰に感じられ、ちょっと見ていて疲れる感覚もあった。子供は連れて行かない方が良い美術展だと思う。

なかでも特徴的なのは、特に刺激の強い作品を集めた「18禁部屋」。六本木ヒルズの展望台のついでに森美術館に立ち寄った健全な家族連れが不用意に見てしまうのは問題がありそうな、エロかったり、グロかったりする作品が、仕切られた一室に集められている。「食用人造少女・美味ちゃん」や、「巨大フジ隊員vsキングギドラ」など、タイトルだけでも、18禁の匂いが…

現在進行形の今を象徴する作品群に疲れてしまった訳だが、あと何十年かして見返すと、かなり違う印象を受けるのかもしれないとも感じる展覧会だった。



来週からの予定表を見ていると、それだけで疲労感が募ってきそうな状況になっていますが、それもこれも、師走ですな。