IN/OUT (2023.10.1)

献血会場で、ハウスのシャービックをもらい、まだ売っていたんだと驚いた今日この頃です。調べてみたら、1968年に販売開始されたロングセラーなのですね。懐かしいなと思いながらも、我が家には製氷皿が無いな…


in最近のIN

「挾間美帆m_unit 日本ツアー2023」@ 文京シビックホール23.9.29

文京シビックホールデビュー10周年を迎えた、挾間美帆率いるジャズ室内楽団「m_unit」。5年ぶりの新譜「Beyond Orbits」の発売記念ツアーの東京公演を観に、文京シビックホールに行ってきた。

m_unitのメンバーは、指揮者の挾間美帆
弦楽四重奏のマレー飛鳥(vn)、 沖増菜摘(vn)、 吉田篤貴(va)、 島津由美(vc
ホーンセクションの副田整歩(as) 、 庵原良司(ts)、 竹村直哉(bs)、 真砂陽地(tp)、林 育宏(hrn
そして、鍵盤とリズム隊の香取良彦(vib)、佐藤浩一(p), 須川崇志(b), 伊吹文裕(ds

演奏は、新作「Beyond Orbits」の収録曲が中心。アルバム1曲目の「Abeam」からスタートし、「Portrait of Guess」、旧作から「月ヲ見テ君ヲ想フ」、「Time River」。そして、再び「Beyond Orbits」から「From Life Comes Beauty」。13人の大編成だが、いわゆるビッグ・バンドとは違う。それぞれのソリストのプレイが尖りまくっているのに、合わせるところになると、気持ち良くバシッとタイミングが揃う、独特のカッコ良さだと思う。ここで、第一部終了で休憩が入る。

第二部。「Beyond Orbits」から「A Monk in Ascending and Descending」、そして、「Exoplanet Suite:「Elliptical Orbit」~「Three Sunlights」~「Planet Nine」」。この、宇宙をタイトルにした「エクソプラネット組曲」の曲紹介では、挾間美帆が意外なほど熱く、宇宙について語る。こんなところに、矢野顕子との共通点が!(因みに、東京生まれで、幼少期を青森で過ごしたこともあり、現在はニューヨーク在住というのも同じ)。それにしても、この組曲、カッコ良し。なお、本編で演奏した曲は、全て、挾間美帆のオリジナルである。

アンコールは、新作中、唯一のカヴァー曲。EW&Fの演奏でもお馴染みの「Canʼt Hide Love」。メンバー全員に見せ場があり、最後は賑やかで楽しい怒濤の展開。これで全編終了。

2019年にブルーノート東京で初めて観て以来、機会があれば必ずライヴ参戦するミュージシャンになった挾間美帆。つくづく才人だと感心するのである。


”My Name Is Alfred Hitchcock”23.9.30

サスペンス映画の巨匠、Hitchcock監督の演出の裏側を紐解く映画を観てきた。邦題は「ヒッチコックの映画術」。

彼の演出に秘められた思いと工夫を、本人が語り明かすという趣向。映像には、過去のHitchcock自身の姿が用いられ、彼の声で解説が語られ、監督作品からたっぷりと名シーンの数々が引用される。映画は6章仕立てになっていて、それぞれ、「逃避 Escape」、「欲望 Desire」、「孤独 Loneliness」、「時間 Time」、「充実 Fulfillment」、「高さ Height」と、タイトルが付けられている。ありがちなヒッチコック評論とは、ちょっと視点をずらした論点が特徴だ。

私は、彼の監督作は、もっぱら「XX洋画劇場」などTVで観てきた。映画館で観た記憶は無い。が、代表作と言われる物はかなりの本数を観ていると思うし、彼がプロデュースしたTVシリーズ「ヒッチコック劇場」も記憶している(そのせいで、彼の声は熊倉一雄のイメージが強い)。なので、この映画もなかなか面白く観ることができた。Hitchcockの演出に隠された徹底した計算には、驚くばかりだ。

ただ、この映画の肝は、終盤に「この映画の語りは、本人では無く、Alistair McGowanによるもの」と明かされるところだ。まぁ、当たり前だが、1980年に亡くなったHitchcockが、今、このような語りを収録できるはずはなく、声色を真似た他人が語っていた訳だ。とすると、どこまでが真実なのか、急に曖昧になってくる。もちろん、この映画の監督は、超絶映画マニアで有名な(これまでに、16,000本以上の映画を観てきたらしい)Mark Cousinsなので、的外れの考察は無いはずだ。それでも、Alfred Hitchcock自身(の、そっくりの声)が、「映画監督は観客を騙すペテン師」と言い切っているのである。果たして、この映画で語られたことがどこまで真実なのか?

映画好きには、とても興味深い題材であると同時に、ちょっとした叙述ミステリーを読んだような趣のある作品だった。



献血前に体重を申告するのですが、以前は自己申告だったのが、(私が行く機会が多い献血センターでは)その場で体重計に乗ることが要求されるようになりました。自己申告だと色々誤魔化しちゃう人が多かったのですかね。