IN/OUT (2023.6.4) |
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この二週間ほど、身体のあちこちにガタが来てました。テレワークの定着で、平日の昼間でも医者に行く時間を確保しやすくなった有り難みを実感。 最近のIN「TOPコレクション セレンディピティ 日常のなかの予期せぬ素敵な発見」@東京都写真美術館 (23.6.3)東京都写真美術館の約3万7千点に及ぶ収蔵作品の中から、「セレンディピティ」をキーワードにした展覧会を観てきた。 「セレンディピティ」とは「偶然と才気によって、予期しない発見をすること」という意味(「セレンディップの三人の王子」というペルシアのおとぎ話が由来)だそうだ。この展覧会は、ありふれた日常の何気ない一瞬を撮影した作品などを見ていきながら、写真家たちに訪れたささやかな心の機微を探る。という趣向。 もちろん、中には凝った構図や印象的な効果を付加した作品もあるが、確かに、多くは「ありふれた日常の何気ない一瞬」だ。例えば、左の写真のように。しかし、作品の選択や並べ方で、そこはかとない趣が立ち上がってくるのが面白いところだ。 奈良美智によるスナップ写真は、彼の作品好きにとっては、それだけで眼福。 強烈な印象を残す作品は無いが、居心地の良い展示空間で、満足度高し。 同時に開催されている「深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ」も観賞したのだが、こちらは対照的に、作家性が極めて強い作品群だ。恋人や妻や家族、そして自分自身とその内なる狂気をフィルムに焼き付けた、「私小説」ならぬ「私写真」。芸術性が高いのは分かるが、観賞するのはしんどい。私には、押しつけがましくない、セレンディピティを感じさせる写真の方が合っているようだ。 「木住野佳子トリオ with ストリングス」@ブルーノート東京 (23.6.3)ジャズ・ピアニスト 木住野佳子が、トリオ with ストリングス・カルテットで行う公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。 これまで木住野佳子のライヴを観たことは無かったが、上原ひろみ ザ・ピアノクインテットに衝撃を受けて以来、ジャズ系ミュージシャンと弦楽四重奏の組み合わせに興味津々なのである。 木住野佳子トリオのメンバーは、早川哲也(ベース)、加納樹麻(ドラムス)。ここに、桐山なぎさ(ヴァイオリン)、藤家泉子(ヴァイオリン)、高嶋麻由(ヴィオラ)、笠原あやの(チェロ)による弦楽四重奏が加わる。 ステージの中央のピアノを挟んで、向かって右にベースとドラムス。左に弦楽四重奏という布陣。演奏は、木住野佳子のオリジナル作「マンハッタン・デイライト」からスタート。彼女のパブリック・イメージ通り、端正でクールな演奏だ。 新作も含むオリジナル作を中心に、Bill Evansの「Waltz for Debby」なども交え、演奏が続く。弦楽四重奏とピアノ・トリオの絡みも、極めて自然。アップテンポな曲でも、どこか涼しげだ。 Piazzollaの「Libertango」、そして、彼女自身の作品「極楽鳥」で、楽しく本編終了。アンコールはベースとドラムス抜きで、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」から「メインテーマ ~ 愛のテーマ」をしっとりと。これで全編終了。 どこまでも端正な演奏で、若干の物足りなさも感じたが、台風一過の晴天の昼下がりには、ぴったりだった。 身体の不調に呼応したのか、スマートウォッチとスマートフォンが接続出来ない状態になってしまいました。原因は不明。初期化すれば復活するかもしれないけれど、登録してあるSuicaのことなど考えると、中々踏み切れず。諸々、頭が痛い、今日この頃です。 |