IN/OUT (2022.11.20)

Elon MuskがTwitter社を引っかき回しているのが話題になっています。私は、Twitterは見るだけで自ら投稿はしていないので、高みの見物という感じですが、自分が社員だったらと思うと、ぞっとします。それにしても、やることが極端。さすがに、買収したばかりのTwitter社を潰すようなことはしないとは思いますが、これぐらい癖が強く、行動力・突破力がある人だからこそ、億万長者になったのでしょうね。


in最近のIN

"The Menu"22.11.19

孤島の超高級レストランを舞台にした、一風変わった映画を観てきた。

1人当たりのお値段、1,250ドルというこのレストランを訪れた11人の客。いかにも金持ち風の夫婦、IT企業の成金若者、落ち目の映画スターと付き人、料理評論家と腰巾着の編集者。そんな中、やたらと料理に関する蘊蓄を語る男性と共に訪れたのが、唯一、庶民派の真っ当な感性を持っているっぽいヒロイン。演じるのはAnya Taylor-Joy。その存在感で我々観客の目を釘付けにする彼女に対峙するのは、料理人というよりは、異端の宗教の司祭であるかのように振る舞うシェフ。演じるのはRalph Fiennes。

出てくる料理も、エキセントリックだ。例えば、パンに塗るべきスプレッドをパン抜きで出す一皿(シェフは、古来、庶民の食べ物だったパンを、富裕層の皆さんにはお出しできない、という理屈を滔々と語る)。そして、それを有り難がって賞味する客達。彼らは、美食を楽しむのでは無く、美食を理解し賞賛しているように振る舞う自分自身に酔っているスノッブだ。

物語が進むにつれ、シェフの異常性と、グルメぶる客達の浅はかさが露わになる。島全体が狂気に支配される中、実はxxxだったAnya Taylor-Joyの選択は…。ということで、後半の展開は、かなりブラックかつ荒唐無稽になってくる。もはや、新興宗教の教祖のようなシェフに、Ralph Fiennesは正にハマり役。

物語の骨子はホラー映画と言っても良いと思うが、本質的には、グルメを自称するスノッブを徹底的にこき下ろすブラックなコメディとも言えそうな、一筋縄では行かない映画だ。


「SKYE & FRIENDS ~僕たちとシティ・ポップ~」 @ 長野市芸術館22.11.20

長野市芸術館レジェンド級ミュージシャンが集結したバンド SKYEがゲストを迎えて開催するコンサートを観に、長野市芸術館に行ってきた。

7月に行われたSKYEのライヴがとても良かったので、その日に勢いで予約してしまったのだ。後から冷静に考えれば、流石に長野までで遠征するのは如何なものか、という気もするが、出演が、SKYEの4人=鈴木茂、小原礼、林立夫、松任谷正隆に、サポートのホーン・セクション女子=市原ひかり、小林香織、駒野逸美。そして、ゲストが尾崎亜美、ブレッド&バター、南佳孝。これだけのメンバーが揃えば、遠征の価値はあるだろう。というか、無ければ困る。

17時開演。まずは、FRIENDSの部。ブレッド&バターの二人が登場。Stevie Wonderの「Happier Than The Morning Sun」。兄弟ヂュオの兄、岩沢幸矢は79歳。弟、岩沢二弓は73歳。この後登場するメンバーから、幸矢の年齢は散々いじられることになるが(Biden大統領と一つ違いだの、Mick Jaggerと同い年だの…)、元祖・湘南サウンドは色褪せず、というハーモニーだ。

続いて尾崎亜美も登場し、3人でブレッド&バターの「あの頃のまま」を演奏。ブレッド&バターが退場し、尾崎亜美がソロで「My Song for You」と「メッセージ ~ It's always in me~」。

今度は南佳孝がジョインし「Midnight Love Call」。南佳孝のギター&ヴォーカルに絡む尾崎亜美のエレピ。まさにシティポップだ。そして、尾崎亜美が退場し、南佳孝一人で「涙のステラ」。

南佳孝が退場し、ここからが、SKYEの部。SKYEの4人とホーン・セクション女子が登場し「Less Is More」、「Dear M」、「Daydream」、「ちぎれ雲」。さらに、本当は、このライヴにも出演予定だっったという小坂忠(今年 4月に逝去)に捧げるとのMC付きで「 川辺にて」。この部のラストは「マイミステイク」。やはり、彼らの演奏は盤石の安定感だし、バンドとしても着実に進化していると感じさせるパフォーマンスだ。特に、松任谷正隆のヴォーカルは、随分と上達したような気がする。

そして、SKYE & FRIENDSの部。まずは、ブレッド&バターが再登場し、SKYEをバックに「SHONAN GIRL」と「MONDAY MORNING」。ちゃんとしたヴォーカリストを立てて、バックに回ると、SKYEの演奏力の凄さが、さらに引き立つ。次は、SKYE & 尾崎亜美。「オリビアを聴きながら」。この曲をバンドをバックに演るのは珍しいと思うが、特に小林香織のサックスが効果的で、実に贅沢なサウンドだ。さらにもう一曲「マイ ピュア レディ」。つくづく、ホーンセクション付きの上手いバンドは最高だ(個人的には、このメンバーで「春の予感」も聴きたかったところだが)。そして、SKYE & 南佳孝。「日付変更線」と「スローなブギにしてくれ」。彼の『ウォンチュー』は、もはや伝統芸だ。まさに、唯一無二のヴォーカリスト。演奏のラストにジャンプして、着地でひっくり返るパフォーマンス付き

最後は、3組のFRIENDSが全員登場し、SKYEの「ISOLATION」で本編終了。演奏中、尾崎亜美はノリノリの振り付けで踊っていたのだが、良く見ていると、SKYEの曲に不慣れな他のゲストへのキューを出す役割も担って踊っているようだ。素晴らしい気遣い。尾崎亜美と小原礼、本当に息の合った夫婦だと思う。

アンコールも、全員が登場し、尾崎亜美メインで「天使のウィンク」。続いて、南佳孝と鈴木茂メインで「ソバカスのある少女」。ブレッド&バター メインで「ピンク・シャドウ」(山下達郎のヴァージョンが有名だが、オリジナルはブレッド&バター)。最後にSKYEの「Always」で全編終了。アンコールが、それぞれの代表曲 4曲という大盤振る舞い。ただ、メインがSKYEだから仕方は無いとは思うが、会場総立ちの鉄板曲「天使のウィンク」を最後に持ってきても良かったような気もする。

いずれにしても、ベテランの底力を見せつけてくれたライヴだった。ホーンセクションの女性陣を除いて、全員が高齢者なので、MCの喋りが、ことごとくグダグダだったが、それもまたご愛敬。遠征の価値、十分であった。



Twitterだけでなく、Facebookなどでも、最近の不満は、表示されるタイムラインが投稿順では無く、運営者側のロジックによる並べ替えがデフォルトになっていること。いかに効率的に(強引に)閲覧者を広告に誘導するかばかりを考えているプラットフォームだと感じます。しかも、その広告が、多くの場合、煽情的だったり下品だったり…。広告収入を当てにした無料サービスのおかげで便利になった事が多いのは認めざるを得ませんが、引き換えにしている事も大きいと思う、今日この頃です。