IN/OUT (2022.2.20)

昨秋、新調したスマートフォン、Google Pixel 6 pro。使い始めは順調だったものの、システム・アップデートの度に、不具合が生じるようになり、ついに2月のアップデート導入後、Wi-Fi接続が出来ないという致命的な問題発生。この問題については、個体ごとに当たり外れがあるみたいですが、私のは見事に当たり(ん、外れというべきか)。Androidの本家が、この体たらくは困りものです。


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「ユージーン・スタジオ 新しい海」@東京都現代美術館22.2.19

東京都現代美術館ユージン・スタジオの個展を観に、東京都現代美術館に行ってきた。

ユージン・スタジオは、寒川裕人(Eugene Kangawa)によるスタジオ名。彼は現在32歳。東京都現代美術館では、過去最年少かつ平成生まれの作家として初めての個展となるそうだ。

東京都現代美術館私の目当ては、「海底」。東京都現代美術館の大きな吹き抜け空間一面に水を張ったインスタレーションが展示されていると聞いて興味津々だったのだ。何度か訪れたことのある空間が一変している非現実感の衝撃は予想以上。鏡で囲むことにより、空間がさらに広く感じられ、観客の姿が対岸にいる人のように見えるのも効果的。この空間は、天井から光が差し込むようになっているので、時間の経過と共に見え方が変わるのも楽しそうだと思うのだが、訪れた日は雨天だったのが残念。それにしても、ここを水浸しにすることを許可した東京都現代美術館の胆力も大したものだ。

東京都現代美術館他にも、天井から金箔と銀箔の粒子が降り続ける「ゴールドレイン」(これは、混雑回避のため、写真撮影不可)など、興味深いインスタレーションがある一方で、技巧を凝らした平面の作品も印象的だ。ただ、世界の様々な都市で、多い場合は100名の人に声をかけ、カンヴァスに接吻してもらったという「ホワイトペインティング シリーズ」(見た目は、ただの真っ白なカンヴァスだ)のようなコンセプト重視の作品は、あまり好きになれなかった。

東京都現代美術館予想以上に見応えのある展覧会だったが、個人的に最もグッときたのが「善悪の荒野」。私のオール・タイム・ベスト映画 ”2001: A Space Odyssey”に触発された作品だ。Bowman船長が"star child"へと進化を遂げるために用意されたあの部屋を原寸大で再現し、豪華な調度品を破壊し焼き払ったオブジェとして配置した作品。作品解説には、そこに込められた作者の意図が記されていたが、私は、この見た目のインパクトだけでお腹一杯だ。


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寺井尚子カルテット "The Precious Night 2022" at ブルーノート東京22.2.20

ブルーノート東京ジャズ・ヴァイオリニスト 寺井尚子の公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。

カルテットのメンバーは、北島直樹(ピアノ)、仲石裕介(ベース)、荒山諒(ドラムス)。まずは、ご陽気に "Manbo No.5"から始まるラテン・メドレー。”The Precious Night”と銘打たれた公演は、2020年に二度観ているが、選曲はかなり変えてきている(演者では、ベース奏者が代わっている)。北島直樹のオリジナル作、寺井尚子自身による ”Thinking of You”、Piazzollaの「ブエノスアイレスの冬」等々。いずれも、息の合ったジャズ・アレンジが楽しい。

とは言え、やはり、一番の楽しみは、2020年のセットリストにも入っていたChick Coreaの”Spain”。もちろん、ピアノによる”Spain”も、清水ミチコによる歌詞付きの”Spain”も大好きなのだが、寺井尚子の華のあるヴァイオリン・アレンジは、実に心地よく盛り上がる。演奏のラスト、弓を高く掲げて見得を切る寺井尚子、何度観ても、カッコ良し。



やはり、Samsung Galaxy Sシリーズを使い続けた方が良かったかという後悔は封じ込め、もうしばらくは、毒を食らわば皿まで。次のシステム・アップデートの配信を待とうと思う、今日この頃です。