スマートフォンを新調して以来、デジタル・ガジェットに対する物欲が高まる今日この頃、最も驚き、かつ、その実用性に驚いたのは、Aukey製のUSB Power Delivery対応AC充電器。ノートPCにも対応する大容量でありながら、小さい。超小さい。出張が多かった時期にこれがあれば良かったのにと、つくづく思うと同時に、この手の商品は、性能・デザイン・価格に関しては完全に中国メーカーの独壇場になったとも実感します。
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弦楽四重奏楽団、モルゴーア・クァルテットの公演を観に、ヨコスカ・ベイサイド・ポケット(横須賀芸術劇場・小劇場)に行ってきた。
彼らは、1992年にショスタコーヴィチの作品を演奏するために結成された楽団で、以下の一流どころ4名で構成されている。
- 第1ヴァイオリン:荒井英治(元東京フィルハーモニー交響楽団ソロ・コンサートマスター)
- 第2ヴァイオリン:戸澤哲夫(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団コンサートマスター)
- ヴィオラ:小野富士(元NHK交響楽団次席ヴィオラ奏者)
- チェロ:藤森亮一(NHK交響楽団首席チェロ奏者)
この中の、荒井英治がプログレッシブ・ロック・ファンで、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲だけでなく、プログレッシヴ・ロックの作品も積極的に取り上げているのである。その噂は以前から聞いていて興味はあったのだが、私がライヴを観るのは今回が初めてだ。
クラシックの演奏会らしく、会場で配られる小冊子に本日の演奏曲目が記載されているのだが、そこに「『恐怖の頭脳改革』より」という文字が並ぶのは楽しい。
第一部スタート。まずは、ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第4番 ニ長調 Op.83。そして、グレツキ:弦楽四重奏曲 第1番 「すでに日は暮れて」 Op.62。繊細な響きの1曲目と不穏な緊張感も漂う2曲目。演奏技量の高さは私でも分かるのだが、20世紀の作曲家の作品は、門外漢には、なかなか難しい。
20分間の休憩後、第二部。まずは、荒井英治のMC。「皆さん、東京国際フォーラムが気になるでしょう」。今日から始まるKing Crimsonの来日公演をネタに笑いを取る。観客のリアクションを見る限り、ここに集っている人の1/3ぐらいは、明日は国際フォーラムだな(私もだ!)。会場全体に漂うプログレ愛。
そして、いよいよ、お目当ての荒井英治編曲によるEmerson, Lake & Palmerの作品が演奏される。まずは「Jerusalem」。元々が英国の賛美歌なので、当然ながら弦楽と相性良し。
続いて「Still...You Turn Me On」。サティの「ジムノペディ」を大胆に引用したアレンジが、Greg Lakeの特徴である叙情性を際立たせる、憎い編曲だ。
そして、最後に大曲「Tarkus」。圧巻。プログレッシブ・ロックに関する深い造詣と、クラシック音楽家としての実力が組み合わさった見事なアレンジ、そして馬鹿テク炸裂の演奏。結果、原曲の素晴らしさも改めて認識することになる。
アンコールに、やはりEL&Pの「Take A Pebble」で、全編終了。ロックを弦楽四重奏で、というコンセプトだけ訊くと、スーパーマーケットのBGM的な安っぽいものを連想しがちだが、そんな物とは根本的に違う、ガチのクラシック・ミーツ・プログレ、という凄い演奏だった。
King Crimsonの来日公演を観に、東京国際フォーラムに行ってきた。
素晴らしいクオリティだった2018年の公演から3年ぶりの来日。コロナ禍が収まりつつあるとは言え、いまだに入国後の隔離などが必要なこの時期に、ツアーを敢行してくれたことだけでも嬉しい。しかも、これが最後の来日公演という噂もある。見逃すわけには行かないのである。
それにしても、プログレッシブ・ロック・バンドの中でも、突出して先鋭的で、時代によって大胆にスタイルを替え、その度にファンを切り捨てて来た印象のKing Crimsonだが、今回のツアー・タイトルは「Music Is Our Friend」。なんとも、ほのぼのしたタイトル。Fripp卿、歳を重ねてすっかり丸くなったのか?
今回の来日メンバーは
- Robert Fripp (guitar)
- Jakko Jakszyk( guitar, vocals)
- Mel Collins(saxes, flute)
- Tony Levin(basses, stick, backing vocals)
- Pat Mastelotto(acoustic and electronic percussion)
- Gavin Harrison(acoustic and electronic percussion)
- Jeremy Stacey(acoustic and electronic percussion, keyboard)
ステージ上は、前列にトリプル・ドラムが並び、Fripp卿は後方右隅に座るという前回と同じフォーメーション。「撮影・録音は禁止です。ただし、演奏終了後、ベーシストのTony Levinがカメラを取り出したら、その間のみ、撮影OKです」という場内アナウンスも、お馴染みのパターンだ。
演奏が始まる。まずは、トリプル・ドラムでたっぷりと場を温めた後、「Neurotica」。そして、我が魂の名曲「Red」。さらに「Epitaph」「One More Nightmare」という大好物の連べ打ちに、早くもノックアウトされそうになる。Jakkoのヴォーカルも悪くは無いのだが、LakeやWettonのような色気がないかなと思うのは、欲張りすぎだろう。
昨日は「Part One」を演ったという「Larks' Tongues in Aspic」、本日は「Part Two」。そして、まさかの「Moonchild」に感涙。その後、「Radical Action II」「Level Five」で第一部終了。
第二部も、まずはトリプル・ドラムをたっぷり聴かせ、「The ConstruKction of Light」、第一部でも演った「PEACE - AN END」を挟んで「Pictures of a City」「Islands」。そして、「The Court of Crimson King」。やはり名曲。そして、本編最後は「Indiscipline」。エンディングで"I like it!"と叫ぶところを、「いいね!」で締めるサービス。
アンコールは「Starless」。やっぱり、凄い曲だ。昨日のアンコールは「21st Century Schizoid Man」だったらしいので、これも聴きたかったところではあるが、今日は、我が魂の名盤「Red」の収録曲を3曲も演奏してくれたのだから、このセットリストで文句なしである。
演奏が終わり、Tonyがカメラを取り出して、会場全員で撮影タイム。これで、私のKing Crimsonライヴ参戦は終了だ。この後もツアーは続くのだが、都合が付かず。毎回、セットリストを変えてくるし(その日の朝食の席で、Fripp卿が決めるらしい)、何より、これが本当に最後の来日公演だと思うと、あと数回は参戦したかったところだ。残念至極ではあるが、超ハイレベルのライヴを堪能したのだから、良しとしよう。
一方で、すっかり稼働機会が減ってしまったマイクロ・フォーサーズの交換レンズ一式をMapカメラに持ち込みました。撮影後のレタッチ耐性は、圧倒的にミラーレス機の方が優れていて、スマートフォンで撮影したRAW画像は、いじっていてもあまり面白くないことも実感するのですが、それよりも、撮って出しの楽さに流されてしまいました。
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