IN/OUT (2021.3.21) |
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緊急事態宣言の解除が決まり、一足早く、土曜日の街は結構な人出でした。まぁ、私もその中の一人だった訳ですが… 最近のIN「写真家ドアノー/音楽/パリ」@Bunkamura ザ・ミュージアム (21.3.20)フランスの国民的写真家と呼ばれる Robert Doisneau(1912年 - 1994年)の個展を観に、Bunkamura ザ・ミュージアムに行ってきた。 パリの日常を切り取った多くの作品を残した写真家だが、特にミュージシャンの姿を捉えた写真が彼の特徴と言えるだろう。Juliette Gréco、Maria Callas、Yves Montandと言った錚々たるミュージシャンを写した作品も並ぶが、それよりも、1940年代・50年代のパリの街角で演奏する流しのミュージシャンを収めた写真の数々が(特に、アコーディオン弾きの女性の美貌ぶりも含め)印象的だ。まさに、我々がイメージする音楽と文化の都 パリ。以前、この美術館で観たSaul Leiterによるニューヨークの写真と好対照という感じだ。 音楽とパリと言うと、いかにもお洒落写真のようだが、過度に芸術性に拘ること無く、Maurice Baquetとチェロを主題に撮影した(良い意味の)馬鹿馬鹿しさに溢れた連作のような作品も残しているところも憎い。さらに、シャンソンの大物ばかりではなく、キャリアの後半になってもLes Rita Mitsouko(懐かしい!)のような若手にも積極的に関わっている姿もカッコ良し。 展示方法も手堅くまとまった、良い写真展だった。 日本写真家協会創立70周年記念 「日本の現代写真1985-2015」@東京都写真美術館 (21.3.20)Robert Doisneauの代表作と言えば「パリ市庁舎前のキス」。しかし、この作品はBunkamuraでの展覧会には出展されていない。そして、この作品が壁面に大きく描かれているのが、東京都写真美術館である。Bunkamuraを訪れた後、足を伸ばしてきた。 地下の展示室では日本写真家協会設立70周年の節目の写真展が開かれていた。1985年から2015年の30年間を総括する企画である。因みに、これまで「日本写真史1840-1945」、「日本現代写真史1945-1970」、「日本現代写真史1945-95」が刊行されていて、4冊目の写真史として編纂されたものということだ。 有名写真家の作品が一堂に会する豪華な写真展だが、一人一作品ずつ、ずらっと並んでいるので、展覧会の統一感というより、カタログ展のような趣きだ。それほど詳しい訳では無い私でも名前を知っている写真家が結構いるが、いかにも、その人らしい作品を選んでいる場合もあれば、え、これなの、という意外性があるチョイスの人もいる。そんな中、印象的だったのを選ぶと、米田知子、鋤田正義、岩合光昭の三氏かな。 久しぶりに訪れたが、恵比寿ガーデンプレイスという好立地にありながら、イマイチ目立たず、勿体無い美術館という気がする。カフェやミュージアム・ショップも、もう少し商売っ気をだして良いのでは無いだろうか。 日曜日は一転、春の嵐。浮かれてるんじゃ無い、という天の配剤か。 |