IN/OUT (2018.9.16) |
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シルバーウィークと呼ばれることもある9月の祝日シーズンとなりました。ただし、今年の場合は、大型連休という感じではなく、2週続けて月曜が休みになるというパターン。自分の業務的には、あまり有り難くない… 最近のIN"Christopher Robin" (18.9.15)「くまのプーさん」のその後を描いた実写映画を観てきた。邦題は「プーと大人になった僕」 原作では少年だったChristopher Robinは、この映画では40代。演じるのは Ewan McGregor。ぬいぐるみ達と別れた後、寄宿学校に入り、結婚、戦争を経て、今では仕事に忙殺される中年男性だ。そんな彼の元に、「100エーカーの森」からPoohがやってくる。 ディズニー・アニメでも有名な「プーさん」だが、私は、その絵柄があまり好きでない。圧倒的に、原作のE. H. Shepardの絵の方が好きだ。この映画は、Disneyの製作ではあるが、Poohを始め、登場するキャラクターの造形は、アニメ寄りではなく、E. H. Shepardの絵柄を尊重しているようみ見えるのが嬉しい。また、映画の中に出てくるエピソードも、「プー棒投げ」や、Heffalump(石井桃子による訳では「ゾゾ」、ディズニーアニメだと「ズオウ」。この映画での字幕も「ズオウ」)を捕まえるための落とし穴、そのHeffalumpに間違われるChristopher Robin、川に流されるEeyore、倒壊したOwlの家など、原作へのオマージュが詰まっているようで、製作陣の良心を感じる。 ただ、内容については、事前の期待が高かった分、正直、ガッカリした。あり得ないほどご都合主義の展開は、まあ、こういう映画なんだから気にしないが、会社人間になった主人公が子供時代の気持ちを取り戻し、本当に大切なものに気づくという、誰でも思いつきそうな主題を、何の捻りもなしに展開し、しかも、その描き方が浅い。とんでもなく浅いのだ。同じように、児童文学を実写化した"Peter Rabbit"が、ブラックな笑いを込めた快作に仕上がっていたのと比べると、どうにも見劣りしてしまう。 とはいえ、PoohやPigletやTigger達が自然に動く姿を観るだけで、グッときてしまうのは、やはり原作の力だな。 会社人間になってしまったと妻子から非難されるChristopher Robinですが、従業員の解雇まで視野に入った経営再建策を託されたのだったら、その期間は全てをなげうってでも仕事の方に集中しろよ、と思ってしまうのは、昭和的な考えですかね? |