IN/OUT (2016.9.25) |
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シン・ゴジラ、6回目をMX4Dにて鑑賞。いわゆる「4D」系の劇場は、今回のTOHOシネマズが初めてでした。座席が揺れ、水しぶきがかかり、なるほど、アトラクションとしては面白い。6回目の鑑賞ともなると、さすがに、次にどのようなシーンが来るのか、十分、分かっているので、急な揺れにもビビらずに済む。これが、初見のホラー映画だったら、相当怖いだろう。ただし、映画の内容には全く集中できないので、じっくり観たい映画には適さないというのが、正直な感想ではあります。 最近のIN"QUEEN + Adam Lambert" @ 日本武道館 (16.9.21)Adam Lambertをヴォーカリストに迎えたQUEENの公演を観に、日本武道館へ行ってきた。Freddie Mercuryが亡くなり、John Deaconが音楽業界から身を引いた今も、Brian MayとRoger Taylorの二人で活動を続けるQUEEN。最大の問題は、誰をFreddieの代わりのヴォーカリストに据えるかだ。今回は、サマーソニック 2014と同じく、American Idol出身のAdam Lambertを迎えた布陣での武道館公演である。デビュー当時、日本での人気が先行(当時、雑誌「MUSIC LIFE」が猛プッシュしてたなぁ)する中、1975年に初来日公演を行った舞台でもある。 先行抽選に外れまくった末、ようやくゲットした席は、ステージ真横の二階席上段。本当に真横に位置する場所だが、アリーナに設けられた花道で演奏することも多く、また、二階席後方でもステージまでの距離が近い武道館なので、メンバーの姿を目視するのに問題なし。ただ、ステージ後ろに設置された円形のスクリーンに、色々と演出された映像が映るのが、ほとんど見えないことが残念。 19時15分頃、"Seven Seas of Rhye"から演奏開始。どこを取っても、名曲・ヒット曲の連発の鉄板セットリスト。Brian May、Roger Taylor、Adam Lambertのパフォーマンスも素晴らしい。つくづく、モンスター・バンドだと実感する。 Brian Mayのソロ・コーナーでは、最近のお約束、セルフィー棒を使っての観客をバックにした自撮りの後、"Love of My Life"と"Teo Torriatte"の二曲を、会場と大合唱。分かっていても、良い演出だと思う。さらに、Brianは、後半にもたっぷりとギター・ソロを披露するパートがあったのだが、ノイズ・ミュージックのような音をこねくり回したり、一転、津軽三味線のような奏法を見せたり、変幻自在。まさに、彼で無くては出来ないギター・テクニックを見せつけてくれた。自然体でカッコ良く、演奏技量は衰え無し。最近では天文学者としても話題を提供。この人、良い年の取り方しているよなぁ。 中盤で、最もグッときたのは、Roger TaylorがDavid Bowieのパートを担当した"Under Pressure"。2014年のサマソニでも観たが、やはり、今年は、この曲が沁みる。BowieもFreddiも不在なんだ… 終盤は、"Tie Your Mother Down"、"I Want to Break Free"、"I Was Born to Love You"、"Bohemian Rhapsody"、"Radio GAGA"のつるべ打ち。時折、Freddieの映像を効果的に用いるところも憎い(私の席からは、あまり見えなかったが…)。"Bohemian Rhapsody"の時には、当時を思わせるマント付きの衣装を身につけたBrianが、"Radio GAGA"では一転、"Flash"のロゴ付きTシャツに着替えたのには笑った(さすがに、"Flash Gordon"のサントラからは演奏されなかったが…)。 アンコール。Brianは「東京」のロゴ付きTシャツに着替えている…。演奏するのは、当然、"We Will Rock You"と"We Are the Champions"の、ド鉄板曲。これで全て終了。 ということで、主にBrian Mayの姿を見て、スーパー・ヒット曲の数々を聴くだけで、お腹一杯のコンサートだったが、Adam Lambertの存在感も見事だった。Freddie Mercuryへのリスペクトも感じさせつつ、単なる物真似ではなく、独自性を出しているパフォーマンスには好感が持てる。ちょっとした身振りや話し方に、Freddieよりも高めのオネエ成分が溢れ出すのも楽しい。Freddieが生きていたら、今年で70歳。どんなパフォーマンスを見せてくれたのだろうと妄想したくもなるが、恐らく、会場中のファンがそう思っている中でパフォーマンスをやり切ったAdamも、十分に素晴らしかった。 "Sully" (16.9.24)Clint Eastwood監督の新作を観てきた。2009年に起こったUSエアウェイズ 1549便の事故を描いた作品。タイトルは機長の名前。邦題は「ハドソン川の奇跡」。機長が超有名人となった米国とは違い、「サリー」だと女性の名前という印象も強い日本では、やむを得ない邦題だとは理解するが、この映画は、決して、事故を描いたドキュメンタリー・タッチではない。機長の人間性に焦点を当てたドラマで、敢えて、主人公の名前だけのシンプルなタイトルにした製作陣の意図を大切にしてもらいたかったとも思う。 ニューヨーク、ラガーディア空港を離陸して間もなく、鳥との衝突によりエンジンが二つとも停止という異常事態が発生するも、市街地のビルに激突することなく機体をコントロールしつつ、機長のとっさの判断で、ハドソン川に緊急着水。乗客・乗員 155名、全員を無事に脱出させた、まさに奇跡的な出来事だったのだが、映画の焦点は、むしろ事故後に当てられる。ハドソン川に緊急着水するという機長の判断が正しかったのか? 実際には、近くの空港まで飛行を続けることが可能で、機長の判断は乗客を不要な危機にさらしたのではないか?事故調査委員会が向ける疑惑の目に、機長は心理的に追い詰められていく。 機長を支えるのは、40年のパイロット経験に裏付けられた自信と、高いプロフェッショナル意識だ。時系列を入り組ませたストーリーの中で、その背景を浮き彫りにするEastwoodの演出が冴える。人間ドラマを掘り下げる一方で、飛行シーンでは、アクション&エンターテインメントの達人としても見所をきちんと用意。さらに、音楽(Tierney Sutton Bandが、渋い演奏を聴かせる)でも、テーマ曲の作曲者としてクレジットされている。撮影に当たっては、新型のIMAX用カメラを用いるなど、新技術の導入にも積極的。Eastwood、御年 86歳。まさに超人だ。 機長役のTom Hanks、副操縦士役のAaron Eckhart、ともに、抑制の効いた演技が効果的。Eastwood監督の演出と相まって、ラストの事故調査委員会が結論を出すシーンでは、機長=Sullyのプロ意識に胸を打たれ、熱いものがこみ上げてくる。 さらに、4D上映のもう一つの方式、4DXも試してみようと、7回目のシン・ゴジラを、ユナイテッド・シネマにて鑑賞。こちらの方が、座席の動き、特に左右の振れを大きく感じます。風の効果、香りの効果も、4DXの方が派手かな。 いずれにせよ、4D上映って、映画製作者の意思ではない効果を劇場側が勝手に加えているという違和感が、拭えませんでした。撮影時点から、その効果を計算している3DやIMAXとは決定的に違うし、劇場側の努力で音響効果を最大限引き出そうとする爆音上映とは「志」が違う気がします。今後、4Dで鑑賞することは無いだろうなぁ。 |