IN/OUT (2016.9.4) |
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夏の矢野顕子強化月間に他のイベントも重なり、仕事とのスケジュール調整が色々と苦しくなってきました。まあ、息抜き無しじゃ仕事の効率は落ちるから、と正当化しつつ、イベント参戦率を高めようと画策する今日この頃です。 最近のIN"15th TOKYO JAZZ FESTIVAL" (16.9.4)第15回 東京ジャズ。最終日、夜のホール公演を観に、東京国際フォーラムに行ってきた。 16時過ぎに会場前に到着すると、屋外広場のステージでは、渡辺貞夫と、彼がプロデュースしているパーカッション・グループ「エスコーラ・ジャフロ」が演奏していた。屋外の無料ステージで渡辺貞夫とは、何とも豪華。残暑の野外にピッタリのブラジル風のサウンドだ。テンション上がる。 ホールに入り、まずは、fax capture planのステージ。2011年に結成された、日本の若手ピアノ・トリオ。ロック寄りの、カッコ良い系のサウンド。悪くない。…のだが、ガツンと来る何かを感じるに至らず。こちらの体調もあって、熟睡率 50%ぐらいになってしまった。申し訳なし。 続いて、Kenny Barron Trio with special guest Gretchen Parlato。ジャズ・ピアノの大御所が、自身のトリオに女性ヴォーカリストを招いてのステージだ。前のステージとは、一転。オーソドックスなベテラン・ピアノ・トリオ。ゲストで3曲ほど歌ったGretchen Parlatoとの相性も良い感じ。彼女の歌声も、強烈な個性をアピールするという感じではないので、ピアノ・トリオと相まって、実に大人の雰囲気。そんな中、ドラマーが、かなり太めの体型で、ドラムセットもこぢんまりした物だったので、あまり期待していなかったのだが、アグレッシヴなソロ・プレイを聴かせてくれてビックリ。こちらのステージは、心地よいうたた寝度 40%ぐらいか。 そして、トリは、お目当ての上原ひろみ。元々は、上原ひろみ ザ・トリオプロジェクトとしての出演予定で、私も超期待していたのだが、コントラベース・ギターのAnthony Jacksonと、ドラムスのSimon Phillips、二人ともドクター・ストップがかかるという緊急事態。お二人の快復を祈るばかりだ。そして、この状況で共演者に名乗りを上げたのが、Michel Camilo。なんと、この 1時間弱のギグのためだけに、来日してくれたそうだ。この二人の共演は、二年前の東京ジャズでも観ているが、二人とも大好きなピアニストなので、これはこれで嬉しい。 Michel Camilo。ひろみ嬢の肩に手を回し、ニコニコしながら登場。この状況で呼んでもらったことに、テンションも上がっているのだろうか。1曲目は、Camiloの「Tropical Jam」。例によって、初めは、小声で会話するようなピアノのやり取りから始まり、お互いのテクニックを引き出しつつ、徐々にヒートアップする演奏。一体、どれだけの練習時間が取れたのだろうか? 完璧な息の合い方だ。そして、2曲目「Caravan」。もう、二人の熱量が凄すぎる。3曲目は、しっとりと「Two Much Love Theme」。こういう曲でも、圧倒的なテクニックを繰り出してくる二人。そして、スタンダード「Take The A Train」を超絶アレンジで披露。これは会場全体が大興奮。Camiloも演奏後、ピアノの前を離れ、ひろみ嬢をハグしに行くほどの盛り上がりだった。ラストはひろみ嬢の曲「Dancando No Paraiso」。これまた、凄いテクニックの応酬。全身全霊を叩きつけるかのようなひろみ嬢のプレイに対し、一見、余裕の表情のようで、目にも止まらぬ超速弾きで応えるCamilo。これだけ激しいのに、息はピッタリ。スタンディング・オベーションも当然の演奏だった。 アンコールに応えて「Place To Be」をしっとりと聴かせて、全て終了。もちろん、この部は、私も眠けに襲われる瞬間などなく、覚醒度 120%という感じだ。いやはや、毎回、彼女のステージを観ると思うことだが、今回も、凄い物を見せていただいた。 そして、いよいよ忙しくなり現実逃避の欲求が高まると、シン・ゴジラ、もう一回観に行くかなぁという思いにも襲われるのです。 |