IN/OUT (2016.5.8) |
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特に大きなイベントも無く、ゴールデン・ウィーク終了。ちょっと汗ばむぐらいの陽気で、近くのバラ園は今が満開です。 最近のIN「暮らしの中の愛玩の品々」@頴川美術館 (16.5.3)西宮市の頴川美術館を訪れた。 この美術館は、学生時代、通学の途中にあったのだが、目立たないこじんまりとした佇まいで、宣伝らしい事は何もしていない、どうにも謎の美術館だった。結局、入る機会も無いまま、うん十年。最近、渋谷区立松濤美術館で「頴川美術館の名品」なる展覧会が開催されているのを知り、久しぶりに難読の美術館名(えがわびじゅつかん)を目にした。そこで、連休中、関西に帰省したついでに行ってみることにしたのだ。 2009年以降、近くにある関西学院と連携協力するようになったそうで、以前よりも入りやすい雰囲気になっている。そして、その中は、予想以上に小さな美術館だった。一階には受付と下駄箱(靴を脱いで、スリッパに履き替えるのだ)、ちょっとした読書スペースがあり、展示室は二階に一つだけ。その展示室も、決して広くない。 展示されているのは、円山応挙の屏風画や、茶器などの工芸品など。はっきり言って、地味である。超地味である。観る人が観れば、それなりの品々なのだろうと思うのだが、そっち方面の素養の無い私には、見所を見つけるのが難しい。 ということで、美術館の中に入ったこと自体に達成感を覚えたのだが、それ以上の感動を得るにはいたらず。その代わり、とりあえず、松濤美術館での展覧会の無料招待券をゲット。 「頴川美術館の名品」@松濤美術館 (16.5.7)頴川美術館でもらった招待券を持って、渋谷区立松濤美術館を訪れた。 頴川美術館のコレクションから選りすぐった135点を公開。東京では30年ぶりの公開ということだ。ただ、数日前に、その頴川美術館を訪れ、想像以上の地味さを実感したばかりだったので、あまり期待せずに出かけたのだ。しかし、実際には、予想を覆す、興味深い展示だった。 松濤美術館自体、それほど大きな美術館ではないが、その展示スペースは、頴川美術館に比べると圧倒的に広い。そこに並ぶ屏風、掛け軸、茶器など、質・量ともに、本家の展示を遙かに凌駕するものだった。 目玉は、名碗「無一物」。重要文化財に指定されている長次郎赤楽茶碗で、桃山時代=16世紀の作品。といっても、その良さは、私にはピンとはこないのだが…。むしろ、「雨中桜五匹猿図」など、絵画の方が興味深かった。これまで、日本画をじっくり観る機会は多くなかったが、掛け軸という縦長のフォーマットや、屏風という横長かつ折れ曲がったフォーマットの中で発展してきたことの面白さが、多少なりとも伝わってきたような。 そして、何よりも、あの小さな頴川美術館のバックヤードに、こんなにも多くの名品が保管されていたということに驚いた。と同時に、頴川美術館の現時点の展示を思い返すと、東京向けに大盤振る舞いし過ぎだろう、という気もしてしまった。 |