IN/OUT (2016.1.31)

Diane KeatonとMorgan Freemanが夫婦役で主演した映画を観てきた。邦題は「ニューヨーク　眺めのいい部屋売ります」

ニューヨークのブルックリンのアパートに40年間住んできた夫婦。エレベータがない辛さから、別の所に引っ越すことを考え、これまで住んできたアパートを売り払おうとする。ベースとなるストーリーはこれだけ。邦題が全てを物語っていると言って過言では無い。

不動産エージェントに頼んでオープンハウスを実施。購入希望者からの入札値段が吊り上がるのを待ちながら、次の住まい探しも開始。その一方で、ペットの愛犬が手術を受けることになったり、近所でテロ騒動が起こったりするのだが、それらのサイド・ストーリーは、過剰に盛り上がることはなく、絶妙な加減で本筋に絡んでくる。まだ、白人と黒人との結婚に偏見が強かった時代に結ばれた画家の夫と教師の妻。二人のこれまでの人生を回想するシーンを随所に挿入しながら、静かに物語は進んでいく。

老夫婦に寄り添った小さなドラマが展開するだけではあるが、それを演じるのが存在感抜群のDiane KeatonとMorgan Freemanというところがミソ。相変わらず知的でちょっと気の強そうなDiane Keatonと、最近、とみに好好爺っぷりが高まってきた Morgan Freeman。二人の個性が素敵なアクセントになっている。

上映時間は92分間。愛すべき掌編といった趣の映画だった。