IN/OUT (2013.12.1)

12月になりました。「気がつけば」とか、「あっという間に」という毎年恒例の言葉は使いたくないのだけど、やはり、そういう気分です。


in最近のIN

"The Call"13.12.1

Halle Berryの最新出演作を観てきた。

彼女の役どころは、911のオペレーター。米国の緊急電話番号(日本で言う、110番と119番を合わせたもの。オペレーターが、状況に応じて、警察・消防・救急等に振り分けていくシステムになっている)である。誘拐され、車のトランクの中から助けを求める少女からの電話を受けた彼女が、少女を励まし、手がかりを探し、警察に協力する姿をスリリングに描いていく。

半年前の事件で、Halle Berryが判断ミスで、やはり誘拐被害に遭った女性を救えず、心に傷を負う姿を描く冒頭から、あと少しのところまで少女の行方を追い、犯人の正体に迫る終盤まで、スピーディーで緊迫感のある画面が続く。大物女優が出ている割には、大作感が無いが、小ぶりで気の利いたサスペンス。通常料金じゃもったいないが、映画の日の1000円ぽっきりで楽しむ分には、ちょうどの映画だという感じで、ラストに突入。

しかし、ここから物語は、とんでも無い方向に暴走していく。「Psycho」とか「The Silence of the Lambs」方面に舵を切ると見せかけ、さらに、ラストでもう一段のツイスト。思いっきり唖然とさせられる。あまりの馬鹿方向への暴走に、クレジットを見直せば、製作会社の一つは、WWE Studios。そう、あの、米国のエンターテインメント・プロレス団体の関連会社だ。オペレータのHalle Berryと、被害者のAbigail Breslinが、アマゾネスの如く仁王立ちする姿は、まさに、WWEのノリだ。そう考えれば、合点もいく。

それにしても、Halle Berry、アカデミー主演女優賞受賞者とは思えない、仕事の選びっぷりだ。そういう意味では、憎めない作品である。



冬の矢野顕子強化月間スタート。今年は、ライヴ本数も少なく、金銭感覚がとち狂ったとしか思えないイベント(抗議の不参加)もあったりで、やや物足りない感が残るところですが…