IN/OUT (2012.9.9)

Robert Mapplethorpeの写真展を観に、西武渋谷店に行ってきた。

Mapplethorpeの写真、なかでもflowersのシリーズが大好きで、自宅の壁にもポスターを飾っているのである。それが、60点、まとめて展示されている。しかも、入場無料！ これは行かねばならない。デパートの営業時間＝夜9時まで開いているのも有り難い。

展示されているのは、モノクロのプリントだけ。それに合わせて、展示会場の内装も黒で統一。しかし、最後の最晩年の作品のコーナーだけは白い壁の空間になっているところが憎い演出だ。最近はすっかり変わってしまったが、アートの発信基地として機能していた、かつてのセゾン・グループの面影を感じてしまった。ただ、ベースはモノクロとしても、カラー・プリントを効果的に数点、配置しても良かったんじゃないかな、という気もする。無料の展覧会にあれこれ言うのも申し訳ないが。

何はともあれ、Mapplethorpeのflowers、本当に良い写真だ。単に綺麗な「お花」の写真とは全く別の、官能的な世界が拡がる。侘び寂びを感じさせる構図の作品有り、花なのに滅茶苦茶エロい雰囲気の物も有り、そして、死のイメージが漂う写真も。彼の作品群では、ヌードやポートレート系の作品の方が有名かもしれないが、いささかパワーが溢れすぎていると感じることもある。やはり、私は、flowersが好きだな。