IN/OUT (2012.9.16)

来週の今頃は、「『暑さ寒さも彼岸まで』という言い回しは本当ですね!」と書きたい、残暑の日々です。


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鋤田正義展 『SOUND & VISION』&『きれい』12.9.15

鋤田正義の写真展を観に、恵比寿と渋谷へ行ってきた。

まずは、恵比寿の東京都写真美術館へ。展覧会のタイトル「SOUND & VISION」は、もちろんDavid Bowieの代表曲の一つ。この曲が収録されているアルバム「LOW」のジャケットも鋤田氏の撮影なのだ。ということで、会場の入り口には、山本寛斎デザインの服で決めたBowieの大写真が! もう、これだけでテンションが上がる。

ロック・ミュージシャンのアルバム・ジャケットやポートレートの印象が強い鋤田氏だが、この写真展では、高校生時代にお母様を撮った写真から、最新のスカイツリーを撮った作品まで、幅広い年代の多様な作品が網羅されており、まさに、氏の全仕事を俯瞰できる展示になっている。テーマ毎に分かれた小部屋と、大空間に多数のポートレート作品を大胆にレイアウトした展示室で構成された見せ方も楽しい。

ミュージシャンを撮影した作品は、その半分ぐらいは目にしたことがある作品だと思うし、そのジャケットのアルバムを持っている物も多い。自分が、音楽、特にLPにお金を掛けていた時代と、彼の活躍の時期が重なっていたということか。一方で、ポートレート以外の、モノクロの風景写真にも興味深い物が多く、充実した写真展だ。

ただ、場内の一角で、鋤田氏が撮影を務めたビデオが流されているのだが、その一つが、AKB48の「桜の木になろう」のクリップ(監督は、是枝裕和)。映像はともかく、AKB48の歌声が会場内に響くのは、どうにも雰囲気が合わない。個人的には、David Bowieのベルリン三部作やパンクロックが聞こえてくれば嬉しいのだが…

恵比寿を後にして、渋谷へ。パルコミュージアムで、「鋤田正義写真展 きれい」を観る。こちらは、ポートレートのみ、73作品。東京都写真美術館の「SOUND & VISION」とダブった作品も多いが、見せ方が違う。最初はモノクロ作品、後半はカラー作品を、ずらっと壁に並るシンプルなレイアウトだ。場内は随所に花が飾られており、ポートレート写真と花が、タイトル通り「きれい」な空間を作り出している。

そして、ここでもまた、彼の作品がしっかり記憶に刻み込まれていることに驚く。というか、若い頃の矢野顕子や大貫妙子のあの写真も鋤田さんだったのか! おぉ、Adrian Belewのあのソロ・アルバムのジャケットも鋤田さん!! と、今まで知らなかったが、鋤田氏の写真だったという発見が多数。いやぁ、若い頃、お世話になっていた写真家だったのだなぁ(変な意味じゃ無くて…



渋谷渋谷センター街ではねぶたまつりが開催されていました。青森大学の学生さんが協力しているとのこと。夏の終わり感が漂う残暑の夕方に、良い感じでした。