IN/OUT (2012.8.19)

休日も含め、やたらと労働時間が長くなっている今日この頃、無理してでも映画の1本でも、と思って夜の有楽町、映画館街へ。作品自体については何も考えず、上映開始時刻だけで選んで飛び込んでみました。


in最近のIN

"The Thing"12.8.13

John Carpenterの傑作映画「The Thing(遊星からの物体X)」の前日譚を観てきた。邦題は「遊星からの物体X ファーストコンタクト」

原作は、John W. Campbell Jr.の短編小説「影が行く」。1951年にも映画化されているが、やはりインパクトがあるのは1982年のCarpenter作品だ。今と比べると特撮技術が発達していなかった時代の映画だが、Rob Bottinによるモンスターの造形は強烈な迫力だった。そして、Carpenterによる突き放したようなドライな演出で、とことん怖い。あの映画の冒頭は、南極のアメリカ基地に、ノルウェー隊のヘリコプターが犬を追っかけてくるというものだった。

そして、今回の作品は、その直前、ノルウェー基地で起こった事件を描き、ラストが見事にCarpenter版につながるようにできている。全体を貫くテイストも含め、Carpenter版へのリスペクトが随所に見られ、好感が持てる。

ただ、閉鎖された空間で、誰かがエイリアンの擬態だと疑心暗鬼に陥る登場人物達、という展開が全く同じなのは、致し方ないか。さらに、技術的には進化しているはずのSFXも、Carpenter版の方が、ローテクな分、逆に生々しさがあったようにも思う。

いずれにしても、意外な拾いもの、という感じで、大いに楽しめる映画だった。



忙しいと言いながらも、夏の矢野顕子ブルーノート祭りには、諸々ぶっちぎって参戦しましたが。