IN/OUT (2012.5.27)

金環食月曜日の金環食。いつもより早めに家を出て、見通しの良いところに寄り道して、しばし見物。


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"Sandcastle" @ Sintok 2012クロージング12.5.20

Sintok 2012の最終日に行ってきた。

まず、16時40分からの、"Invisible City"を観る。TAN PinPin監督による2007年製作のドキュメンタリーだ。シンガポールの過去を記録に残すために活動する考古学者や写真家、記者などを追った作品である。60分の上映後、この映画の出演者である朝日新聞の元シンガポール駐在記者 小倉いずみさん、山形国際ドキュメンタリー映画祭の藤岡朝子さん、そしてSintokの松下由美さんによるトークショー。作品自体は、いかにもドキュメンタリーっぽい編集がいささか私の苦手とするところだったが、題材自体は興味深かった。

続いて、18時30分からの最終上映。本編に先立って、Boo Junfeng監督が、Skypeを通じて直接観客にメッセージを伝える。会場からの「Junfeng!」の呼びかけに、嬉しそうに手を振る、見るからに好青年。クロージング作品の"Sandcastle"は、2010年、彼が27歳の時の長編デビュー作だ。

これが、期待以上の好作品だった。兵役を間近に控えた18歳の青年を主人公に、彼の成長、家族の秘密、そしてシンガポールの歴史が絡み合う、静かだが繊細で味わい深い映画だ。1956年の学生運動(資料によっては「共産主義者による暴動」などと表記されたりもしている)が、物語の重要な背景になっており、事前に"Invisible City"を観たのが、丁度良い予習になった。また、中華系の若者の多くは、繁体字を読むことが出来ないという事実がキーになっているところが、シンガポールらしい仕掛けだ。

人材の層が厚いとは言えず、映画大国になることは難しそうなシンガポールだが、このような題材で映画を撮る若者がいることが頼もしい。また、このように、シンガポールの今を伝える映像作品をまとめて観る機会があることを望む。



河岸で、沢山の人が足を止めて空を見上げている光景は、なんとも平和な感じでした。金環食だと、ほとんど暗くはならないのですね。