IN/OUT (2012.6.10)

先日の金環食前に、自宅近くで東の空が開けた場所を探しにウロウロしたのをきっかけに、ご近所を散歩することが増えた今日この頃です。


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「ベスティエール」12.6.9

原美術館とオール・ピスト東京(パリ・ポンピドゥーセンター公式アート&イメージフェスティバル)が主催するパフォーマンスを観てきた。タイトル"Bestiaire"は、英語では"Bestiary"。中世ヨーロッパの動物寓話集という意味。フランスの映像作家 Chris Markerによる同名の短編映像に、フランスのダンサー Maroussia Vossenが振り付けた動きと、清水靖晃によるサキソフォンの即興演奏が組み合わさったパフォーマンス。出演は、Maroussia Vossenと清水靖晃の他、 クリウィムバアニー(東京のダンスカンパニー)と、コンタクト・ゴンゾ(大阪のパフォーマンスグループ

舞台は、原美術館の中庭。建物の壁をスクリーンに、Chris Markerによる動物を主題にした作品が映し出され、その映像にインスパイアされたダンサーによる動きと、清水靖晃のサックスが続くという形式。象(Slon Tango)、フクロウ(An Owl is An Owl is An Owl)、牛(Bullfight in Okinawa)、猫(Chat écoutant la musique)の4作品。それぞれ、工夫がされていて面白い。特に、沖縄の闘牛映像の後に始まったコンタクト・ゴンゾによるストリート・ファイトのような激しい動き(というか、殴り合い)の迫力は異常。そんな荒くれ者の彼らが、猫に扮した少女=クリウィムバアニーと絡むラストのパフォーマンスも楽しい。

しかし、この日の一番の演出は、天候だろう。本番の前日、原美術館から届いたメールには、
「『べスティエール』の公演は、演出家の意向により、晴天・荒天いずれの場合も野外(中庭)で行います。オールスタンディング(立ち見)でのご鑑賞となります。恐れ入りますが、雨天時には各自レインコートのご用意をお願いいたします。(場内では、傘はご利用いただけません)」

果たせるかな、当日は、まさに関東地方梅雨入り。開演の夜7時半、かなり強めの雨と時折吹き付ける風の中、観客は雨合羽を着て中庭へ。鑑賞エリアとパフォーマンスエリアに明確な線引きはなく、観客はパフォーマーを取り囲むように自由勝手に立つ。ダンサーも大変だっただろうが、特に、雨の中、サックスを吹き続けた清水靖晃、カッコ良し。それにしても、何とも非日常的な体験だった。



今の場所に住み始めて、そろそろ丸七年。自分史的には、最長定住記録更新。その割りには、通勤路以外歩いたことがほとんど無かったので、色々発見があります。今更だけど、それなりに住み心地、良いかも。