IN/OUT (2012.3.11)

色々な事を考える特別な日付です。その中で、どうでも良いこととして、年が変わると同じ日付でも曜日が違うことへの違和感を改めて感じたりもしています。


in最近のIN

"The Bang Bang Club"12.3.10

1990年代前半、アパルトヘイト政策末期の南アフリカを舞台に戦場カメラマン達の姿を描く映画を観てきた。製作国はカナダ&南アフリカ。実話をベースにした作品である。

タイトルは、行動を共にしている4人のカメラマン達に付けられたあだ名。互いにライバルでもあるが、安全面を考え、グループで紛争地帯に突入しているのだ。あまりカッコ良くないあだ名だが、他のメディアによって「バン・バン・パパラッチ」と名付けられそうになったところを、ダサいのを承知で「クラブ」で手を打ったという描写がある。

当時の南アフリカは、マンデラ率いるANCと、違う部族で構成された黒人集団インカタとの間で激しい暴力抗争が続いていた。反アパルトヘイトの旗手として国際的な支持を集めつつあるANCを潰すため、白人政権は影でインカタを援助していたという話もある。暴力・殺人が日常的に頻発する中、カメラマン達はベストショットを競い合う。

そこで浮上するのが、「報道か人命か」という命題。登場人物の一人、Kevin Carterは、飢餓に苦しむスーダンで、有名な「ハゲタカと少女」の写真を撮り、ピューリッツァー賞を受賞するが、世間からは「少女を助けなかったのか?」との批判を浴び、自殺に追い込まれる。この写真とその後の騒動は、私も記憶していたが、画像・動画投稿サイトが当たり前になった現在、この問題はさらに難しくなっていると思う。

映画は、悩みを抱えつつも最前線に飛び込んでいく彼らの姿を、かなり事実に即して描いているようだ。エンド・クレジットでは、4人の本物の写真が映し出され、さらにリアル感が増す。

良心的に作られた映画だと思う。ただ、その分、物語としての盛り上がりには欠けるのが難しいところだが、実際に南アで撮影された緊張感溢れる画面は見応えがある。



原美術館原美術館の「ジャン=ミシェル オトニエル マイウェイ展」、本日が最終日ということで、またもや行ってきましたが、考えることは皆同じなのか、超が付くほどの大混雑。行列が出来ていたので、今回もカフェは断念。残念。