IN/OUT (2011.12.11) |
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近くの運河に、かなりの数のボラが集まっているようです。跳ねる習性がある魚のようで、夜、歩いていて、いきなり、ボチャン!という水の音が響くのが心臓に悪い今日この頃です。 最近のOUT"Real Steel" (11.12.9)Richard Mathesonの短編小説を基にした映画を観てきた。 舞台は2020年(1956年に書かれたMathesonの原作では、1990年代だったはず)。人間が戦うボクシングは廃れ、ロボット同士が戦うロボット格闘技が人気を博しているという設定だ。Mathesonの小説は何冊か読んでいるが、この作品は、そのやさぐれた雰囲気で印象に残っていた。しかし、これがハリウッド大作映画化と聞いたときには、ロボット格闘技なんていかにも古き良きSFっぽいアイディアを、21世紀にどう実写化するのか? と思っていた。 が、そこはハリウッド。昔のSFから基本アイディアだけをいただいて、現代風の映画にするのはお手の物。原作には全く出てこない「父と子の絆」という味付けを施して、それなりのドラマに仕立ててきた。その手腕は見事と言わざるを得ない。燃えるポイントと泣かせるポイントを押さえたストーリーも巧みなら、Hugh Jackmanと子役のDakota Goyoも良い演技だ。さらに、映像がとても綺麗なのもポイントが高いし、Danny Elfmanの音楽も素晴らしい。 ただ、問題は「ロボット格闘技」自体だ。巧みな演出で、それなりに感情移入できるのだが、それでも、超満員のスタジアムがロボットのぶつかり合いに大熱狂するというのは、漫画やアニメの世界だからこそ。実写でやられると、どうにも辛い。敵役の人物設定が、あまりにもステレオタイプなのも興醒め。"Rocky"を観たことのある人には何とも予定調和のラストも、いかがなものか? 観ている最中はそれなりに楽しいのだが、あとで振り返ると、ちょっと薄っぺらい。 原作は、汗と血の臭い、そして生身の肉体の痛みを描くことで、"Steel"というタイトルの皮肉が際立っていたと思う。しかし、この映画でのHugh Jackmanのシャドウ・ボクシングには、リアルな汗や血が感じられないず、残念。 ということで、今日は、これを書き終わったら冬の矢野顕子強化月間(上原ひろみもいるよ、バージョン)のメイン・イベント、NHKホールでのさとがえるコンサートです。続きはWebで |