IN/OUT (2011.10.23) |
|
タイの洪水が、ようやく日本でもそれなりに報道されるようになってきました。日本の水害のような激しい濁流ではなく、じわじわ水位が上がってくるため、一見、緊迫感に欠けるところや、被災している日系企業の工場も、被害状況が掴みきれていないなど、日本のマスコミが食いつくには、引きが弱かった、というところなのでしょうか。 自分の勤務先が影響を受けていることもあり、この程度の扱いで良いのかという憤りも覚えたりしますが、きっと、自分自身及び日本のマスコミが関心を寄せていないだけで、当事者にとってはとんでもない大事件は、毎日のように世界中で起きているのだろうとも思う、今日この頃です。 最近のOUT"Cowboys & Aliens" (11.10.22)Daniel Craig主演のSF西部劇を観てきた。 1800年代後半の米国西部。荒んだ町に流れ着いた記憶喪失の男がDaniel Craig。町を牛耳る強面の元軍人にHarrison Ford。曰くありげな二人が対立するところまでは、古き良き西部劇という感じだが、そこに突如襲来するエイリアン!面白そうなプロットだ。 しかし、そこからの展開があまりにも薄っぺらい。どこまでもニヒルなDaniel Craig。ふとしたところで人間味を見せるHarrison Ford。掠われた町の人を救出に向かう一団に加わる少年と犬。初めは敵対しながらも、共に戦うことを選ぶ盗賊やインディアン。そして、宇宙から来た謎の美女。意図的なんだろうが、あまりにもステレオ・タイプの登場人物達が、予定調和の行動を取る。そして、最後はビデオゲームのような活劇の末、町に平和が戻り、どこへともなく去って行くDaniel Craig。 ストーリーを、典型的な西部劇に仕立てること自体は面白い試みだと思うのだが、そこにエイリアンの襲来という異質の要素が加わって化学反応が起きるのを期待していたのだが、このエイリアンの設定があまりにもいい加減。結局、インディアンよりも野蛮で手強い部族が襲撃してきたのを撃退しました、という程度の物語に終わっている。風呂敷の広げ方が中途半端すぎるのだ。 ただし、Daniel Craigの好演だけは、観る価値があると思う。James Bondでもそうだったが、現実離れしたクールな役を演じさせたら、見事にハマる人だ。 今年は、宇宙人襲来映画が沢山封切られたが、その中でも期待していた一作だっただけに、ガッカリ感が強い。どう考えても高度な文明を築けるとは思えない化け物じみた宇宙人との肉弾戦という頭の悪い映画は、もう要らない。昨年、「第9地区」を観てしまった我々は、あれぐらい気の利いたエイリアン像を提示してくれないと、満足しないのである。 来週は、久しぶりの事が立て続けに起こり、楽しかったりめでたかったりするけど、出費もかさみそうです。っていうか、それを口実にレンズを1本買い足したんですが。 |