IN/OUT (2011.7.3) |
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ビールの美味しい季節になりました。今年は例年以上にオフィス内も蒸し暑いので、最初の一口の美味しさは倍増。 最近のOUT"The Hangover Part II" (11.7.2)大ヒットコメディ映画の続編を観てきた。 前作の粗筋の、「ラスベガス」を「バンコク」に、「虎と赤ん坊」を「猿」に、「消えた新郎」を「消えた新婦の弟」に書き換えれば、後は一緒というぐらい、潔い「パート2=二番煎じ」だった。舞台をタイにしたのも、別に海外ロケでスケールアップを狙ったのではなく、酔った上での馬鹿騒ぎを描くのに、ラスベガス以上に無茶できる場所が米国内に無かっただけだろう。もっとも、変に大作化するのではなく、徹底的にPart 1を踏襲した構成にしたのは、第一作が予想外にヒットした事へのファン感謝作という感じで、悪い気はしない。 実際、観ている間は笑いっぱなしだった。エンドクレジットに出てくる写真で全ての謎が解明できる、お馬鹿のようで、実は緻密に練られたミステリのような筋立ても、前作同様。下品さは酷い物だが、それほど不快にならないのは、能天気に徹しているからだろう。新しいアイディアこそ乏しいが、第一作好きの人には、とりあえず受け入れられる作品だとは思う。 ただし、私は、二つの点で、大いに不満が残った。一つは、バンコクを舞台にしながら、結局、米国人の馬鹿話だけに終始していること。タイ人の出演者もいるし、僧侶など、いかにもタイらしい登場人物も出てくる。しかし、タイ人やタイの文化と深く関わることは一切無い。異文化に接しても、英語だけを喋り、同じ目線になろうとしない高慢な米国人観光客という、ある種ステレオタイプとも言える描写だけなのが、なんとも勿体ない。 もう一つは、前作で、素敵な存在感を示していたHeather Graham嬢の出演が無かったこと。これには、本当にがっかり。一方で、今回も無理矢理登場してきたMike Tysonなんて、私には全然嬉しくないのだが、米国ではいまだに特別な存在なのだろうか? "The Hangover"の一作目を観たのが、ちょうど二年前。そのときも、前日が職場の大規模飲み会。そして、今回も同様。「酔って記憶をなくしたことで大騒動」という映画を観るには、何とも自虐的なタイミングが重なりました… |