IN/OUT (2011.6.12)

先々週に仕込んだ、天野屋の生麹による塩麹。良い感じになりました。ただ、乾燥麹に比べると、気難しい奴、という気もします。やはり、麹は生き物。熟成という地味な期間も、飼育的な楽しみが続きますな。


in最近のIN

「トンデモ本大賞2011」11.6.11

毎年恒例、と学会主催のイベントに出かけてきた。今年は、すでに前月祭が行われており、そこで2011年の大賞の投票は終わっている。今回は、その最終結果の発表と、トンデモ本大賞20周年を記念して「ベスト・オブ・ベスト トンデモ本」を選ぶという趣向である。

例によって「人として最低教」教祖、稗田 おん まゆら様の「最低ですかぁ〜」の呼びかけで開始。まずは、山本弘会長ら、創立メンバーによる座談「と学会の歩み」。話の内容は、グダグダである。

通常は、ここで、学会員による発表「と学会エクストラ」があるのだが、今回は20周年記念大会ということで、特別ゲストを招いて「と学会エクストラ・エクストラ」。一番手は、あの高須克弥院長と西原理恵子女史。高須院長が自らの身体を実験台に行ってきた美容整形の様子をビデオで紹介するという発表。手術シーンをモロに映した映像は、「と」ではなく「い」学会向けのビデオ。顔面の皮膚を切り取って弛みを伸ばし、さらに金線を皮膚の下に埋め込み、腹の脂肪を吸引するなど、血を見るのが苦手な人には衝撃的すぎる映像である。ご本人のブログを見ても、美容整形医師に対して我々が抱く固定観念を軽く超越した人だと思う。

続いて、アキバ系アイドル(と言っても、AKB48を呼ばないところが「と学会」)桃井はるこ嬢。話自体はまとまりの無い内容だったが、1990年代の秋葉原の情景を熱く語るところに、結構、共感してしまった。

UFOディレクター本日の目玉と言える発表者が、UFOディレクター 矢追純一氏。これまで、氏の本を散々ネタにしてきたと学会のイベントに出席し、天敵とも言える疑似科学ウォッチャー 皆神龍太郎氏と対談するという懐の深さを見せつけてくれた。オリバー君の事を「あれは猿ですよ」と断言する一方で、怪しげなヒーリングを会場の全員に施すなど、本当に喰えない人だ。なお、写真は、会場で行われていた宇宙人解剖くじ(解剖中の宇宙人の模型の腹に手を突っ込んで、くじの玉を取り出すというもの)で当たった、UFOディレクターキーホルダー。

エクストラ・エクストラの最後は、ハカイダーやドルゲの声でお馴染み、声優の飯塚正三氏。アニメや特撮物の悪役を中心に活躍されてきた大ベテランだが、ご本人自身、トンデモ本好きということ。こういうマニアックな人に、高須院長以上の大声援が寄せられるのが、さすが、オタクの集会である。

その後、2011年のトンデモ本大賞が、大川髢@「宇宙人との対話」に決定したことが発表され、いよいよ本題「ベスト・オブ・ベスト トンデモ本」の選考。過去の受賞作から、三上晃「植物は警告する」、武田了円「世界の支配者は本当にユダヤか」、松平龍樹「発情期 ブルマ検査」、副島隆彦「人類の月面着陸は無かったろう論」、枡谷猛「人類の黙示録」が一次選考で選ばれており、ここからベストを選ぶことになる。山本会長による各書の紹介の後、休憩時間中に投票。私の一票は、陰謀論や予言などとは全く異質のぶっ飛び方をしている「植物は警告する」へ。

投票結果の集計中は、演芸タイム。米粒写経による漫才。ボケの居島一平が歴史・軍事オタク、ツッコミのサンキュータツオがアニメオタクというお二人。はっきり言って、このネタではTVを通じてお茶の間に進出なんて永遠に無理だと思われるオタクネタの乱れ撃ち。しかし、その全てに反応してしまう特殊嗜好者が集結したと学会。面白い物を見せてもらった。

そして、20年間のベスト・オブ・ベストが副島先生の「人類の月面着陸は無かったろう論」に決まったところでお開き。あの本は、内容よりも、あまりにも熱い特殊な文体で、うけたのだろう。

ということで、濃ゆい4時間半を過ごさせてもらった。ただ、20周年で企画を詰め込んだ割には、演出が粗かったように思う。もちろん、と学会は、イベントのプロでは無く「読書集団」なのだから、しょうが無いのだが。


"The Disappearance of Alice Creed"11.6.11

イギリスの犯罪映画を観てきた。

周到な計画を立て、金持ちの一人娘を誘拐した二人組。しかし、完璧と思われた身代金強奪計画は、徐々に歯車が狂ってくる。

登場人物は三人だけ。舞台も限定された空間のみ。ストーリーは意外な方向に転がっていくのだが、観客に与えられる情報が少なく、見ていて、先が全く読めない。この緊張感の持続は、本当に見事だ。

ただ、オチは、ここしか落としどころが無いだろうとは思うものの、物足りなさが残る。最後の表情とかで、もうちょっと余韻の残し方が有ったようにも思うのだが。いずれにしても、三人しか登場しないことに、徹頭徹尾こだわり抜いたところが、脚本と監督を兼ねるJ Blakesonの優れた手腕だ。



そして、塩麹豆腐の漬け込みにも、塩麹そのもの以上に熟成の楽しさを味わう今日この頃です。